注文住宅・新築・デザイン住宅を手掛ける株式会社楓工務店(奈良市)は、従事者の高齢化が進む住宅・建築業界で、2014年から毎年新卒採用を続ける。
2019年12月現在で全社員の半数以上が新卒入社の社員、しかも現在まで退職者0%を達成し続けているという。
その秘訣は何だろうか。
働きがいを生み出す3つの仕組み
楓工務店では社員の働きがいを生み出すために、3つの施策を行っている。
1つ目は内定者に課題を出して、その達成度に応じて初任給を決定する制度だ。資格の取得やPCスキルの向上などのスケジュールを自分自身で設計して管理する。達成度が高ければ初任給が上がる、という仕組みだ。
2つ目はメンター・トレーナー制度。仕事を直接教えてくれる先輩社員とは別に、他部署から選出された先輩社員が新入社員をメンタル面でサポートする。新入社員が日々生まれる不安を解決できるだけでなく、業務で思うように成果を出せていない先輩社員も自己肯定感を持つことができる。
3つ目はテレワークの活用だ。配偶者の転勤などで遠方へ引っ越すことになった社員もオンラインで社内会議に出席したり、図面のチェックや業務管理などの主任職を担うことができる。社員の子供が優先的に通える企業主導型の保育園も今年6月にオープンし、子育てをしながらでも快適に働けるようになった。
マニュアル化で仕事の引継ぎに割く時間を短縮
働きがいを生み出す一方で、新入社員の教育にかかる時間を減らすための取り組みも行っている。弁当の注文の仕方からFAXの使い方まで社内の細かいルールをすべてマニュアルとして共有することで、大幅に教育にかかる時間を短縮することに成功した。
デザインの仕事にはある程度の「余白」が必要だ。従業員が長く働いてくれ、教育にかかる時間を短縮できる楓工務店流「働きがい改革」には他の企業も学ぶところが多いだろう。
株式会社楓工務店:公式ホームページ
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