成田国際空港の運営会社は11月28日、大規模な自然災害が発生したり、電力や通信といった重要なインフラが停止した時に、利用者を避難や空港機能の維持、迅速な復旧を図るための業務継続計画(BCP)を策定した。
【概要版】成田国際空港BCP(PDF・50頁)
台風15号・19号時の課題を反映・滞留者数を抑制へ
BCPは「災害に強い成田国際空港」をつくるのが目的。成田空港に関連する官民の47事業者で、共通する事項について定めた。
維持すべき空港機能の目標、関連事業者でつくる総合対策本部や役割分担についても決めた。
BCPの想定状況
1、成田空港直下地震(M7.3)震度6強
2、悪天候(大雨・暴風・大雪)
3、空港機能喪失(自然災害などによる電力・通信・上下水等、インフラ機能停止)
大規模地震の場合は、発生してから5時間以内の運用再開(避難のための出発機、救援機等)、24時間以内の定期民間航空機の運航再開を目指す。
悪天候の場合は、天候回復後、5時間以内の定期民間航空機の運航再開を目指すとしている。
災害などで空港機能を喪失した場合は、旅客ターミナルビルでは、停電から非常用発電機が稼働している10時間は防災設備、約30%の照明、上水の供給、通信ネットワーク等の重要設備の機能を優先的に維持する。
成田空港=資料写真、Adobe Stock備蓄食料を増加・地域の一時避難所にも
現在は想定滞留人数の2食分を備蓄する飲料水・食料については、2019年度中に発災後3日分に増やすとした。
一方で、2019年秋に台風15号と台風19号が関東地方を襲った際に、ターミナルに大勢の旅客が足止めされた課題も反映。滞留するのを防ぐために、空港につながる交通機関との連携強化、外国語案内の充実などを盛り込んだ。
また、旅客だけでなく、地域住民の一時的な避難所としての機能を確保するなど、積極的な地域貢献を行うとした。
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