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ビジネスでの「打診する」の意味は?打診メールの書き方・例文をチェック

U-NOTE編集部

2018/07/09(最終更新日:2021/03/09)


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ビジネスシーンでよく使われる「打診(だしん)」。相手へなにかを頼むときに使っているビジネスパーソンも多いですが、実は「打診」には「依頼」という意味はありません。

本記事では、ビジネスで使われる「打診」の意味や正しい使い方を詳しく解説。打診メールの書き方をテンプレートとあわせてご紹介します。

本記事の内容をざっくり説明
  • 「打診」の意味と正しい使い方
  • ビジネスシーンで打診されたときに注意すべき点
  • 打診メール作成時の4つのポイント

 

まずは「打診」の意味を確認しよう

使い方や意味を誤って言葉を覚えてしまうと、相手に失礼な印象を与えてしまうこともしばしば。とくに、一瞬一瞬がチャンスとピンチに繋がるビジネスシーンでは、間違った使い方をしないよう、言葉を正確に覚えていく必要があるのです。

では、ビジネスシーンで頻繫に登場する「打診」というフレーズにはどのような意味があるのでしょうか。

まずは、「打診」の意味・正しい使い方・類義語を詳しく確認していきましょう。

 

「打診」の正しい意味

本来、「打診」は医師が指先や打診器を使って患者を触診することを指しています。胸・腹・背中などをトントンと叩き、そのときの音や響きによって目では見えない内臓の様子を判断する行為です。

本来の意味を比喩的にとらえた意味として、ビジネスシーンでは「相手の意向や意見を知るための相談」として使用します。

不確実なことに対して反応を見る点で、診察時とビジネスシーンでの「打診」は共通しているといえるでしょう。

 

「打診」の間違った使い方

前述したように、ビジネスシーンでの「打診」は相手への相談や提案といったニュアンスで使われています。自分のが持ちかけた話について、相手がどのように考えているのか、意見や意向をうかがっている状態なのです。

依頼や指示を伝えるときに「打診」を使用するビジネスパーソンは多いですが、すでに決まっている用件を相手に伝えるのであれば、「打診」の使用は不適切。あくまで中立的なポジションから、相手に意向をうかがうときに使用する言葉なのです。

<「打診」の誤用例>

  • ○○会議の時間変更(11時→12時)の打診(すでに時間変更は決まっているため不適切)
  • △△企画書提出の打診(提出を促す内容であるため不適切)
打診の正しい意味と使い方
  • 打診は、医師が患者を診察するときの触診を指す言葉
  • ビジネスシーンでは、相手の意向をうかがう場面で使用される
  • 打診には「依頼」や「お願い」の意味はない

 

「打診」の類義語

「打診」には、意味が似ている言葉がいくつか存在します。それぞれの意味を詳しく確認したうえで、正しい使い分けをマスターしましょう。

【打診の類義語1.提案する】
「提案」は、自身の考えや議案を相手に提出することを意味します。また、提出した意見や議案そのものを指す場合もあります。

【打診の類義語2.提示する】
「提示」とは、相手になにかを示して見せること。問題や条件を相手に理解させる意味も込められています。

【打診の類義語3.是非を問う】
「是非を問う」は、打診や提案よりも回答を迫った表現です。イエスかノーか、明確な答えを求めているシーンで用いられます。

【打診の類義語4.可否を問う】
「可否を問う」は、「是非を問う」と同様に明確な回答を求める表現です。可能か不可能か、賛成か反対かをうかがうときに使用します。

 

ビジネスシーンにおける「打診」の注意点

これまでご紹介してきたように、「打診」には「相手の意見や意向をうかがう」という意味があります。自分本位ではなく、相手の意見を尊重する言葉であることを十分理解しておきましょう。

では、ビジネスシーンで「打診」を使用するときには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

打診をする場合と、相手から打診された場合の注意点をそれぞれ解説します。

 

ビジネスシーンで「打診をする」場合の注意点

ビジネスシーンでは、自分と相手の意見をすり合わせることが不可欠。つまり、あらゆる業種や業務内容において相手の意見をうかがう「打診」が必要となるのです。

まだ、「打診」の段階であるにもかかわらず、自分が求める条件での指示出しや依頼をしてしまうと、相手が不快感や違和感を覚えてしまう可能性もあります。相手に「打診」する際には、謙虚な伝え方と敬意をもつことを忘れないようにしましょう。

 

「打診中」は依頼をしているわけではない

「打診」は相手への依頼や指示を出している状況ではないので、あくまで相手への相談をしている状態です。「○○について~~の方向で進めていきたいのですが、いかがでしょうか?」といったように、相手にお願いするのではなく、相手の反応や意見を教えてもらうスタンスを心がけましょう。

相談できる間柄の相手に打診する際は、どうしてもフランクな言い方や表現をしてしまうことも多いはず。しかし、相手にビジネスを円滑に進めるためにも相手を敬う姿勢は忘れないよう注意してくださいね。

また、「打診」を依頼や要望を意図して使ってしまうと、相手の意見に寄り添っていない不親切な印象を与えてしまう可能性もあります。可否や賛否を問うような相談でない限りは、まずは相手の意向を聞く謙虚な姿勢で問いかけましょう。

 

打診が通るとは限らないためプランBを用意しておく

打診する場合は、誰しも自分の意見を聞き入れてもらいたいと感じるもの。しかし、打診には要望や依頼のニュアンスは含まれておらず、残念ながら思い通りの結果にならないケースも多いのです。

ビジネスパーソンとしてのスキルアップを図りたい場合は、打診が通らなかった場合の対応が重要。打診した段階から拒否される可能性を視野に入れて、「条件をゆるやかに変更したプランB」「相手の意向を取り入れたプランC」などを準備しておくと良いでしょう。打診案を決定事項ではなく、ひとつの提案として認識することがポイントです。

また、打診した内容と相手の意向が大きく異なった場合には、相手への丁寧なヒアリングを行うのがおすすめです。「相手がどこに疑問を抱いているのか」「交渉の余地はあるのか」など、打診した側の妥協ポイントを提示しつつ、意見をすり合わせていきましょう。

「打診」をするときの4つのポイント
  • 相手の意見を尊重する謙虚な姿勢
  • フランクな表現は避け、丁寧に意向をうかがう
  • 打診が通らなったときのために「プランB」を用意する
  • 相手の意向が大きく異なるときには、緻密なヒアリングを行う

 

ビジネスシーンで「打診された」場合の注意点 

相手からなにかを打診された場合には、スピーディーな反応を意識しましょう。

前述したように、相手は打診したときに相手がどんな意向を示すのかを確認しています。もちろん、まだ決まっていない不確定な事柄に対して打診された側の意見や意向をうかがい知るために「打診」しているのですが、ある程度は今後の流れやイメージをしているはず。いくら不確定の内容だからといっても、打診を受けたときに長時間放置するのはビジネスマナー違反です。

とくに、クライアントや上司からなにかを打診された場合には、ひとまず反応できる範囲で回答するようにしましょう。

 

【例文】社外向けの打診メールの書き方

ビジネスシーンでは、あらゆる状況で打診をする必要があります。

できるビジネスパーソンとして成長するためにも、打診をする側&打診された側の正しいメールの書き方をマスターしましょう。

 

打診メールを書くときのポイント

打診メールを書くときには、注意すべき4つのポイントがあります。相手の意向をヒアリングするためにも、打診する内容や背景を丁寧に伝えていきましょう。

打診メールを書くときのポイント
  • 今回打診した理由や背景
  • 自社の情報を伝えるために、会社のURLや公開できる範囲の情報を添付
  • 相手に検討してほしい内容を明瞭に記載する
  • メールの文末には「ご検討のほど、何卒お願いいたします」「ご検討いただけますと幸いです。」など、対応や判断を委ねる気遣いをみせる

 

打診メールの例文

前述したように、相手への打診メールを書くときには「検討してほしい内容の明記」「相手に判断を委ねる気遣い」が必要です。

次は、打診メールに必要なポイントを守りながら、実際に打診メールを作成していきましょう。例文を参考に、相手に好印象を与えるメールを作成してみてくださいね。

 

【例文】社外向け打診メール1  

件名:コンテンツ連携のお願い

本文:
株式会社☓☓
ご担当者さま

はじめまして。
〇〇事業をしている株式会社☓☓の山田と申します。

貴社の〇〇を拝見し、ご連絡いたしました。

私どもでは、〇〇(ターゲット層)を対象に転職情報を提供するメディア「(媒体名)」を運営しております。

今回は、貴社の「(媒体名)」とのコンテンツ連携をさせていただけないかというご相談をしたく、ご連絡した次第です。

弊メディアの詳細につきましては、下記リンクをご覧ください。

  • メディア名

URL

  • 「媒体名」さんとの親和性が高い記事

タイトル
URL

タイトル
URL

ぜひ、(媒体名)への転載をご検討いただければと思います。
お力添えいただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

【例文】社外向け打診メール2  

件名:日程調整のお願い

本文:
株式会社☓☓
〇〇さま

お世話になっております。
株式会社☓☓の〇〇と申します。

このたびは〇〇様からご紹介をいただき、ご連絡いたしました。

早速ではございますが、
是非一度貴社へお伺いさせていただき、
△△の件について打ち合わせをお願いできればと存じます。

つきましては、
下記よりご都合の良い日程をご教示いただけますと幸いです。

  • 7月12日(木)10:00〜17:00
  • 7月13日(金)10:00〜17:00
  • 7月19日(木)10:00〜17:00

お忙しいところ大変恐縮ですが、
ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。

 

【例文】打診を承諾するときのメール

件名:Re:日程調整のお願い

株式会社☓☓
〇〇さま

お世話になっております。
株式会社☓☓の〇〇と申します。

このたびは△△の日程につきまして、ご連絡いただきありがとうございました。

ご提案いただきました日時のうち、【7月19日(木)15:00〜17:00】にお伺いさせていただければ幸いです。わたくし○○と、営業担当の○○の2名でまいります。

当日は、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

【例文】打診をお断り・辞退するときのメール

件名:Re:Aプロジェクトへのスポンサー提携のお願い

株式会社☓☓
〇〇さま

お世話になっております。
株式会社☓☓の〇〇と申します。

このたびはAプロジェクトのスポンサー提携について、弊社にご連絡いただきありがとうございました。

社内で検討したところ、今回のプロジェクトにおいてはスポンサー企業としての参加は見送らせていただきます。せっかくご提案いただいたにもかかわらず、申し訳ありません。

今回は見送らせていただきましたが、次回のプロジェクトには参加させていただければと考えておりますので、引き続き、よろしくお願い申し上げます。

以上、略儀ながらメールにてご連絡申し上げます。

 

ビジネスシーンでよく使われる「打診」の意味と使い方をマスターしよう

本記事のまとめ
  • 「打診」は相手の意向をうかがう行為
  • 打診するときには、判断や対応を相手に委ねる姿勢をみせる
  • 打診されたときには素早く対応してあげるのが親切

ご紹介したように、「打診」は相手の意向をうかがうときに使用されるのが正解です。ビジネスシーンで依頼や要望のニュアンスで使っている人も多いですが、誤った使い方となってしまうので注意しましょう。

打診メールを作成するときには、相手への気遣いと謙虚な姿勢が重要です。ビジネスパーソンとしてのスキルアップのためにも、「打診」の正しい使い方をマスターしてくださいね。

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