HOMEインタビュー 「交流型賃貸住宅」が人気!SNSのような住空間とプライバシー確保を両立

「交流型賃貸住宅」が人気!SNSのような住空間とプライバシー確保を両立

長澤まき

2019/11/21(最終更新日:2019/11/21)


このエントリーをはてなブックマークに追加

従来型のワンルームマンションともシェアハウスとも異なる、交流型賃貸住宅「ソーシャルアパートメント」の人気が近年、高まっているという。運営するグローバルエージェンツに取材した。

交流型賃貸「ソーシャルアパートメント」

マンション並みのプライバシーを確保しつつも、建物内に共用ラウンジなどの交流スペースを備え、住人間の自発的なコミュニティ形成を促進させる仕組みを持った共同住宅「ソーシャルアパートメント」の人気が高まっている。

今年9月に神奈川県川崎市にできたばかりの「ネイバーズ武蔵中原」は、144世帯が創る小さな街がコンセプト。

本格的な調理器具等をそろえた台所や300平方メートル以上のラウンジ、会話ができる作業用ラウンジ、本棚、フィットネススタジオ、音楽スタジオなど、多種多彩な共用設備を備えている。

今年9月にオープンしたところ、わずか3週間で全144室が満室になったという。

「交流型賃貸住宅」が人気!SNSのような住空間とプライバシー確保を両立 1番目の画像
提供:グローバルエージェンツ
「交流型賃貸住宅」が人気!SNSのような住空間とプライバシー確保を両立 2番目の画像
提供:グローバルエージェンツ(左:キッチン、右:シアター)

SNSをきっかけに発案、学生時に設立

事業を手がけるのは、ソーシャルアパートメントを主力事業に、ゲスト交流型ホテル、ソーシャルアパートメント併設カフェなどの生活事業を展開するグローバルエージェンツ社だ。

同社の代表が大学3年だった2004年、創業当初のFacebookやmixiなどのSNSに出会ってインターネット上でつながりをつくる魅力に触れ、それをリアルの住空間に展開したいと考えたという。住まいを通した人的つながりの場としてソーシャルアパートメントを発案し、2005年5月に同社を設立した。

翌2006年3月に1棟目となる「ソーシャルアパートメント蒲田」をオープン。

同社代表が学生の時に国内外でシェアハウスやルームシェアなど多様な暮らしの形を体験したことが、事業開発およびコンセプト開発に影響しているという。

プライバシーと交流を両立「動線」に工夫

グローバルエージェンツの担当者に話を聞いた。

-----ソーシャルアパートメントの運営にあたってこだわっている点は?

「お部屋の中ではなく、新しい出会いや仕事の機会など、コミュニティが生まれる共用部に付加価値を見出しています。

エリアや物件によって、ラウンジにビリヤード台を置いたり、シアタールームや防音室、スタジオ、ワークスペースなど、共用部分の演出に力を入れることで、入居者同士の自然なコミュニケーションが生まれるよう動線を考え設計しています。

入居者には入居者専用サイトにてマイページを用意し、契約情報の確認や入居者同士の連絡、イベント告知ができるようなシステムを導入しています。

一方で、エントランスから居室までの動線は独立しているため、自分のプライバシーもしっかりと確保できるよう運営しており、コミュニケーションは入居者一人ひとりが能動的かつ自発的に行うのが特徴です」

-----どのような方が利用していますか?

「20代・30代を中心に、学生から社会人の方までご利用いただいております。

男女比率は男50%女50%、外国人比率は2割程度です(物件により4~6割のところもあります)」

「交流型賃貸住宅」が人気!SNSのような住空間とプライバシー確保を両立 3番目の画像
提供:グローバルエージェンツ

一人暮らしで自然と選択肢に入ることを目指したい

ソーシャルアパートメントは、冒頭で紹介した「ネイバーズ武蔵中原」だけでなく、今年3月1日に開業した「WAVES日本橋浜町」はオープンと同時に満室に、大阪に昨年10月に開業した「TERMINALS高槻」が3カ月で満室になるなど、各地で人気が高まっている。

-----これほどの人気となった理由や利用者からの反響を教えてください。

「自社サイトでは、部屋の写真や紹介を少なくし、パブリックスペースの紹介に力を入れています。

ソーシャルアパートメントのサイトでは、お部屋や入居者イベント、入居者インタビューなどを掲載し、私たちが提供する『人が集まる場』という付加価値への理解促進をしております。

これによって、ソーシャルアパートメントが提供する付加価値に共感した方に入居いただき、入居した方がSNSや友人紹介などで魅力を伝えてくださることで、さらに多くの方に認知頂いております。

これらを実現している背景として重要なのが、仲介を介さずに100%自社集客を行っている点です。

内覧申込時にコンセプトや特徴を理解することができ、また内覧も1時間~2時間ほど時間をかけてご案内をするため、理解度が高い状態で入居されます。

入居後はご友人やご家族を招かれる方も多く、実際に入居される方も入居以前にソーシャルアパートメントに遊びに行ったことがある、という方が多いのはまさにリアルなSNS体験と呼べるかと思います」

「交流型賃貸住宅」が人気!SNSのような住空間とプライバシー確保を両立 4番目の画像
提供:グローバルエージェンツ

-----ソーシャルアパートメントに込める思い・ビジョンを教えてください。

「人と人が集まる場を作り、世界が広がる体験によって、自己実現へ邁進できる社会を実現していくことを会社のミッションとしています。

ソーシャルアパートメントが生活の中でそのような機会を生み出せる場所であること、その上で一人暮らしを検討する際に自然とソーシャルアパートメントが選択肢に挙がるよう、文化として位置づけられることを目指しています。

住んでいる人同士をつなげる仕組みにも力を入れており、物件間をまたいだイベントの企画・運営なども行っています。

ソーシャルアパートメントに入居をすれば、数千人の人脈、機会、情報にアクセスできる、そのような生活のプラットフォームになり得ると考えています」


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード