Pre(プレ)宇宙日本食の認証を受けた「スペースからあげクン」について、ローソン広報室に取材した。
からあげクンが「Pre宇宙日本食」に認証
ローソンは10月29日、宇宙仕様にフリーズドライ化した「スペースからあげクン」が11カ月の保存性試験に合格し、JAXAが宇宙日本食認証基準の特例に定める「Pre宇宙日本食」としての認証を受けたと発表した。
同社によると、コンビニエンスストアのオリジナル商品が「Pre宇宙日本食認証」を受けるのは、今回が初めてだそう。
この後、搭載する宇宙食として選定されれば、からあげクンが晴れて宇宙へ飛び立つことになるという。
出典元:ローソンホームページ
食品メーカーの食品をJAXAが評価・認証
宇宙日本食は、食品メーカーが提案した食品をJAXAが評価し、宇宙食としての基準を満たしている場合に与えられる認証。
栄養成分検査、微生物検査、1年半の保存試験などを実施した上で、それらの全データとともに申請して審査を受ける。
特例として、認証を受けるためのプロセスの途中で、日本人宇宙飛行士のISS長期滞在が計画された際に、宇宙食を輸送する宇宙機の打上げのタイミングによって、賞味期限が1年半に満たなくてもISSでの喫食が可能なことが判明した場合、JAXAは必要な保存試験の期間と共にその旨を告知できるそうだ。
希望する企業が必要な期間の保存試験を実施した後、JAXAが宇宙日本食認証の2次審査と同等の審査を実施し、当該商品(Pre宇宙日本食)をISSに搭載する。
宇宙兄弟とのコラボ動画を公開
ローソンはPre宇宙日本食認証を記念して、宇宙兄弟とからあげクンのコラボ動画を公開。
また、2019年10月29日~2020年1月27日まで、ローソンゲートシティ大崎アトリウム店に宇宙コラボ店をオープン。宇宙服を着たからあげクンのぬいぐるみなど、オリジナル商品を販売する。
「宇宙でも肉が食べたい」との声がきっかけ
ローソンでは、2017年2月に「宇宙プロジェクト」を発足させた。
JAXAや製造メーカーなどの協力のもと、ISSに滞在する宇宙飛行士に提供する宇宙食として、スペースからあげクンの開発に取り組んできたという。
広報室に詳しい話を聞いた。
-----からあげクンを宇宙食にするプロジェクトを開始した経緯を教えてください。
「後々プロジェクトメンバーとなる社員がニューヨークで開催されたイベントで宇宙飛行士の話を聞いたことがきっかけで、『ローソン商品を宇宙食にしたい』という構想が生まれ、プロジェクトが発足しました。
からあげクンを選定した理由としては、宇宙飛行士の皆さまから“宇宙でもお肉が食べたい”との声をいただいたためです。」
提供:ローソン/Pre宇宙日本食認証を受けた「スペースからあげクン」のパッケージイメージ無重力で粉が飛び散らないよう工夫
-----「スペースからあげクン」について詳しく教えてください。
「味はからあげクンレギュラー味です。
味付けは、地上と同じものを宇宙でも召し上がって頂きたいため変えていません。からあげクンと同じく、国産若鶏の胸肉を使用しています。
大きさは1口サイズ、通常のからあげクンの半分位です。水に戻さず、そのままスナック感覚でお召し上がりいただけます」
-----開発で苦労した点や、それを克服した方法とは?
「無重力状態では、小さな粉などが機械に入り込みやすく故障の原因となってしまうため、食べた時などに粉が飛び散らないようサイズ調整含めて苦労しました」
提供:ローソン/Pre宇宙日本食認証を受けたスペースからあげクン担当者「ISSで海外の人にも楽しんでほしい」
同社は今後も、宇宙日本食に要求される1年半までの保存性試験を続け、その後、保存性や衛生性等様々な審査を経て、2020年に「宇宙日本食認証」を受けるための準備を進めるという。
-----「スペースからあげクン」に込める思いとビジョンを聞かせてください。
「近い将来、月や火星に気軽に行けるようになった時に、ローソンの看板商品である『からあげクン』を宇宙でも気軽に食べられるようにしたいと考えました。
2020年以降には日本人飛行士の搭乗も予定されているようですので、認証を取得できた際には早速召し上がっていただけると嬉しいです。
多くの皆さまにご支持いただいている『からあげクン』が宇宙食になることで、宇宙を身近に感じていただければ大変嬉しいです。
最近では外国の方にもご好評いただいておりますので、日本人飛行士の皆様ほか、国際色豊かなISSで海外の方にも楽しんでもらいたいです」
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