学術研究団体の日本マーケティング学会は20日、同学会員が選ぶ「日本マーケティング本大賞2019」を発表した。
マーケティング理論や実践の普及のため、1年間(2018年4月~2019年3月末)に日本で出版された翻訳本を除くマーケティング書籍を対象に、同学会の会員が推奨する優れたマーケティング書籍を投票形式で選出。
ノミネートされた6作品の中から、デジタル・マーケティングの基礎を学べる「1からのデジタル・マーケティング」(西川 英彦・澁谷 覚 (編著)碩学舎/2019年2月刊行)が大賞に選ばれた。
大賞「1からのデジタル・マーケティング」
「1からのデジタル・マーケティング」は、理論と事例をセットにしたわかりやすい構成によって変化の速いデジタル・マーケティングのマネジメントを網羅的に提示した、実務的な示唆を多分に含む一冊。
新しい事例が豊富に扱われていると共に用語の解説が的確で、流行りものとしてではなく基礎的なアプローチから読み解かれている。
デジタル・マーケティングを体系的なテキストの形でまとめるという困難に初めて向き合っただけではなく、従来のマーケティングとの接続にも目配りされており、伝統的なマーケティングの理解が深まる点も評価された。
デジタル・マーケティング初学者にとって良質の入門書であるだけではなく、マーケティングに関わる者にとって必携の1冊だという。
準大賞に「右脳思考」など2作品
準大賞には、「右脳思考」(内田和成 東洋経済新報社/2018年12月刊行)と「マーケティング・リサーチのわな:嫌いだけれど買う人たちの研究」(古川 一郎 有斐閣/2018年12月刊行)の2冊が選ばれた。
「右脳思考」は、経験や勘の必要性と重要性を実務に展開しやすい形で示した1冊。
ロジカルシンキングの課題と感情や直感の役割を分かりやすい言葉と豊富なチャートで目に見える形にし、意思決定とコミュニケーションの有効な方法を示した。サイエンスでもありアートでもあるマーケティングに関する考えを深めつつ、ビジネスの深淵をのぞき込ませてくれるという。
出典元:日本マーケティング学会プレスリリース「マーケティング・リサーチのわな:嫌いだけれど買う人たちの研究」は、定量分析活用の在り方そのものを検討した学術書であり実践書。
マーケティング・リサーチやデータの持つ意味に正面から取り組み、定量分析手法の使われ方の限界と可能性を系統的に検討した示唆に富む良書だという。
出典元:日本マーケティング学会プレスリリースU-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう