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間違えがちな「所存です」の意味と使い方は?「存じます」「次第」との違いや類語

U-NOTE編集部

2018/07/09(最終更新日:2020/10/28)


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ビジネスシーンで「所存」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

日常では使う機会のない言葉なので、いざ自分が使うとなった際に、使い方があっているのかわからないまま、なんとなくビジネスシーンで使っている人もいるでしょう。

本記事では、「所存」の意味と正しい使い方、「所存」「次第」「存じます」の違いについて解説していきます。

本記事の内容をざっくり説明
  • 「所存(しょぞん)」の正しい意味
  • ビジネスシーンで使われる正しい「所存」の使い方
  • 「所存」「次第」「存じます」の意味・使い方の違い

 

「所存(しょぞん)」の意味とは?

ビジネスシーンではよく使われる「所存」という言葉ですが、意味を正しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。

「所存」の意味を再確認して、ビジネスシーンで正しく「所存」を使えるようになりましょう。

「所存」の正しい意味

しょぞん【所存】
〔改まった場合や書簡文で用いる言葉〕
心に思っていること。考え。意見。 「御-を伺いたい」 「品質向上のため努力いたす-でございます」

出典:所存(ショゾン)とは - コトバンク

大辞林の解説の通り、「所存」とはビジネスシーンやビジネスメールなどの改まった場面で、自分の考えや意見を述べるときに用いる言葉です。

言葉の意味を理解したところで、「所存」の正しい使い方を見ていきましょう。

 

ビジネスシーンで使われる正しい「所存」の使い方

「考え」「意見」といった意味のある「所存」という言葉は、ビジネスシーンにおいてどのように使うのが正しいのでしょうか。

以下では、ビジネスシーンで使われる正しい「所存」の使い方をご紹介します。

「所存」は、目上の人や取引先相手に自分の考え・意志を伝える際に使います

「〜という所存です」「〜という所存でございます」などのような使い方をすることが多いでしょう。

「〜と考えています」「〜と思っています」「〜という考えです」など、自分の考えを伝えるシーンでは「所存」という言葉を使いましょう。

また、上司に意見を訊ねる際にも「ご所存を伺いたいです」という言い方もできます。

ただし、「ご所存を伺いたいです」は、堅苦しく感じる人もいるので使う際は注意してください。「ご所存を伺いたいです」よりも、「ご意見を伺いたいです」「ご意向をお聞かせください」や「ご意向をお聞かせ願いますか」のほうが、堅苦しすぎずベターでしょう。

「所存」を使う際は、下記のようなビジネスシーンで使うようにしましょう。

「所存」を使う場面

  • 目上の人や取引先の相手に自分の考え・意志を伝えるとき
    (使い方の例)〜という所存です、〜という所存でございます
  • 上司に意見を訊ねるとき
    (使い方の例)ご所存を伺いたいです

 

「所存」を使う際の注意点

「所存です」の意味・使い方|「所存」「次第」の違いとは? 2番目の画像

「所存」の使い方は、意味を把握すると簡単に使えます。次に、「所存」を使う際の注意点についてご紹介します。

間違った使い方をして恥をかかないように、確認しておきましょう。

 

要注意! 「所存」は「謙譲語」ではない

「所存=謙譲語」思われがちですが、「所存」は謙譲語ではありません

謙譲語とは自らの立場を下げて相手を立てる、へりくだった表現のことです。しかし、「所存」にそういったへりくだった意味合いは含まれていません。

もしも自分の考えをへりくだった表現で伝えるのであれば「愚考」という言葉を使うのが適切です。

まずは「所存」という言葉には謙譲の意味がないということを覚えておきましょう。

 

「〜という所存でございます」は二重敬語ではない

上述でご説明したように、所存は謙譲語ではないため、「〜という所存でございます」は二重敬語にはなりません。

「所存でございます」は二重敬語だから誤りと紹介されているものもありますが、実はこれは正しくありません。

「〜という所存でございます」といった際に、「二重敬語だよ」と指摘されても、相手が間違っているので安心してください。

 

「二重敬語」ではなく「二重表現」に注意!

「所存」を使う際、二重敬語を気にする必要はありませんが、「二重表現」には注意が必要です。

「所存」には「思う」という意味があるため、「〜と思う所存です」「〜と考えていく所存です」などという使い方をしてしまうと「二重表現」になってしまいます。

日本語の間違いを指摘されないためにも「所存」を使う際には、二重表現にならないように気をつけてください。

「所存」を使うときの注意点
  • 所存は謙譲語ではない
  • 「〜という所存でございます」は二重敬語ではない
  • 「〜と思う所存です」「〜と考えていく所存です」は二重表現になる

 

「所存」と「次第」の意味・使い方の違いとは?

「所存です」の意味・使い方|「所存」「次第」の違いとは? 3番目の画像

「所存」と似た表現に「次第」があります。

「所存」と「次第」を混同して使わないように、それぞれの言葉の意味の違い・使い方を詳しくご紹介します。

 

「所存」と「次第」の意味の違い

ビジネスシーンにおいて「次第」という言葉は、「〜した次第です」「〜のような次第です」「そんな次第で〜」などの使い方をされます。

上記のように「次第」を使う場合、「次第」は「物事がそうなるに至った理由、わけ、事情」という意味を指します。

「所存」に「思い、考え」という意味があるのに対し、「次第」には「事の成り行き、事情」という意味があります。

「所存」と「次第」の意味の違いは?

  • 「次第」:物事がそうなるに至った理由、わけ、事情
  • 「所存」:思い、考え

細かな意味の違いですが、「所存」と「次第」を混合しないようにしましょう。

 

「所存」と「次第」の使い分け方

「所存」と「次第」の意味の違いをご説明しました。意味の違いを押さえていても、使い方を間違えてしまうと相手に自分の言いたいことの意味が伝わらなくなってしまいます。

「所存」と「次第」の正しい使い分け方を覚えて、実践できるようになりましょう。

「所存」と「次第」を適当に使い分けていた人は、「所存」と「次第」では、使う場面が異なることに注意しましょう。

「所存です」は、自分の考えや意志を表明する場面で使うのに対して、「次第です」は説明・報告の際に使う言葉です。

以下の例文で「所存」と「次第」の使い分けを確認していきましょう。
 

【例文】「所存」と「次第」の使い分け方

  • 「所存」:自分の考えを伝える(例)本件について、わたしは〜という所存です
  • 「次第」:理由を説明する(例)本件について、わたしは下記のように考える次第です

「次第」は、思う・考えるという意味を持つ「所存」とは違い「〜と考える次第です」という表現が使えるところがポイントです。

前述の通り「〜と考える所存です」は二重表現になり間違いなので使わないようにしましょう。

 

「所存」と「存じます」の意味・使い方の違いとは?

「所存」と同じ漢字を使う「存じます」と「所存」の違いを説明できる自信がある人は少ないのではないでしょうか。

以下では、「所存」と「存じます」の意味の違いや使い方の違いをご説明します。

 

「所存」と「存じます」の意味の違い

まずは、「所存」と「存じます」の意味の違いをご説明します。

「存じます」は「所存」とは違い、自分の立場を下げることで相手を敬う謙譲語です。

「存じます」は、思う・考えるの謙譲語なので、「所存」と似た使い方をすることに注意しましょう。

「所存」と「次第」の意味の違いは?
  • 「存じます」:思う・知る・考えるの謙譲語
  • 「所存」:思い、考え

 

「所存」と「存じます」の使い分け方 

「存じます」は、思う・知る・考えるなどのよく使われる動詞を知的に表現したものなので、頻繁に使われます。

「存じます」には以下のような使い方があります。以下の使い方をマスターして、「存じます」を適切に使えるようになりましょう。

「存じます」の使い方
  • 〜していただきたく存じます
  • お忙しいことと存じます
  • お願いしたく存じます
  • 〜を達成できたのは、〇〇様のおかげと存じます

上記のように存じますは、幅広い範囲で使われます。しかし、汎用性が高いからといって、メールやプレゼンなどで何度も「存じます」という表現を使うのは避けておきましょう。

同じ言葉を何度も繰り返すと、相手に幼稚に思われる可能性があります。「〜だと思います」「〜と考えます」などと織り交ぜながら、バランスよく使うようにしましょう。

次に、「所存」と「存じます」の使い分け方をご紹介します。

「所存」は名詞なので、「善処する所存です」のように前に動詞を置いたり、「〜という所存です」のように前に名詞を置いたりして使います。

しかし、「存じます」は動詞なので「所存」の代わりに使うことはできません。

 

 「所存」を言い換えするとどんな言葉があるの?

「所存」の使い方や、「所存」に似た意味を持つ「存じます」「次第」についてご紹介しました。

他に「所存」と同じような意味を持つ言葉をご存知でしょうか。

例えば「〜するつもりです」や「〜して参ります」などがあります。

「〜するつもりです」は、「所存」よりも堅苦しくなく、カジュアルな場面でも使える表現です。

「〜して参ります」は「存じます」と同様に謙譲語です。「これからも努力してまいります」のように使います。

 

「所存です」を正しく使えるようになろう

本記事のまとめ
  • 「〜と思う所存です」「〜と考えていく所存です」のような「二重表現」に気をつける
  • 基本の使い方は、「〜という所存です」「〜という所存でございます」
  • 「次第」や「存じます」などの似た表現との違いに気をつける

本記事では、「所存」の意味と正しい使い方、「所存」「次第」「存じます」の違いについて解説してきました。

ビジネスシーンで頻繁に使う言葉だからこそ、「所存」の意味は正しく理解しておきましょう。

本記事で「所存」の正しい意味・正しい使い方を復習し、その場にあった適切な日本語を使えるように意識してみてはいかがでしょうか。

 

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