中国スマホメーカーのOPPOは、日本参入第二弾として、「R15 Pro」「R15 Neo」の2機種を発売する。R15 Proは9月下旬の発売予定で6万9880円、R15 Neoは8月31日からの発売を予定。価格はメモリ3GB版が2万5880円、4GB版が2万9880円だ。
この2機種からは、OPPOの日本市場に賭ける“本気”が見て取れる。
R15 Pro
まずR15 Proは、日本向けの独自仕様としておサイフケータイに対応。Suicaや楽天Edyなどの各種非接触決済サービスが利用できるようになる見込みだ。IPX7の防水仕様も盛り込んだ。
おサイフケータイや防水と聞くと当たり前の機能ように思えるかもしれないが、海外メーカーで、かつ大手キャリアとの取引がないメーカーのSIMフリースマホとしては異例の対応。
OPPO Japanの代表取締役を務める鄧宇辰(トウ・ウシン)氏が、「(日本への)現地化をいち早く進めるという決意、誠意を感じ取っていただければ」と語っていたように、OPPOが日本市場を重視している証だ。
しかもおサイフケータイの開発は日本参入後に進めたといい、約半年で発表にこぎつけた。おサイフケータイ対応にあたっては、FeliCaネットワークスや富士ソフトなど、日本企業の協力も仰いだというが、ここでまで短期間で実装できたのは、技術力の高さがあってこそ。
研究開発に投資し、製造も自社で一貫して行っているOPPOならではのスピード感といえるだろう。
参入からわずか半年でおサイフケータイや防水を実現した防水やおサイフケータイ以外でも、R15 Proは見どころの多い端末だ。
背面にはデュアルカメラを搭載。暗所で、かつポートレートを撮るときだけ、サブのカメラを使い、4つの画素を1つにまとめて明るさを増すという。
カメラにはAIも活用。合計120のシーンを認識して、映像を最適化するという。
デュアルカメラやAI、ビューティーモードなど、カメラには多彩な機能が盛り込まれているR15 Neo
機能面で日本に最適化したR15 Proに対し、R15 Neoは価格面で日本にフィットさせた端末といえる。
2月にR11sを投入したOPPOだが、同モデルはスペックが高い半面、価格も5万円台後半とSIMフリースマホの中では高額な部類に入っていた。
大手キャリアから端末購入補助を受けられないこともあり、SIMフリースマホの売れ筋は2万円台から3万円台に集中している。
こうした市場にフィットした端末を投入するため、OPPOはラインナップの幅をハイエンドからミドルレンジまで広げた。
R15 Neoは廉価モデルのAシリーズを日本向けにリブランドした端末だが、価格は2万円台半ばからと、SIMフリースマホ市場の主戦場に合わせている。
2万円台半ばからと、コストパフォーマンスが高いR15 Neo安価ながらも、背面デザインにこだわったり、デュアルカメラを搭載したりと、機能は必要十分。
2枚のSIMカードで同時にLTEの待受けができる「DSDV(デュアルSIM/デュアルVoLTE)」に対応しているなど、使い勝手はよさそうだ。バッテリーが4230mAhと大容量で、長時間駆動も魅力の1つ。
DSDV対応でバッテリーも大容量と、機能性も備える日本市場に本腰を入れたOPPOだが、販路には課題も残る。現状では、大手家電量販店やAmazonが取り扱いを表明している一方、格安スマホ事業者(MVNO)の名前は挙がっていない。
格安スマホ市場では、端末とSIMカードを別々に購入するのが一般的だったが、ユーザー層が広がるにつれ、大手キャリアに似た“セット販売”の比率が上がっている。
格安スマホ事業者からの販売もあるとはいうものの、多数の会社で面展開しているファーウェイやASUSにキャッチアップするには、まだ時間がかかりそうだ。
こうした販路をどれだけ開拓できるのかが、OPPOの今後の行方を左右する鍵といえるだろう。
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