プラスワン・マーケティングから端末事業を継承し、FREETELブランドのスマホを展開するMAYA SYSTEMは、クラウドSIMを内蔵した「jetfon」を発表した。新端末は8月中に発売される。
MAYA SYSTEMが発表したjetfon
クラウドSIMとは、中国・深センに拠点を構えるuCloudlinkが開発した仕組みのこと。
サーバーにセットしたSIMカードの情報を端末に書き込むことで、海外渡航時に、現地の通信事業者に直接つなげて通信できるのが特徴だ。
ユーザーはMAYA SYSTEMと契約する格好になるが、同社は現地通信事業者からSIMカードを仕入れているため、割安な料金が実現する。
jetfonの場合、1日の料金は最安のアジア圏で1日、300MBまで380円。1GB、7日間で980円、3GB、30日で1880円の料金も用意する。
欧州や米国では1日580円からと、料金はやや高くなるが、大手キャリアが提供する24時間980円の国際ローミングよりも割安。端末に内蔵されたアプリから、簡単に対応する国や地域の料金プランを契約できるのため、SIMカードを入れ替えたり、Wi-Fiルーターをレンタルするよりも、気軽にデータ通信を利用できる。
料金は1日380円から。7日、30日プランも用意端末は、uCloudlinkが開発したスマホ型の「S1」がベースになる。2つのSIMカードスロットを備えており、日本では、格安SIMなどを入れておくことが可能だ。MVNOはほとんどが国際ローミングを提供できていないため、海外渡航時には、ユーザーが何らかの手段を用意しなければならない。jetfonは、こうした問題を解決する手段になる。
海外渡航用と銘打ってはいるが、クラウドSIMは日本での通信にも対応する。料金は1日380円と安いため、月末にデータ容量を使い切ったユーザーが、1日だけ追加で高速通信したいときなどに重宝しそうだ。
海外渡航時の通信手段は、多様化が進んでいる。jetfon以外では、日本通信とH.I.S.が合弁で設立したH.I.S.モバイルが、書き換え可能な「変なSIM」を発売。1日200MBまで、500円での通信を実現した。
H.I.S.モバイルが発売した「変なSIM」も渡航先に合わせて中身を書き換える仕組みIIJやmineoなどの大手MVNOも、海外用のSIMカードを発売している。これらのSIMカードは、SIMロックさえ外してあれば、普段利用している端末でも利用可能で、jetfonの競合ともいえる。
MAYA SYSTEMによると、日本人の海外渡航者数はほぼ横ばいだが、レンタルWi-Fiルーターの需要は年々拡大しているという。大手キャリアが値下げした国際ローミングも含め、この市場を狙う動きが活発化している。
レンタルWi-Fiルーターの市場は拡大の一途残念ながら、jetfonの発売は8月になるため、夏季休暇には間に合わないかもしれないが、長期休暇に合わせて海外旅行を検討している人は少なくないだろう。料金的にはおトクになるだけでなく、端末を1台にまとめられる利便性も、SIMカードやクラウドSIM内蔵端末の魅力だ。
海外渡航時には、レンタルWi-Fiだけでなく、これらの手段を検討してみてもいいだろう。
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