長野県信濃町と特定非営利活動法人Nature Service(埼玉県坂戸市)は、2016年度から3年間行ってきた実証実験の結果、自然環境における従業員のリモートワークが生産性の向上に一定の効果があることの示唆を得た。
2月13日(水)に都内で最終報告会を行う。
脳波を数値化して職場環境改善の一助に
長野県信濃町とNature Serviceによる「脳波測定による、自然体験が寄与する企業経営課題解決への実証実験」は、都市部の企業が抱える社員のメンタルヘルスの不調のリスク対策や多様化する働き方のマネジメントという課題に対して、自然の癒しが仕事に与える影響を脳波分析システムの数値化により、企業の職場環境改善やリモートワーク推進のサポートができるようにしていこうというもの。
実験は、株式会社電通サイエンスジャムの感性アナライザーを使用し、脳波測定、睡眠の質など定量分析を中心に、アンケート回答など定性分析もあわせて実施。信濃町で1泊2日のリモートワーク中の脳波測定と1時間程度の森林散策(森林セラピー)を交えた。
自然の中でのリモートワークが脳波に与える好影響
実験の結果、8割の参加者が都内オフィスよりも自然環境下でのリモートワークの方が「興味が高まり活性化している傾向」を示す脳波が平均34%上昇、7割の参加者に仕事中の「心穏やかに快適性を保ちながら作業を行っている傾向」を示す脳波が平均31%の上昇が確認され、生産性向上の効果が期待できるとの最終結論となった。
2019年2月13日(水)に東京ミッドタウンで行われる最終報告会では、実験の最終報告のほかリモートワークの先行事例やその成果と課題などについて発表を行う。また、感性アナライザーの開発元で株ある式会社電通サイエンスジャム代表取締役社長・神谷俊隆氏の講演も予定している。
2019年5月、長野県信濃町にリモートワーク施設がオープン
今回の実証実験で自然環境に近い所でのリモートワークが社員の生産性向上に寄与する結果が出たことを踏まえ、Nature Serviceは、企業の働き方改革やテレワーク支援を目指したリモートワーク施設「信濃町ノマドワークセンター」を2019年5月にオープンする。
代表理事・赤堀哲也氏は「企業のテレワークやサテライトオフィスの設置の検討に、まずはノマドワークセンターをお試しで利用してもらいたい」と話している。
最終報告会申し込み
https://go.natureservice.jp/nsl_seminar.html
特定非営利活動法人Nature Service
https://www.natureservice.jp/
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