ナショナルデパート(岡山市)は10月11日、同社が展開する食のコスメティックブランド「CANOBLE(カノーブル)」が3DCAD・3Dプリンターを活用したバター製造方法を開発したと発表した。
新製法によるバター製品を10月中に順次投入するという。
従来は手作業のため、製造能力に限界
同ブランドは、日本におけるフレーバーバターの先駆者として、バターに果汁や具材類をふんだんに練り込みながらもバターの余韻が残るバター「ブールアロマティゼ」シリーズを展開。
これまでは、水と油のように本来は混ざり合わない組み合わせのバターと果汁を手作業で混和させてきた。
しかし、熟練の技術と体力を必要とすることなどから、需要増加や販路拡大に製造能力が対応しきれないという課題を抱えていた。
出典元:ナショナルデパートプレスリリース3Dプリンターを活用して原型を造形
同社は製造能力と食味向上を同時に実現させる製法として、3DCADと3Dプリンタを活用した射出成形冷凍による新たなフレーバーバター製造方法を開発。
流動学を応用した射出シミュレーションを行い、3DCADでモデリングしたデータを3Dプリンターで原型を造形し、食品レベルのシリコンを用いて成形型を製作する。
出典元:ナショナルデパートプレスリリース/モールド(成形型)作成のための3Dプリンタで造形したバター原型出典元:ナショナルデパートプレスリリース果汁などの水分を混和させたバターを成形型に射出し、細かな振動を与えて冷やし固めることで、手作業での混和と同様の効果を得ることができるそう。
バター成形と生地内部の混和の均一化を同時に行うことが可能になるため、従来の製法に比べ大幅な効率化を実現。
同製法で作られたバターは手作業で成形したものよりも口溶けや風味が良く、溶けにくいという結果が得られているそうだ。
出典元:ナショナルデパートプレスリリース新製法では短期間で設計から製造ラインの組み換えまで行えるため、用途に応じた形状のバター製造が可能になるので、オリジナルPB製品やOEMの受託に活用していく予定。
手作業では作ることができなかった複雑な形状や美匠に優れた、様々なデザインのバター製造も可能になるそうだ。
今後は、AIやジェネレーティブデザインによる形状の最適化など、様々な技術を駆使して、社会の要求に合った新たな製品開発を展開していくという。
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