ドコモは、冬春モデルとしてスマートフォン5機種、ケータイ2機種を発表した。
ドコモが冬春モデルを発表!目玉は「Galaxy A20」
「Galaxy Note10+」や「AQUOS zero2」「Xperia 5」といったハイエンドモデルを取りそろえた中、目玉として同社の吉澤和弘社長が取り上げたのは廉価モデルの「Galaxy A20」だった。
同モデルは、本体価格が1万9440円。2年間の割賦を組むと、1回あたりの支払額はわずか810円に収まる。吉澤氏は「非常にお求めやすいのが大きな特徴」と語った。
低価格ながら、Galaxy A20はおサイフケータイや防水・防塵に対応。さらには、日本版の独自仕様として、ストラップホールも備える。
吉澤氏が「初めてスマホをお持つ方に、ぜひおすすめしたい端末」と語っていたように、“ガラケー”などと呼ばれるフィーチャーフォンからの移行を促す狙いがあると見ていいだろう。
「Galaxy A20」強力プッシュのワケは電気通信事業法の改正
ドコモがGalaxy A20を強力にプッシュした背景には、10月1日に改正された電気通信事業法がある。
改正事業法では、料金プランに紐づいた割引が禁止され、分離プランの提供が大手3キャリアとその傘下のMVNO、100万回線を超えるMVNOに義務化された。これに伴い、ドコモは端末購入に伴う月々サポートを継続できなくなった。
月々サポートは、端末の購入に伴い、料金を割り引く仕組みだったが、差し引きした金額は“実質価格”と呼ばれていた。
改正事業法の下では、この実質価格が打ち出せなくなり、端末そのものの価格がユーザーにそのまま提示される。
結果として、見かけ上、端末は割高になっている。ここに対し、負担感を緩和する意味合いで、各社は価格の安いミドルレンジモデルを拡充している。
料金値下げに伴い、月々サポートが廃止された。見かけ上、端末価格が上がってしまうが、ドコモは廉価モデルで対応していくドコモも、「スタンダードモデル」として、Galaxy A20のほかに、シャープ製の「AQUOS sense3」を導入。夏モデルとして販売されてきたスタンダードモデルに、2機種を新たに加えた格好だ。
中でも、Galaxy A20は上記のとおり、おサイフケータイや防水・防塵にまで対応している。改正事業法の下で、一押しにしやすい価格だったというわけだ。
吉澤氏は、「端末そのものに対する補助が限定される中、端末の値段を下げることで、お客様にとって使いやすくしていく方法もある」と語る。
5G移行を見据えて?ハイエンドモデルは控えめ
Galaxy A20が注目を集めたドコモだが、ハイエンドモデルは他社と横並びで、ファーウェイ製の「P30 Pro」をランナップに加えた夏モデルのような“ドコモならでは”を打ち出すことができなかった。
夏にスタートした「スマホおかえしプログラム」は継続提供していく方針だが、比率としてハイエンドモデルの割合が下がってきているのも事実だ。
一方で、ドコモは春にも5Gをスタートさせる。吉澤氏は冬春モデルを「4Gの集大成」(同)と称していたが、ハイエンドモデルは、軸足を5Gに移していくと見ていいだろう。
「年度で見れば、かなりの端末をそろえた」(同)というが、5G端末を控える中、買い控えも起こる可能性もある。こうした状況を踏まえると、冬春モデルはやや控えめなラインナップにならざるをえなかったのかもしれない。
もちろん、個々の機種は性能も高く、長く使える1台になることは間違いない。
5G開始当初はエリアも限定的になるため、無理に端末を待つ必要性は薄い。特にハイエンドモデルを好んで購入するユーザーは、スマホおかえしプログラムの権利を行使できる2年後に、5G端末を購入しても遅くはないだろう。
その意味で、冬春モデルは選ぶのが悩ましいラインナップと言えそうだ。
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