Web・IT業界などで使われるカタカナ語の一つ「フレキシブル」。
正しく理解しておかないと恥ずかしい「フレキシブル」の意味と「フレキシブル」という言葉を使う人に対しての注意点を紹介したい。
フレキシブルの意味とは?
度々ビジネスシーンで耳にする「フレキシブル」という言葉。
一体どういう意味なのだろうか?
「フレキシブル(flexible)」の意味
ビジネスシーンで耳にすることの多い「フレキシブル」は、英語の「flexible」に由来している。
「Flexible」は、「融通のきくさま」「物がしなやかなさま」「精神や性格が柔軟、順応性があるさま」「制度や組織が融通のきくさま」を意味する形動名詞だ。
形動名詞は「形動名詞+な」「形動名詞+に」のように、単語の後に「な」「に」をつけると形容動詞に変化する。
「フレキシブルな対応が求められる」という例文のように、日本において「フレキシブル」という言葉は「柔軟な〜」「臨機応変に〜」という意味合いで使われることが多い。
英語「フレキシブル(flexible)」の成り立ち
ちなみに、カタカナ語のフレキシブルの由来となった英単語「flexible」は「flex」と「able」の2語から成り立っている。
「flex」は「曲げる(動詞)、融通のきく(形容詞)」という意味。「able」は「〜できる」という意味。
上記の2語が合わさったことで、「フレキシブル(flexible)」が「融通のきくさま」「精神や性格が柔軟なさま」という意味になったというわけだ。
ビジネスで「フレキシブル」を使う3つの場面
業界柄、横文字を使うことが多いという人もいるのではないだろうか。
「フレキシブル」の正しい意味がわかったところで、正しい言葉の使い方や言葉を使うのに適したシーンを知らないままでは誤用の恐れがある。
誤った言葉の使い方をしないためにも、「フレキシブル」という単語を使う場面について見てみよう。
「フレキシブル」を使う場面①:仕事の進行指示、取引
「フレキシブル」を使う場面の1つ目は「ビジネスシーン」。
プロジェクトの進行や仕事の進め方、取引などにおいて「フレキシブルに対応してください」と言われることがあるかもしれない。
この場合の「フレキシブル」は「柔軟性」「プロジェクトや仕事、取引への順応性」を指している。
ビジネスシーンで「フレキシブルに対応してください」といわれたら、相手側の都合に合わせた行動を期待されていると考えよう。
「フレキシブル」を使う場面・正しい使い方②:スケジュール設定・調整
「フレキシブル」を使う場面の2つ目は「スケジュール設定・調整」。
仕事のスケジュール設定、調整を自分で行う場合、「自分に合ったスケジュールで、フレキシブルに仕事をする」という言い方をすることがある。
スケジュール設定、調整をする場合の「フレキシブル」は、「融通のきくさま」を指している。
取引先との打ち合わせ日を設定するときにも、「その他の日程についても、フレキシブルに対応いたします」のように使うことも。
とはいえ横文字の多用は軽薄な印象を与えかねない。
融通がきくことを相手に伝えるときは、「その他の日程についても、柔軟に対応いたします」のように伝えよう。
「フレキシブル」を使う場面・正しい使い方③:働き方・会社の制度
「フレキシブル」を使う場面の3つ目は「会社の制度」。
「Flexible」という単語の元になっている「flex」だが、そのflexという英単語を用いた会社の制度として「フレックス制度」というものがある。
「フレックス制度」とは、従業員が始業・終業時刻を自身で決めて働くことができる制度のこと。
フレックス制度では、必ず勤務しなければならない時間帯「コアタイム」が設定されていることが多いが、フレックス制度を利用すれば定時よりも早く退社することができることも。
自分の裁量やスケジュールに合わせて働けるため、フレックス制度は「フレキシブルな働き方」の一つともいわれている。
働き方や会社の制度を語る際、「柔軟な」という意味合いで「フレキシブル」という言葉が使われることを覚えておこう。
「フレキシブル」の対義語「インフレキシブル(inflexible)」
「柔軟な〜」「臨機応変に〜」といった意味合いの「フレキシブル」だが、対義語はどんな意味の言葉になるのだろうか?
「フレキシブル」の対義語「inflexible」の意味:曲がらない、頑固な、強情な
「フレキシブル(flexible)」の対義語は「インフレキシブル(inflexible)」。「曲がらない」「頑固な」「強情な」といった意味の言葉だ。
「フレキシブル」は使うことはあっても、対義語である「インフレキシブル」を会話中で使うことは滅多にない。
もしも「フレキシブル」と反対の意味を表したいときは、「フレキシブルではない」「柔軟じゃない」「臨機応変には対応できない」などと別の言い方をしよう。
ビジネスシーンで「フレキシブル」という言葉が出たときに注意すべきポイント
「フレキシブル」の使い方における注意点①:“フレキシブル”が指し示す事柄を確認する
ビジネスシーンでのコミュニケーションで使われる「フレキシブル」という単語。
しかし、「フレキシブルな対応」という言葉だけでは、具体的な対応の選択肢すら見えてこないものだ。
「フレキシブル」という言葉が会話中に出てきたら、「Aの場合は①の対応を、Bの場合は②の対応を、Cの場合は③の対応をとればいいですか?」などと確認をとろう。
「フレキシブル」という言葉が意味する事柄を誤認したまま仕事してしまうと大きなミスに繋がってしまうかもしれないため、確認のコミュニケーションは必須だ。
「フレキシブル」の使い方における注意点②:“フレキシブル”という言葉を鵜呑みにしない
また、先にも述べたがビジネスシーンで「フレキシブルに対応してください」といわれたら、相手都合で動いてほしいという意味が含まれていることがある。
相手の都合に合わせてフレキシブルに行動したほうが良い場面なのか、交渉や話し合いを行って対応を具体化させる必要がある場面なのか。
場にいる人との関係性などを考慮した上で、適切な行動をとってほしい。
「フレキシブルに対応してください」という言葉を鵜呑みせずに、会社や組織にとって最適なのはどちらかを考えよう。
「フレキシブル」の意味と「フレキシブル」という言葉を使う人に対しての注意点を紹介してきた。
年々増え続けるカタカナ語、横文字言葉。多用しすぎる人に対して、軽佻浮薄な印象を持つこともあるだろう。
とはいえ、言葉の意味を知らないままではコミュニケーションができないものだ。どんな相手とも円滑にビジネス活動を行うためにも、本記事で「フレキシブル」の正しい意味を理解してもらいたい。
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