転職活動や就職活動に必要な履歴書。履歴書の欄の中でも、最重要視されるところのひとつが学歴・職歴の部分です。
前職や雇用形態によって書き方が変わるため、戸惑う人も多いのではないでしょうか。
特に、配属先の書き方や、異動の書き方について悩む人も多いでしょう。
本記事では、履歴書の職歴の書き方をパターン別にご紹介します。
- 履歴書・職歴を書く前の準備
- 履歴書の職歴の基本的な書き方
- 履歴書の学歴・職歴の記入例
履歴書・職歴を書く前の準備
履歴書・職歴を書く際には、いきなり書き始めるのではなく、準備をする必要があります。
履歴書の職歴欄を埋める前にやるべきことは、「自分の仕事の振り返り」です。
履歴書の職歴は、採用担当者にとって、経歴を知るための大切な情報になります。今までの職歴を一度整理し、職歴として書ける情報を確認しましょう。
思いつきで履歴書を書いてしまうと、職歴の順番がおかしくなる可能性があります。
また、退職理由や従事した業務によって少しずつ記載の仕方が変わってくるため、自分の職歴を表すのに適した記載の仕方を選択する必要があります。
履歴書を書く前に、一度紙に書き出して整理してみることがおすすめです。
履歴書の職歴の基本的な書き方
履歴書の学歴・職歴の部分は、「学歴」「職歴」と記してから羅列していきます。学校名や会社の名前は必ず正式名称で記載する必要があるので事前に調べておきましょう。
時系列に、漏れなく記入し、年号は元号・西暦のどちらかに統一するようにしてください。
職歴の場合は、会社の従業員数や自分が所属した部署、業務を2〜3行で端的に記すことをおすすめします。長々と書くスペースはないのでまとめてから書きましょう。
その際に字の大きさを考慮に入れたり、鉛筆で下書きをしたりして万全の状態にしてから黒のボールペンで書きましょう。
フリクションのように摩擦で消えてしまうボールペンは履歴書を書くのにふさわしくありません。また奇をてらって筆ペンで書いたり、色付きのボールペンで履歴書を書いたりするのはやめましょう。常識やビジネスマナーがわからない人のように見えると、履歴書の段階で選考から外れてしまう場合があります。
また、修正ペンを使ってはいけないのも履歴書のマナーです。間違ったときははじめから書き直す必要があるので丁寧に書くようにしましょう。
履歴書の学歴・職歴の記入例
以下では、履歴書の学歴・職歴を書く際のポイントをご紹介します。
以下のポイントを押さえて、ビジネスマナーを守った履歴書を書いて相手に好印象を与えましょう。
ポイント1.会社名や部署名は正式名称で書く
履歴書の学歴・職歴を書く際の1つ目のポイントは、会社名や部署名は正式名称で書くことです。
会社名や部署名を記載する際、名称が長いと省略して書いてしまいがちですが、必ず正式名称で書きましょう。
例えば、(株)は株式会社と書くのが好ましいです。また、会社の名称が変更になったり、形態が変わったりした場合にはその旨を記載しておきましょう。
会社の名称が変更になった場合の記載の仕方
- 株式会社〇〇(現●●株式会社)
部署異動の細かい変更や配属の変更が何度もあった場合、職歴欄に記入できるのであれば可能な限り書きましょう。もしも書ききれない場合は、職務経歴書のほうに細かく記載することをおすすめします。もしくは、職歴欄が大きい履歴書を買う工夫をしましょう。
ポイント2.何度も転職や配属が変わった場合でも省略しない
履歴書の学歴・職歴を書く際の2つ目のポイントは、何度も転職や配属が変わった場合でも省略しないことです。
転職や配属が何度も変わった場合でも、全て記入する必要があります。
もし省略をしてしまうと、職歴詐称の可能性を生んでしまいます。たとえ、短期間の雇用であってもきちんと書きましょう。
情報が曖昧であると信用性が失われる可能性もあるため、担当業務については最低限の情報でも記載することをおすすめします。
ポイント3.退職理由は簡潔に一言で
履歴書の学歴・職歴を書く際の3つ目のポイントは、退職理由は簡潔に一言で表すことです。
退職理由は、「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的です。採用側はなぜ、退職をしたのかという理由を知りたいので面接で聞かれる場合もあります。
面接で退職理由を聞かれた際は詳しく答える必要があるので、事前にどう伝えるのかを考えておきましょう。
退職理由に他に特別な理由がある場合は、具体的に記載すると丁寧です。例えば、「出産のため退職」「契約期間満期のため退職」「会社都合により退職」などです。
また、退職日が決まっているけれどまだ仕事を辞めていない場合は「退職予定」と書いておきましょう。
ポイント4.アルバイトや派遣の場合は「勤務先の名称と雇用形態」を記載する
履歴書の学歴・職歴を書く際の4つ目のポイントは、アルバイトや派遣の場合は「勤務先の名称と雇用形態」を記載することです。
アルバイトは基本的に3ヵ月以上の場合、必ず記載することをおすすめします。
1週間〜2ヵ月程度であれば、ブランクとして見なされにくいので必要なければ書かなくていいでしょう。
空白の期間を避けたい場合や職務経験としてアピールしたい場合は、短期間でも記載するのは問題ありません。
しかし、短すぎる職務経験は「堪え性がない人」「すぐ辞める人」という印象を与えてしまうこともあります。理由によってはマイナスなイメージを与えかねることもあることを理解しておきましょう。短い職務経験を書く際は、なぜすぐに辞めたかを聞かれることが多いので、面接の際は気をつけてください。
アルバイトの場合は、会社名の横にアルバイトと書くのが一般的です。以下の例を参考にしてください。
アルバイトの場合の記載の仕方
- 株式会社△△△(アルバイト)
派遣の場合は、派遣として勤務した会社を記載します。勤務内容や事業については、職務経歴書に記載するのが基本です。
ポイント5.どのような分野で・具体的に何を・どのくらいの期間行ったのかを意識する
履歴書の学歴・職歴を書く際の5つ目のポイントは、どのような分野で・具体的に何を・どのくらいの期間行ったのかを意識することです。
職歴は、採用側がどのような経験やスキルがあるのかといった概要を掴む資料です。そのため、端的に説明をした上で、自分の強調したい職務経験を表すことが問われます。
応募職種に関連する職歴の部分は、たとえ正社員雇用以外であったとしても会社の事業と従事していたときの業務内容を書くことをおすすめします。
その際には、「どのような分野で・具体的に何を・どのくらいの期間」行っていたのかを意識して記載しましょう。
必要な情報は、会社名・会社の主な事業・担当部署・担当部署で何をしていたのかです。
履歴書・職歴の基本的な書き方
- 会社名や部署名は正式名称で書く
- 何度も転職や配属が変わった場合でも省略せず全て記載する
- (退職)の記載だけでなく、退職理由を簡潔に一言で記載をする
- アルバイトや派遣の場合は、勤務先の名称と雇用形態を記載する
- 「どのような分野で・具体的に何を・どのくらいの期間」を記載
会社の正式名称や、これまでの経歴は、いざ書き出そうとしても正式に思い出せないこともあるでしょう。選考に影響する大切なことですので、まずは紙に書き出したり、調べたりして履歴書の準備をすることがおすすめです。
パターン別に見る履歴書・職歴の記載
以下では具体的な履歴書・職歴の記載例をご紹介します。
職歴にブランクがある場合や仕事経験が少ない場合などのパターン別に分けてご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
一般的な職歴の書き方
まずは、一般的な職歴の書き方をご紹介します。
一般的な職歴の書き方
- 平成21年 4月 株式会社〇〇◯ 入社
メディア事業 従業員300名
第一統括営業部
チームリーダーとして提案営業を行う
平成24 12月 一身上の都合により退職
職歴にブランクがある場合
職歴のブランクの理由は人によってさまざまです。病気などの場合は、現在は回復している旨を記載しましょう。
それ以外で端的に説明ができないものは、先ほど説明した「一身上の都合により退職」と記載し、自己PR文で説明することをおすすめします。
職歴にブランクがある場合(長期療養で空白期間がある)
- 平成25年 4月 株式会社○○○○ 入社
メディア事業 従業員300名
第一統括営業部
チームリーダーとして提案営業を行う
平成27年 12月 病気療養のため退職
※現在は回復し、業務に支障は全くありません
仕事経験が少ない場合
仕事経験が少ない場合は、勤務先とその業務内容以外にも配属先の異動や昇進・昇格などを事細かく記載しすることをおすすめします。
経験が少ない中でも自分のスキルや能力を示せるように書きましょう。
仕事経験が少ない場合
- 平成23年 4月 株式会社〇〇◯ 入社
メディア事業 従業員300名
第一統括営業部
・既存のメディア企画提案に従事
・チームリーダーに昇進
・第一統括営業部東京チーム・大阪チームのチーフへ
昇進
平成24 12月 一身上の都合により退職
履歴書の職歴は、入社後に期待される業務や達成事項に影響します。
採用者と自分が示したキャリア像がマッチするように正確に記載することが重要です。
記載するか迷った場合は、採用者側に共有しておきたい事項であるか否かを考え、書いてくとわかりやすいのではないでしょうか。
履歴書に職歴を書く場合は、正式名称で省略せず書くことが基本
- 履歴書の職歴欄を埋める前に「自分の仕事の振り返り」をする
- 会社名は長くても正式名称で書く
- どのような分野で・具体的に何を・どのくらいの期間行ったのかを意識する
本記事では、履歴書の書き方や履歴書を書く前の準備について詳しくご紹介しました。
「何度も異動があったから詳しく書きたくない」「自分の言いたい経歴だけ書いたらダメなのかな」と思う人もいらっしゃるかもしれません。しかし、どのような経験であっても、これまでのあなたを作っている大切な経験です。変に隠したりして、経歴詐称とならないように、事実を丁寧に書き出しましょう。
しかし、履歴書は入りたい企業に送る手紙のようなものです。相手に好印象を持ってもらえるように、伝えるべき内容をまとめてから作成してはいかがでしょうか。
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