デジタルコンテンツを提供するアドビの日本法人であるアドビ システムズ 株式会社は、電子メール利用実態調査「2019 Consumer Email Survey」を発表した。
この調査は、2019年7月に、米国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、インド、日本の各国約1000名の10~60代の男女対象に行ったものだという(調査データは、2019年7月26日から2019年8月6日にかけて収集)。
Email Usage – Working Age Knowledge Workers
仕事&私用、日本人の平日の電子メールチェック時間は?
仕事関連のメールと私用メールをチェックするのに平日どのくらい費やすかを聞いたところ、日本人がメールをチェックする時間は平日平均で、仕事関連のメールは77分、私用のメール53分で、ともに今回調査した7か国で最短という結果。
対面でのミーティングが少なく、テレワークやフレックスタイム等の働き方が進んでおり、より電子メールを活用する環境にあると考えられる他国と比べて、日本人が電子メールを処理する時間は短いということがわかった。
日本人で受信ボックスの未読メールをゼロにする習慣がある人は51%で、ゼロにすると「安心する」と感じる人は58%に留まっており、半分近くの人がメールを全部チェックしていない状況が明らかになった。
未読メールを全部チェックしない理由を探ってみると、受け取ったメール全体のうち、役に立つと思うメールが少ないと感じていることが挙げられる。
日本人では、仕事関連で受信したメールのうち開封するのは69%、役立つと思うメールは49%と調査各国の中で最も低い結果となり、私用メールでは、日本人の開封率は62%、役立つと思うメールはわずか37%に留まる。
企業からのプロモーションメール開封率が急降下
また、日本人の調査において、企業からのプロモーションメールで思わず開きたくなるほどの関心を引くメールの割合は、仕事関連のメールが33%→20%、私用メール31%→20%と、わずか5分の1程度となり、昨年から急降下している。特に私用メールに関しては、調査各国で最も少ない結果となった。
プロモーションメールで消費者が不快に思う理由は、メールが頻繁すぎる(43%)、文字が多い・文章が下手(35%)、パーソナライゼーションしすぎで気味が悪い(24%)、すでに買ったことのある商品を薦められる(23%)との結果に。
さらに、パーソナライズされたプロモーションメールになぜ満足していないのかを探ったところ、私用メールの場合、日本では全世代を通じて「(パーソナライズされたプロモーションメールの)提案が自分の興味に合ってない」と答えた人が、回答者の44%に上った。
つまり、的確なパーソナライゼーションを実現できれば、消費者のプロモーションメールへの関心を高められる可能性がまだ秘められているということだ。
調査結果まとめ
今回の調査結果で、電子メールはこれまでと変わらず、消費者の間では日常的に活用されている手段であり、マーケターにとっては、顧客と直接つながることができるツールであることがわかった。
また電子メールマーケティングにおいて、消費者から見て的確なパーソナライゼーションは必須であり、消費者がいつ、どういう場面で企業からのプロモーションメールを見るのかという理解を深めることが、メールの開封率およびエンゲージメント率の向上にもつながると考えられる。
消費者のニーズに合っていること、頻繁すぎず的確なタイミングで配信すること。個々の消費者研究がますます重要になってくるようだ。
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