本業以外に仕事を持つ「副業」は、今では新しい働き方のひとつとして定着しつつあります。
しかし本業との兼ね合いが難しいことや、情報漏えいなどの危険性から、就業規則によって禁止されている会社もあるのではないでしょうか。
本記事では副業を行うメリットとデメリット、注意点などについて解説します。
- そもそも「副業」とは?
- 副業をする3つのメリット・デメリット
- 副業を行う際の3つの注意点
そもそも「副業」とは?
まずは、そもそも副業とはどんなものなのか、定義から確認していきましょう。
副業とは、一般的に本業とは異なる仕事を掛け持ちして業務している形態のことをいいます。
例えば、平日にフルタイムで働きながら、土日は別の会社でもうひとつの別の仕事をしたり、フルタイムで勤務したあとに別の会社で働いたりすることなどを指します。また、会社に勤務せずとも、個人で仕事を請け負っている場合でも、副業にあたります。
しかし、確定申告に関わる税法では副業の明確な定義は決められていません。法律上では、本業も副業もお金を稼ぐ行為とひとくくりにされています。
副業をする3つのメリット
「少しでも収入を増やしたい」「本業以外にもスキルを身に着けたい」「やりたい仕事に挑戦してみたい」など、副業をするかどうか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
以下では副業をする3つのメリットをご紹介します。
副業のメリット1.確実かつ、簡単に収入を増やすことができる
副業の1つ目のメリットは、確実かつ、簡単に収入を増やせることです。
副業は、本業とは違い短い時間の勤務で確実に収入を増やせます。例えば、時給1,000円のアルバイトを週に2回、4時間行った場合、1ヵ月で3万円近くの収入になります。
本業で3万円もの給与を上げることは簡単ではありませんが、副業をすることで確実に給与が上がるのは嬉しいポイントです。
当然個人差はありますが、給与の設定が高い、もしくは副業をするための十分な時間を確保できる人であれば、本業に近い金額を稼ぐことも可能でしょう。
本業の給料が少なく不満がある人は、副業で収入を増やすことをおすすめします。
副業のメリット2.働いた分だけ稼げるので、リスクが少ない
副業の2つ目のメリットは、働いた分だけ稼げるので、リスクが少ないことです。
副業以外に収入を増やす方法として、株やFXなどの資産運用を思いつく人も多いのではないでしょうか。
資産運用は「ハイリスク・ハイリターン」で、成功すれば多額の収入を得られますが運用する元手や難解な知識が必要であるという前提は避けられません。
一方、時給制の副業であれば働いた時間がそのまま給与になるため、ある程度目測をつけながら収入を得られます。
職種や時給によっては高額の収入を得ることも可能なことから、まさに「ローリスク・ハイリターン」であるといえるのではないでしょうか。
ギャンブルのようなリスクを伴うお金稼ぎよりも誠実にお金を稼ぎたい人には副業がおすすめです。
副業のメリット3.副業で得たスキルを本業で生かせることもある
副業の3つ目のメリットは、副業で得たスキルを本業で生かせることもあることです。
副業の職種を選ぶ際は、本業と関連した業種を選ぶことをおすすめします。副業で得たスキルを本業で活せたり、本業で培ったスキルを活かすことで効率的に副業を行なえたりするからです。
そのため、副業選びは「本業との相乗効果」を狙うのが無難であるといえるでしょう。
しかし、自分の興味のある分野に思い切って飛び込んでみてもいいでしょう。全く違う分野で手に入れた知識や経験が役に立つかもしれません。
本業に似たいつもの業務で収入を得たい人や、相乗効果を狙いたい人は、本業と関連した副業がおすすめです。また、新しいことに挑戦したい人やクリエイティブな職業な人は、本業とは違う分野の副業がおすすめです。
- 収入の額(労動量)をある程度調整できる
- 株などの資産運用に比べてリスクが少ない
- 職種によっては本業のスキルアップや副業での負担軽減につながることも
副業をするデメリット
上記では副業をするメリットをご紹介しました。副業にはローリスクで収入を増やせたり、経験をつめたりするメリットがある一方でデメリットも存在します。
以下では副業をするデメリットについてご紹介します。
副業のデメリット1.本業への支障や体力面の圧迫が懸念
副業の1つ目のデメリットは、本業への支障や体力面の圧迫が懸念されることです。
副業を行うということは、本業に加えて別の勤務をすることになります。
たとえ短時間の勤務であったとしても、本業と並行して仕事を行なうのは体力的にも時間的にも楽ではないでしょう。
また、休日が減ってしまうことも懸念点として挙げられます。副業を始める際はスケジュールの調整はもちろん、無理のない範囲で行うことを心がけてください。
副業を始めた直後に本業と相違ない業務量を設定したり、長時間の勤務をすることは疲労につながってしまうので注意が必要です。副業の開始直後はとくに「本業に支障を出さない」という姿勢や考えを念頭に置いて働く必要があります。
副業を始めたせいで体を壊しては意味がありません。自分の体を大切にすることを忘れないでください。
副業のデメリット2.税金の管理が必要
副業の2つ目のデメリットは、税金の管理が必要であることです。
副業には収入が増えるというメリットがありますが、当然その分の所得税負担が増えてしまいます。加えて、年間20万円以上を稼いだ場合には確定申告も必要になります。
副業をする場合は、自ら関連する知識を得た上で税金の管理をしなくてはなりません。これらを怠ってしまうと、課徴金など余計な支出が増えてしまい本末転倒になるので注意が必要です。
副業の確定申告について知りたい人は、「【副業に関する税金の基礎知識】副業をしたら確定申告が必要?副業にかかる税金の計算方法とは」をぜひ参考にしてください。
「副業したいけど、税金の計算とか手続きがよくわらかない」と思っている人も多いのではないでしょうか。本記事では、副業や確定申告の定義や、副業にかかる税金の計算方法などについてご紹介します。副業を始...【副業に関する税金の基礎知識】副業をしたら確定申告が必要?副業にかかる税金の計算方法とは
- 本業以外に拘束時間が増えるので、休息の時間が減る
- 疲労が増すと、本業に支障をきたしてしまう
- 税金の処理を行なう必要がある
副業をする前にすべきこと
副業のメリットやデメリットを理解した上で、「副業を始めたい」と決心した人もいるのではないでしょうか。
以下では、副業をする前に知っておいて欲しい、副業前にするべきことをご紹介します。
副業する前には、必ず「就業規則」を確認する!
副業を始めると決めた人は、まず会社の「就業規則」をチェックしましょう。
公務員の場合は、兼業や副業が国家公務員法や地方公務員法で制限されています。また、民間の企業の場合は会社によって副業の可否が異なるため注意が必要です。
副業が禁止されているかどうかは企業の就業規則に定められています。
就業規則で禁止されていた場合、副業を行うべきでない
副業を就業規則で禁止している企業は、本業への支障を避けるために禁止している場合が多いです。
また、副業の業種が本業と類似している、あるいは関連している場合、情報漏えいのリスクといった懸念から禁止されているケースもあります。
副業がばれるパターンとして、疲労による本業への支障、スケジューリングのミス、内部情報に関連するトラブルが挙げられます。
また、確定申告を行った場合、申告に基づいて計算される住民税によって副業行為が発覚することも多いです。副業をした場合、本業の給与分以上の住民税が課されてしまうことから、経理で疑問が持たれてしまうからです。
このようにさまざまな懸念があるため、就業規則で副業が禁止されている場合は副業をするべきではないといえます。
禁止されているのに黙って副業をしたのが発覚した場合は、解雇や減給などの処分になる可能性もあります。
就業規則で禁止されているけれど、どうしても副業を行う必要がある場合には、黙って始めるのではなく、上司に相談して許可を取ってから行うようにしましょう。
副業を行う際の3つの注意
会社の就業規則を確認して、副業が許可されている場合でも副業を行う際には3つの注意点があります。
以下の3つの注意点に気をつけて副業を始めてみましょう。
副業をする時の注意点1.本業に支障が出ないよう「スケジュール調整」を徹底する
副業をする時の1つ目の注意点は、本業に支障が出ないよう「スケジュール調整」を徹底することです。
副業をすれば休息にあてられる時間も当然減ってしまいます。そのため、自分の体力を把握した上で、本業の業務進捗や自分自身の健康に悪影響が出ないように副業の業務量をコントロールをする必要があります。
副業を行う際は、本業に支障を及ぼすことは絶対にあってはなりません。本業と副業のスケジュールが被ってしまわないように、そして、決して副業で無理をしすぎないように気をつけましょう。
副業をする時の注意点2.年末調整や源泉徴収票の書類処理に十分注意する
副業をする時の2つ目の注意点は、年末調整や源泉徴収票の書類処理に十分注意することです。
年末調整は、1年間の所得税を精算するために行われるものです。
一般的には、勤務先から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」、もしくは「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」を受け取り、必要事項を記入して提出する必要があります。
しかし、副業を行う際は、年末調整が1ヵ所でしか行えないという点に注意しなければなりません。理由としては、2ヵ所以上で年末調整を行ってしまうと課税が重複してしまう恐れがあるからです。2つ以上の会社に勤務している場合は、一般的に収入がもっとも多い勤務先で年末調整を行います。
また、副業を行う際は源泉徴収票の処理にも気をつけなければなりません。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しない場合、源泉徴収税額表の処理は「乙欄」に基づいて行われます。
このため、副業の勤務先には乙欄で処理をしてもらう旨を伝える必要があります。
このように慣れない事務仕事をする必要があることを頭に入れておきましょう。
副業をする時の注意点3.年間20万円以上の収入を超えたら、必ず確定申告を行う
副業をする時の3つ目の注意点は、年間20万円以上の収入を超えたら、必ず確定申告を行うことです。
副業の収入が年間20万円を超える場合、翌年の2月16日から3月15日までの間に本業と副業の源泉徴収票を用意して税務署で確定申告を行う必要があります。
申告書の作成や申告は、国税庁のホームページから行えるので、事前にチェックしておくことをおすすめします。
副業を行う前にもう一度チェック!
- 本業の勤務先の「就業規則」を確認する
→副業が認められない場合はすべきではありません。 - 本業に影響が出ないようスケジュール調整を行う
→本業への影響は絶対にあってはなりません。疲労や体調管理にも配慮が必要です。 - 年末調整は本業の勤務先のみに提出する
→副業の勤務先には「源泉徴収税額表」の処理を「乙欄」にしてもらいます。 - 副業の収入が年間20万円を超えたら必ず確定申告を行う
→確定申告の期間は副業で20万円以上の収入があった翌年の2月16日から3月15日までの間に行います。
現在、本業に対する収入の不満やスキルアップを図りたいといった理由から、副業を行なう人が増えてきています。
また、働き方の多様化によって、全ての人がひとつの会社だけで就業するとは限らない時代も訪れつつあります。
しかし、副業を行うときは体調やスケジュールの自己管理はもちろん、税務処理にも気を配りましょう。
副業を始める場合は、就業規則や確定申告など必要な知識を身に付けた上で、本業に支障が出ない範囲で行なうことを心がけてください。
副業の際には注意点に気をつけよう
- 副業のメリットは、ローリスクで収入を増やせたり経験を積めたりすること
- 副業のデメリットは、本業を圧迫する可能性があることや税金の管理が必要なこと
- スケジュールの調整や確定申告、年末調整に充分気をつける必要がある
本記事では、副業を行うメリットやデメリットなどについてご紹介しました。
副業には収入を増やせるメリットがある一方で、本業に支障をきたす可能性があったり、税金の管理が必要だったりとデメリットもあります。
しかし、副業で経験を積むことによって新しい知識が手に入ることは、これからの人生にとって価値があることなのではないでしょうか。
本記事を参考に、副業を始めるか否かの決断をしてみてはいかがでしょうか。
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