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「〜となります・〜になります」間違えやすい敬語の使い方を例文付きで解説!

U-NOTE編集部

2018/07/09(最終更新日:2020/06/29)


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「バイト敬語」「ファミレス敬語」などと揶揄される、誤った敬語。

本記事では間違えやすい敬語の中でも特に使われることの多い、「〜となります」「〜になります」の正しい使い方を例文付きで解説していきます。

ビジネスシーンでも注意しておきたい「〜となります」「〜になります」の正しい使い方についてチェックしましょう。

本記事の内容をざっくり説明
  • 「〜になります」「〜となります」の意味
  • 「〜となります」「〜になります」の正しい使い方
  • 「〜となります」「〜になります」に違いはある?

敬語「〜になります」「〜となります」の意味

「〜となります・〜になります」間違えやすい敬語の使い方を例文付きで解説! 2番目の画像

「〜となります」「〜になります」は間違えやすい敬語です。

無意識に使ってしまっていたり、使い方に不安を感じたりしている人もいらっしゃるのではないでしょうか。

まずは「〜となります」「〜になります」の意味と使い方についてご紹介します。

そもそも「〜となります」「〜になります」の意味とは?

「〜となります」「〜になります」は、動詞「なる」を丁寧に伝えるための敬語です。

つまり、「〜となります」「〜になります」の意味は、動詞「なる(成る、為る)」の意味と同じです。

多義語(意味が複数ある言葉)である「なる(成る、為る)」の意味は下記の通りです。

「〜となります」「〜になります」に含まれる「なる」の意味
  • 1.物事ができ上がる。実現する。成就する
  • 2.今までと違った状態・形に変わる
  • 3.ある時分・時期などに至る。ある数値に達する
  • 4.ある働きをする。作用する
  • 5.許すことができる。許してよいとする
  • 6.その人によって作られる
  • 7.全体がそれによって構成される
  • 8.他からその恩恵を受ける
  • 9.役や位につく。任命される


「なる」には、上記9個の意味があります。

よくある間違いは、「なる」の意味に関係なく、ただ語呂がいいだけで「なる」を使っているものです。ついつい使っていないのか注意しましょう。

「〜となります」「〜になります」の品詞分解

「〜となります」「〜になります」を品詞分解すると、以下のようになります。

品詞分解してみると、「〜となります」「〜になります」の「なる」が動詞であることがよくわかるはずです。

「〜となります」「〜になります」の品詞分解
  • と・に(助詞)+なる(動詞)+ます(助動詞)

誤用例からチェック! 敬語「〜となります」「〜になります」の正しい使い方

「〜となります・〜になります」間違えやすい敬語の使い方を例文付きで解説! 3番目の画像

動詞「なる」の意味を持つ「〜となります」「〜になります」。

様々な場面における「〜となります」「〜になります」の誤用例から、正しい言葉の使い方を学びましょう。

誤用例1.「お手洗いはこちらになります」

飲食店やショッピングモール内で、お手洗いの場所を聞いたときに「お手洗いはこちらになります」と誘導された経験がある人も多いのではないでしょうか。

「場所+になります」に動詞「なる」の意味を当てはめてみると、9つの意味のどれも当てはまらないことがわかります。

なので、お手洗いを誘導する際の「お手洗いはこちらになります」は間違いです。

もし、何もない場所にこれからお手洗いを作るのであれば、動詞「なる」の「今までと違った状態になる」に当てはまります。

そのため、「こちらがお手洗いになります」という使い方が間違いではなくなります。この場合の意味は、「この場所に新しくお手洗いを作る」という意味です。

日常で使われる言葉遣いのポイント
  • ◯「お手洗いはこちらです」
  • ×「お手洗いはこちらになります」

誤用例2.「こちらが資料になります」

ビジネスシーンで上司や先輩に資料を渡したり、メールで送付したりする際に使いがちな「こちら資料になります」。

多くの人が使っていますが、これも間違いです。

丁寧に伝えているように思えるので、間違いなのかわかりにくく感じる人もいるかも知れません。

普通の文に戻すと、「これが資料になる」。感覚的にもおかしいことがわかるはずです。

「こちらが資料です」と端的に伝えるか、「こちらは資料でございます」と丁寧に伝えて、資料を渡しましょう。

日常で使われる言葉遣いのポイント
  • ◯「こちらが資料です」「こちらが資料でございます」
  • ×「こちらが資料になります」

誤用例3.「締切日は7月10日になります」

仕事で締切日を伝える際も、「〜になります」を使うのは誤りです。

しかし、はじめは「7月12日」に締め切りだったけれど、「7月10日」に変わった場合、「締切日は7月10日になりました」だと、正しい使い方です。

「なる」は基本的に「変化」があることに使います。なので、はじめから、「7月10日」なら、「なる」という動詞を使う必要がありません。

日常で使われる言葉遣いのポイント
  • ◯「締切日は7月10日です」「締切日は7月10日でございます」「締切日は7月10日でお願いいたします」
  • ×「締切日は7月10日になります」

誤用例4.「お会計は◯円となります」

バイト敬語として誤りだと指摘されることが多い「お会計は◯円となります」という言い回しにも注意しましょう。

「お会計は(合計で)◯円になります」という意味合いで使われているため、一概には誤りであるとはいえないという考えもあります。

しかし、誤った日本語を使っていると思われないためにも、ビジネスシーンでは「合計で◯円でございます」「合計で◯円になります」というようにするほうがベターです。

日常で使われる言葉遣いのポイント
  • ◯「合計で◯円でございます」「合計で◯円になります」
  • ×お会計は◯円となります」

「〜となります」「〜になります」に違いはある?

「〜となります・〜になります」間違えやすい敬語の使い方を例文付きで解説! 4番目の画像

動詞「なる」につく助詞が異なる「〜となります」「〜になります」。

この2つの意味の違いをご紹介します。

「〜となります」「〜になります」には以下のような違いがあります。

「〜となります」「〜になります」の違い
  • 「〜となります」:突発的な変化、意外性のある変化を表す
    (例)今週の土曜日は出勤日となります
  • 「〜になります」:状態の変化・無理のない自然な移行を表す
    (例)明日からGW休暇になります

違いがあるように感じる理由は、「〜になります(になる)」が「状態の変化・無理のない自然な移行を表す」場合に用いられるからです。

「〜になります」が状態の変化・無理のない自然な移行を表す際に用いられるため、「〜となります」は突発的な変化、意外性のある変化を表す際に用いられることが多いです。

ビジネスマンとして正しい敬語を使えるようになろう

本記事のまとめ
  • 「〜となります」は、突発的な変化、意外性のある変化を表す
  • 「〜になります」は、状態の変化・無理のない自然な移行を表す
  • 間違いやすい敬語に注意して、正しい敬語を使えるようになりましょう。


間違えやすい敬語「〜となります」「〜になります」の正しい使い方を紹介してきました。

日常生活で何度も耳にした言葉は、一見間違っていないように思ってしまう人もいると思います。

間違っているかわからない時は、一度敬語を外して普通の文を考えてみましょう。普通の文に戻すと、感覚的になにかおかしいと思うはずです。

記事内で紹介したような「〜となります」「〜になります」の誤用をしないためにも、正しい使い方をきちんと理解しておきましょう。

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