エン・ジャパン株式会社は9月11日~10月11日に、同社が運営する人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」利用企業517社を対象に、「オフィスでの禁煙」に関するアンケート調査を実施した。11月22日、その結果を公開した。
Adobe Stock約7割が社内禁煙に着手
政府は2020年4月、企業に「原則屋内禁煙」「20歳未満は喫煙室へ立入り禁止」などを義務付ける「改正健康増進法」を全面施行する予定だ。
調査結果によれば、同法律の認知度は「概要だけ知っている」という回答も含めれば67%だったという。
▼2020年4月1日に完全施行される「改正健康増進法」を知っていますか?
68%の企業が「社内の禁煙へ取り組んでいる」と回答し、企業規模別では、1000名以上の社員を持つ企業が78%で最多、業種別ではメーカーが80%で最多だった。企業規模が大きいほど実施率も高まる傾向が見られた。
▼現在、社内の禁煙に取り組んでいますか?(企業規模別)
▼現在、社内の禁煙に取り組んでいますか?(業種別)
理由は社員の健康保持のため
社内禁煙に取り組む理由としては、「社員の健康を守るため」との回答が第1位であった。
▼「社内の禁煙に取り組んでいる」と回答した企業に伺います。禁煙に取り組む理由を教えてください。(複数回答可)
具体的な取り組みについて問うと、34%が「就業時間中(お昼休みを除く)の禁煙」、22%が「ポスター・リーフレットによる情報提供・啓発」、そして12%が「健康教育・健康指導(講習会)の実施」に取り組んでいることが分かった。その他、社用車内の禁煙や、空間分煙、喫煙所の設置などに取り組む企業も見られた。
禁煙実施の結果については、まだ変化を感じていないという回答も26%を占めたが、「職場内がきれいになった」「喫煙者が減った(禁煙する社員が増えた)」といった効果が出ているようだ。
▼「社内の禁煙に取り組んでいる」と回答した企業に伺います。禁煙の取り組み実施の結果を教えてください。(複数回答可)
社内禁煙に取り組む意思のない企業も2割弱
反対に、取り組まない理由として最多の回答は「経営層が喫煙者であるため」だった。次いで、「喫煙者の理解が得られない」「必要性を感じない」「喫煙室を設けるスペースがない」などが挙げられた。
今後については、社内禁煙実施企業の9割が「これまで通りに推進」とし、未実施企業の約半数が「これから検討」と回答していた。
▼「社内の禁煙に取り組んでいない」と回答した企業に伺います。今後の社内の禁煙に対する方針を教えてください。
大多数の企業が「改正健康増進法」全面施行に先駆けて社内禁煙を既に実施している一方で、「今後も取り組まない」としている企業も17%と、一定数は存在している。民間企業に、禁煙・分煙の流れがどこまで浸透するのだろうか。
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