ドコモが新料金プランの「ギガホ」と「ギガライト」を発表した。開始は6月からで、5月22日から予約の受付を開始する。ギガホとギガライトは、以前から「最大4割値下げする」と表明していたプランで、値下げ以外ではシンプルさも打ち出した格好だ。
ドコモ新料金プランはよりシンプルに
新料金2つは、これまでの料金プランとは異なり、基本使用料やデータパックを個別に選択していく必要がない。前者は30GB、後者は0〜7GBまで段階的に料金が上っていく仕組みで、このどちらかを選ぶだけだ。音声通話を定額にしたい場合は、オプションをつける形になった。
ギガホの正価は6980円。ギガライトは1GBまでが2980円、以降2GBごとに料金が1000円ずつ上っていき、5GBを超えると5980円に達する。家族で契約すると2回線で500円、3回線で1000円の割引が受けられる。
現行プランのようなデータパックの容量を分け合う仕組みではなく、ファミリー割引を組むだけでいいため、こちらもよりシンプルになったといえるだろう。
ギガホは6980円、ギガライトは2980円からとなる。上記の金額は、家族で3回線以上契約して「みんなドコモ割」を適用した場合家族(または親族)で3回線以上契約していると、回線ごとに1000円の割引を受けられるドコモ光に加入している場合も1000円割引
また、ドコモ光に加入している場合も、1回線ごとに最大1000円の割引が受けられる。家族で3回線契約し、ドコモ光に加入した場合、30GBのギガホが4980円、ギガライトが5GBを超えたときには3980円になる。
ドコモは「家族3人以上でご利用いただいている方が7割を占める」(代表取締役社長、吉澤和弘氏)というだけに、新料金プランでは、多くのユーザーが少なくとも1000円割引の恩恵を受けることができそうだ。
ドコモ光に加入している場合も、割引は1000円「月々サポート」はなくなるが割引は継続の意向
どちらもいわゆる「分離プラン」で、端末の購入を条件にした割引の「月々サポート」はつかない形になる。月々サポートは2年限定の割引だったが、新料金プランは「1年後、2年後に高くなるのではなく、ずっとこのタリフ(料金体系)で使っていただける」(同)という点もシンプルになった点といえる。ただし、端末割引がなくなると、iPhoneのようなハイエンドモデルには割高感が出てしまう。
これに対し、ドコモは「端末をお求めやすくするようなアイデアを検討中。新しいデバイスを発表するときに、同時に補助の体系も発表したい」という。これまでのような月々サポートはなくなってしまうが、何らかの形で、割引は継続する意向を示した。この新しい割引は、5月に開催されるとみられる新端末の発表会で明らかになりそうだ。
端末割引も用意していることを明かしたドコモの吉澤社長本当に安くなるかはケースバイケース
現行と比べると確かにシンプル化したドコモの新料金プランだが、本当に安くなるのかは、ケースバイケースだ。
「最大4割」というのは、あくまでベストケースで、すべての人に当てはまるわけではない。すぐに変えるべきなのは、データ利用量が少なく、かつ端末が古く、月々サポートが適用されていないユーザーだ。
吉澤氏によると、ドコモのスマートフォンユーザー全体の4割は、毎月のデータ使用量が1GB以下に収まっているという。4割値下げになるのは、このユーザーの場合だ。
現行プランだと、980円のシンプルプランにspモード利用料の300円、ベーシックパックの2900円で合計4180円かかっているが、新料金プランのギガライトだと、2980円に収まる。家族で3回線以上契約している場合、1980円と、半額近い金額になる。
値下げ幅は、今、どのプランを契約しているかによって異なるほとんど値下げにならないケースも
また、30GBの「ウルトラデータLLパック」を使っていたユーザーも、9280円(シンプルプラン+spモード+ウルトラデータLLパックの合計)から6980円に値下げとなる。家族が契約していれば5980円と、3割強の値下げになる計算だ。
ただし、逆にほとんど値下げにならないケースもある。たとえば筆者の場合、20GBの「ウルトラデータLパック」を契約しているが、新料金プランには同容量のプランがないため、移行しようとすると、30GBのギガホを契約せざるをえない。料金そのものは7280円から6980円になるが、値下げ幅はわずか300円。月々サポートがなくなることも考えると、事実上の値上げになる。
新料金プランへの移行は強制ではなく、現行プランもそのまま使い続けることが可能だ。少なくとも、月々サポートが残っている間は、移行すると損をしてしまう可能性がある。発表を機に、自分の料金プランを改めて見直してみることをオススメしたい。
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