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「有給休暇」って何? 取得条件・日数&有給休暇の取得率業界ランキングを大公開!

U-NOTE編集部

2018/08/28(最終更新日:2018/08/28)


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 会社員にとって有給休暇という制度は馴染み深いもの。しかし、取得できる有給休暇の日数や、繰り越しの可否についての疑問を持っている人も多いだろう。

 そこで本記事では「有給休暇制度」の仕組みから申請の仕方などを紹介したい。

有給休暇とは?

有給休暇とは雇用主から賃金が支払われる休暇日のこと

 年次有給休暇(以下有給休暇)とは、一定期間会社に勤続した社員に対して与えられる「賃金が支払われる休暇日」のことを指す。

 制度の目的は「労働者の心身共にゆとりのある生活を保障するため」であり、労働基準法で定められている。

有給休暇の条件は一定期間の継続勤務と全労働日の8割以上の勤務

 有給休暇を取得するには2つの条件がある。

 1つ目は、雇い入れ日から6か月が経過していること。2つ目は、その期間の全労働日のうち8割以上出勤していることだ。

 この条件を満たした段階で初めて、有給休暇制度を利用する権利が付与される。

 1つ目の条件である「雇い入れ日」というのは、実際に勤務を開始した日のことを指す。

 2つめ目の条件である「全労働日」とは、労働者が契約で労働義務を課せられている日のことを指している。

 つまり、会社の規定により自分の出勤日とされている日が労働日となり、その総数が全労働日となる

 業務上の怪我や病気、妊娠・出産にともなう育児休暇、介護休暇なども労働日に含まれるため、有給休暇は比較的取得しやすいといえる。

有給休暇を取得するための2つの条件

  • 雇い入れ日から6か月が経過している
  • 総労働期間のうち8割以上の出勤

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有給休暇で取得できる日数や取得期限

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有給休暇の日数は初年度は10日、その後は勤務年数に応じて増加

 雇い入れから6ヶ月間の継続勤務と、全労働日の8割以上出勤の条件を満たした場合、労働者には年10日の有給休暇が付与される。

 6ヶ月間の勤務以降は継続勤務1年毎に1日ずつ増加し、3年6ヶ月以降になると2日ずつ有給取得日数が増加する。

 年間の有給休暇は最大で20日となり、継続勤務が6年6ヶ月以降の場合は増加しなくなる。

正社員の継続勤務年数と貰える有給休暇の日数

  • 6ヶ月:10日
  • 1年と6ヶ月:11日
  • 2年と6ヶ月:12日
  • 3年と6ヶ月:14日
  • 4年と6ヶ月:16日
  • 5年と6ヶ月:18日
  • 6年と6ヶ月:20日 ※以降は20日から増減なし
 また、正社員と比べて日数は減るものの、派遣社員やアルバイトも一定数の有給休暇を取得することができる

 派遣社員やアルバイトの有給休暇は週の所定労働日数や労働時間により変動する。

 正社員以外の雇用形態の場合は、以下の表を参考にして自分の有給休暇の日数が何日なのか計算してみるといいだろう。
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出典:employment.en-japan.com

有給休暇は繰り越しができるが、2年間で失効になる

 有給休暇は繰り越しが可能であり、昨年取得しなかった分を今年の有給休暇に上乗せすることができる。

 しかし、労働基準法にて有給休暇の時効は2年と定められているため、注意が必要だ。

 期限の2年が過ぎてしまった場合、それ以前に余った分の有給休暇は失効することになってしまう。

 例えば継続勤務が2年6か月の場合には、継続勤務6か月の時に与えられる有給休暇10日分は消滅してしまう。


 そのため、労働者は期限が失効する前に効率的に有給を取得する必要がある。

2019年4月以降は5日間の有給休暇の取得が義務化される可能性も

 有給休暇の制度自体は整っているものの、日本の有給休暇取得率は国際的に見れば最低レベルにある。

 「世界30ヵ国有給休暇・国際比較調査2017」によると、日本は有給休暇消化率が2年連続で50%という最下位の結果であった。


 有給休暇制度が機能していない企業も多い現状に対し、厚生労働省は労働基準法の改正の調整を進めている。

 改正の内容は「年10日以上の年休を貰う権利のある社員に対し、年5日分の有給休暇の取得が”義務”となる」というものだ。

 これにより、実質的に有給休暇が取れていない労働者が年5日間は確実に休めるようになる。

【参考】【世界30ヶ国 有給休暇・国際比較調査2017】日本の有給消化率、2年連続 世界最下位

有給休暇の取得に理由は必要?

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有給休暇を取得する際に理由を伝える義務はない

 有給休暇は労働者に与えられている権利であり、通常の休日と同様にその理由を伝える必要はない。

 また、有給取得のために社内での評価が下がり、昇給や昇格などに影響が出るというのも法的な観点からは認められていない。

 有給休暇は労働者の権利であり、自由に行使することができるということをしっかりとおさえておきたい。

 会社の就業規則などによって、有給休暇の申請の仕方なども異なるので入社時に確認しておくとトラブルもないだろう。

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有給休暇の買い取りは可能?

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有給休暇の買い取りは原則的に認められていない

 有給休暇制度自体はどの企業に対しても適応されるものの、先述の通り日本の会社員の有給休暇取得率は低く、中にはほとんど制度を利用しない人も存在する。

 そのような人たちは実質的に有給休暇の取得の権利を捨てていることになる。

 この際、使わずに残った有給休暇の代わりに、会社に対して金銭的な補償を求める(有給休暇の買い取り)行為は認められないのだろうか。

 一般的には、有給休暇の買い取りは原則的には認められていない

 有給休暇は労働者の心身にゆとりをもたらすために休暇を認める制度であり、買い取り行為は制度の趣旨に反するためだ。

 しかし、付与した有給休暇の日数が労働基準法の規定にある法定日数を超過している場合は、その分の買取を認められている。

 また、退職時に有給休暇が未消化の場合や期限の2年間が過ぎてしまい消滅してしまった場合は、経営判断により例外的に会社が有給の買い取りをすることもできるが、義務ではないために拒否されることも多いため、注意していただきたい。

退職時の有給休暇の買い取りはグレー。有給休暇は消化するようにしよう

 前述の通り退職時には例外的に有給の買い取りが認められる場合もあるものの、会社側がそれを承認する可能性は低い。

 そのため、退職前であっても余っている有給は消化してしまうと良い。

 ただし、退職時に有給休暇を取得する場合には、事前に仕事の引継ぎなどを終わらせておくといった配慮ができる、と円満退社することができるだろう。

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有給休暇が取得しやすい業界

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 厚生労働相の就労条件総合調査(平成28年度)によると、有給休暇の取得しやすさは業界毎に大きく異なっている。

 取得日数(付与日数)と取得率
をランキングで表すと以下のようになった。

有給休暇取得率ランキング

  • 1位:電気・ガス・熱供給・水道業 14.0日(19.5)71.8%
    2位:複合サービス事業      12.5日(19.4) 64.6%
    3位:情報通信業         11.2日(18.9)58.9%  
    4位:学術研究,専門・技術サービス業 14.0日(19.5)57.6%
    5位:鉱業,採石業,砂利採取業    10.4日(18.3)57.0%
    6位:製造業            10.7日(19.0)56.2%
    7位:医療,福祉          8.8日(16.8)52.5%
    8位:金融業,保険業        10.4日(20.3)51.5%
    9位:サービス業(他に分類されないもの)  8.5日(17.0)49.9%
    10位:運輸業,郵便業        8.6日(17.7)49.0%
    11位:不動産業,物品賃貸業     7.8日 (17.8)43.7%
    12位:生活関連サービス業,娯楽業  6.6日 (16.9)38.9%
    13位:建設業            6.9日(18.1)38.0%
    14位:教育,学習支援業       7.0日(18.8)37.2%
    15位:卸売業,小売業        6.4日(18.3)34.9%
    16位:宿泊業,飲食サービス業    5.4日(16.5)32.8%

 インフラ業界、通信業界などは他業界に比べて有給休暇が取りやすい環境にあり、不動産や飲食業界は取得率が非常に低くなっている。

 しかし、上位にあたる業界でも有給休暇取得率は50%台に留まっている。

 自分の勤めている会社の有給取得率が低く不満があるといった場合は、休暇の取りやすい業界・職種への転職も検討してみてもいいかもしれない。


 有給休暇は、「制度自体は整っているが実質的に取得できていない」という人も多いのではないだろうか。

 しかし、有給休暇による適度な休息は仕事の生産性にも寄与するため、可能な限り積極的に取得することをおすすめする。

 有給休暇を効率的に利用することで、公私ともにリフレッシュしよう。


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