個人データを集め、その情報を本人の許可のもと企業へ提供するという「情報銀行」が、昨今注目を集めている。
パーソナルデータを資産化
株式会社マイデータ・インテリジェンスは7月3日、スマートフォンアプリ版マイデータ・バンク「MEY」の提供を開始し、同月12日にはiPhone版もリリースした。
「MEY」は無料で利用開始ができ、ユーザーは自身のパーソナルデータを情報銀行に預託することができる。
銀行の利息と同じように、企業への情報提供に同意すると、ポイントやサービスなどといった対価を得ることも可能。まさにパーソナルデータを「資産化」することができるのだという。
Adobe Stock個人情報は本人が管理
同社によれば、情報銀行は、欧州連合(EU)にて「個人情報データを特定の企業が独占している」ということに異が唱えられたことがきっかけで誕生したという。
「消費者の個人情報は、消費者本人がコントロールをする権利がある」という考え方のもと、「MEY」においても、自身のデータを可視化し管理ができるような仕様になっている。
「データを可能性に」
三菱 UFJ 信託銀行株式会社は2020年4月、情報銀行プラットフォーム「Dprime」のモバイルアプリケーションの提供開始を予定している。
具体的な機能としては、個人の意思により自動でデータを収集することや、収集したデータをグラフ化し可視化につなげること、そして、データを資産として貯めるほど便益が得られるということなどが可能となる。
最終的に2020年10月には、個人の同意によりデータ利用企業へデータ提供ができるようになると同時に、データを提供した利用者は企業からサービスを受け取ることができるようになる予定だ。
「Dprime」のコンセプトは「データを可能性に変えよう」。同社による厳正な審査を通過した企業のみがデータを活用できるということで、より安全性の高いサービスとして、個人と企業との長期的な関係構築を支えていくとしている。
このように情報銀行のサービスが広まっていく中で、個人データを活用し、個人の嗜好に合った商品やサービスを提案するなど、うまくビジネスに繋げたいという意欲を見せる企業が次々と現れているようだ。
情報銀行の動向からは、今後もしばらく目が離せないだろう。
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