非正規労働者は日本の労働人口の約4割を占め、年々増えているのが現状です。
働き方が多様化しているともいえますが、非正規労働者は正規労働者と比べると賃金や雇用形態が不安定という事実も否めません。
本記事では、派遣社員と正社員との違いや、派遣社員から正社員になるために知っておくべきポイントを解説します。
- 派遣社員と正社員の主な3つの違い
- 派遣社員の2つの雇用形態
- 派遣社員から正社員になるメリットとデメリット
そもそも、「派遣社員」と「正社員」の意味の違いは?
そもそも派遣社員と正社員には、一体どのような違いがあるのでしょうか。
まず、それぞれの言葉が指す意味からご紹介します。基本的な言葉の意味を理解して、さらに派遣社員と正社員の違いの理解を深めていきましょう。
「派遣社員」とは
まずは、「派遣社員」についてご紹介します。
派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣社員として企業に派遣される雇用形態のこと。人材派遣会社に所属し、派遣会社と企業が「何年間」といった期間を設けて契約を交わし、派遣が決まります。
「派遣社員」は、英語で「一時的な」という意味を持つ「temporary」という単語を用いて「temporaryemployee」と表します。
単語からもわかる通り、派遣社員には雇用期間が決められており、雇用形態は人材派遣会社次第です。
「派遣社員」の意味と特徴
- 派遣会社と雇用契約を結び、派遣社員として企業に派遣される雇用形態
- 雇用期間が決まっている
- 英語で「temporary employee」と表す
「正社員」とは
次に、「正社員」についてご紹介します。
正社員は、就業先から正規雇用として雇われ、特に雇用期間を設けない雇用形態です。
派遣社員とは反対に、「正社員」は英語で「permanentemployee」といいます。
「permanent」は「永続的な」という意味であり、正社員には雇用される期間が定まっていないことがわかるのではないでしょうか。
正社員は、問題があった場合や、自分の意志で会社を辞めない限り、定年に達するまでその会社で働けるところが特徴です。
「正社員」の意味と特徴
- 就業先から正規雇用として雇われる雇用形態
- 雇用期間を設けない
- 英語で「permanent employee」と表す
派遣社員と正社員の主な3つの違い
派遣社員や正社員の意味についてご紹介しました。次は、派遣社員と正社員の主な3つの違いについてご紹介します。
派遣社員と正社員の違い1.業務内容
企業の正社員と派遣社員の最も大きな違いは「業務の内容」です。
派遣社員はあらかじめ作業内容が提示されているため、基本的にはその範囲内でしか業務を遂行しません。
能力や経験によっては、派遣社員にも即戦力を要する仕事もあります。
派遣社員には特に、決められた業務を確実に遂行できるスキルが求められているといえるでしょう。
派遣社員と正社員の「業務内容」の違い
- 正社員:業務に責任が伴い、業務の幅も広がっている
- 派遣社員:あらかじめ作業内容が提示されており、基本的にその範囲内の業務のみを遂行する
派遣社員と正社員の違い2.給料
2つ目の派遣社員と正社員の違いは、給料の差です。
正社員は、契約時の定額をもらえ、定期的に昇給のチャンスがあります。また住居手当や交通費、扶養手当が出るケースや、ボーナスや退職金などをもらえるケースも多くあります。
派遣社員は、短期間の契約で人手不足から正社員よりも高い給料をもらえることも珍しくありませんが、ボーナスや昇給がないのが特徴です。
正社員と派遣社員は、ボーナスや昇給がないために給与面で年齢が重なるにつれて格差が広がってしまいます。
厚生労働省が毎年まとめている「賃金構造基本統計」によれば、20代の派遣社員と正社員では給与格差はさほど変わりはありません。
しかし、30代、40代と年を重ねるにつれてその格差は2倍近くに膨れ上がります。
派遣社員と正社員の「給料」の違い
- 正社員:定額・ボーナス・昇給・交通費・住居手当・扶養手当 など
- 派遣社員:仕事分の給料・交通費
- 年齢が重なるにつれて、正社員の給料が派遣社員の給料を大きく上回る
派遣社員と正社員の違い3.社員教育
「20代の正社員に対する教育」も派遣社員と正社員の違いのひとつです。
20代の正社員採用は新卒採用が中心で、仕事がわからない新卒の正社員を自立させるために一から指導を行ないます。
しかし、登録型派遣に関しては原則スキルを「持っているもの」として雇われます。つまり、即戦力となる労働力として扱われるので、能力がないと雇ってもらえないこともあります。
企業によって事情は異なるものの、登録型派遣の場合は新人社員のような指導や、スキルアップのための教育が受けにくいことが多いです。
ただし、常用型派遣の場合は派遣元の正社員であり、専門的な業務を行うことで実務経験を積むためこの限りでありません。
派遣社員と正社員の「教育」の違い
- 正社員:新卒時で企業側の研修を受けられる
- 派遣社員:スキルアップの教育を受けにくい
派遣社員の2つの雇用形態
派遣社員は、雇用者と派遣元企業(派遣会社)、派遣先企業(実際の就業先)の三者で成り立っています。
派遣会社に雇用される際は、「正規雇用」と「非正規雇用」の2パターンに分類されることをご存知でしょうか。
正規雇用は常用型派遣と呼ばれる形態なのに対し、非正規雇用は登録型派遣という形態です。
派遣社員の2パターンの雇用形態
- 正規雇用:常用型派遣
- 非正規雇用:登録型派遣
それぞれの違いについて詳しく確認していきましょう。
派遣社員の雇用形態1.常用型派遣
派遣社員の1つ目の雇用形態は、常用型派遣です。
常用型派遣は、正社員として派遣会社と雇用契約を結ぶ形態のことを指します。
派遣先企業との有期契約が満了しても常時雇用契約が結ばれており、期間満了後は新たな企業へと派遣されます。
派遣先が見つからない場合でも給与が支給されるのが特徴です。
専門性が高く、特別な知識が必要な業種に多い形態で、派遣会社の正社員であることから雇用・待遇も充実しているといえるでしょう。
派遣社員の雇用形態2.登録型派遣
派遣社員の2つ目の雇用形態は、登録型派遣です。
登録型派遣は、派遣会社に登録することによって非正規の雇用契約を結ぶ形態のことを指します。
登録センターに足を運び人材派遣会社への登録を行い、派遣会社のサイトを通じて派遣先の決定や契約などを行います。
雇用契約が発生するのは派遣先企業が決まって就業している間のみで、30日以内の派遣は「日雇い派遣」と呼ばれているところが特徴です。
日雇い派遣は一部の業務を除いて原則禁止です。ただし例外として、アルバイトの学生や60歳以上・生業収入500万円以上の人などに対する日雇い派遣は可能となっています。
派遣社員の雇用形態と意味
- 常用型派遣:正社員として派遣会社と雇用契約を結ぶ形態
- 登録型派遣:派遣会社に登録することによって非正規の雇用契約を結ぶ形態
常用型派遣のメリット
派遣社員には、常用型派遣と登録型派遣の2つの働き方があることをご紹介しました。
それぞれの働き方のメリットは何なのでしょうか。まずは、常用型派遣のメリットから見ていきましょう。
常用型派遣のメリット1.正社員として雇用されるので安定している
常用型派遣の1つ目のメリットは、正社員として雇用されるので安定していることです。
常用型派遣は、派遣元に正社員として雇用されるため、先述の通り派遣先がない状態でも給与が支給されます。
また、ボーナスや昇給もあり、福利厚生が充実しているところも特徴です。
常用型派遣のメリット2.スキルが身につきやすい
常用型派遣の2つ目のメリットは、スキルが身につきやすいことです。
常用型派遣は、エンジニアや看護師などの専門的な業種に多く、特定の業務に専念する形を取ります。
そのため、どの派遣先でも高い専門技能を活かし実務経験を積めます。
常用型派遣のメリット
- 福利厚生が充実しており、給与面で安定している
- 専門的なスキルが身につきやすい
常用型派遣のデメリット
給料が安定していたり、スキルが身につきやすかったりするのが常用型派遣のメリットです。
しかし、メリットがあれば、デメリットもあります。次は、常用型派遣のデメリットをご紹介します。
常用型派遣のデメリット1.解雇のリスクが高い
常用型派遣の1つ目のデメリットは解雇のリスクが高いことです。
常用型派遣では、人員整理の際に派遣先企業の正社員よりも優先されて人員整理をされてしまうといった懸念が挙げられます。
派遣先がなくても給与は支給されますが、万が一派遣先が見つからない状態が続く場合、派遣元の会社からの解雇される可能性もあります。
この点において、常用型派遣は一般企業の正社員と比べて雇用の安定性が欠けているといえるでしょう。
常用型派遣のデメリット2.労働環境が安定しない
常用型派遣の2つ目のデメリットは、労働環境が安定しないことです。
常用型派遣では、人員整理によって派遣先企業が変わってしまう可能性があります。
企業を転々とすることになってしまうので、その都度新しい環境へ適応しなければいけません。
常用型派遣のメリット
- 派遣企業の正社員よりも解雇されやすい
- 派遣企業が変わるなど、労働環境が安定しない
登録型派遣のメリット
常用型派遣のメリットやデメリットについてご紹介しました。
次は、2つ目の派遣社員の働き方の登録型派遣のメリットについてご紹介します。
常用型派遣と登録型派遣のどちらの働き方がいいのか考えてみてはいかがでしょうか。
登録型派遣のメリット1.ライフスタイルにあわせて働きやすい
登録型派遣の1つ目のメリットは、ライフスタイルにあわせて働きやすいことです。
登録型派遣社員として働くには、派遣会社への登録を行う必要があります。登録をした後は、自分の条件に合った就業先を探したり、派遣会社に紹介してもらったりすることで就業を開始します。
そのため、就業内容の適合性が高いといったメリットがあります。
また、万が一トラブルが起きた際も派遣会社が間に入るため、安心して就業できます。
登録型派遣のメリット2.気軽に働ける
登録型派遣の2つ目のメリットは、気軽に働けることです。
もちろん企業によりけりではありますが、重要な業務を任されることが少ないため気軽に働けます。加えて、時給がパートやアルバイトよりも高いことも利点だといえるでしょう。
正社員では入れないような企業でも、派遣社員として働ける場合があるということもメリットのひとつです。
登録型派遣のメリット3.さまざまな経験ができる
登録型派遣の3つ目のメリットは、さまざまな経験ができることです。
派遣で募集される業種は幅広いので、新しいことに挑戦できます。
正社員に転職する際には、派遣先で得た幅広い知識やスキルをアピールポイントとして活かすことも可能です。
また、派遣では基本的に定められた業務のみを遂行するので、専門性を高められます。
登録型派遣のメリット
- 自分の条件にあった就業先を見つけやすく、ライフスタイルに合わせやすい
- 重要な業務が少なく、気軽に働ける
- 募集業種の幅が広く、さまざまな業務を経験できる
登録型派遣のデメリット
登録型派遣には、気軽に働けたり、さまざまな経験ができたりするメリットがあります。
しかし、登録型派遣には、常用型派遣よりも大きいデメリットがあります。
以下では、常用型派遣のデメリットについてご紹介します。
登録型派遣のデメリット1.人員整理の対象になりやすい
登録型派遣の1つ目のデメリットは、人員整理の対象になりやすいことです。
登録型派遣では就業しやすいメリットがある反面、待遇や雇用期間の点で不利となります。
基本的に有期雇用で、人員整理の際も優先的に対象とされやすくなってしまいます。いわゆる、「派遣切り」と呼ばれるものです。
登録型派遣のデメリット2.待遇が正社員とは大きく異なる
登録型派遣の2つ目のデメリットは、待遇が正社員とは大きく異なることです。
交通費が支給されないケースも多く、賞与や昇給の機会がないなど、福利厚生の面でも正社員と比べると受ける恩恵は少ないです。
時給制が多いこともあり、給与も正社員と比べ低くなる懸念があります。
登録型派遣のデメリット3.給与・キャリアが安定しない
登録型派遣の3つ目のデメリットは、給与やキャリアが安定しないことです。
時給自体はパート・アルバイトと比べると高いことが多いです。登録型派遣の場合、派遣切りをされると新しい仕事が見つかるまでの期間は給与が発生しません。
人員整理がされやすく、長期的な雇用にはなりにくい点では安定して働けるとはいい難いでしょう。
また短期間で業務内容が変わることで、スキルが伸びず、キャリア形成しにくいこともデメリットです。
登録型派遣のデメリット
- 人員整理の際に、優先的に切られやすい
- 福利厚生の面で恩恵が少ない
- 長期的な雇用になりにくく、キャリアが安定しない
【ケース別】派遣社員から正社員になる方法
派遣社員から正社員になる方法は、大きく分けて2つ存在します。
ひとつは「今いる会社にそのまま登用される」方法。もうひとつは「他の企業に正社員として転職する」方法です。
派遣社員を雇用している企業の中には、以下のような理由から正社員への直接雇用の打診をすることがあります。
派遣社員から正社員になるケース1.優秀なスタッフでこのまま雇用される
派遣社員から正社員になる1つ目のケースは、優秀なスタッフなため派遣社員から正社員へと雇用されることです。
企業が派遣従業員を雇う際は、直接雇用や雇用安定の努力義務が課せられています。
その点でも派遣社員から正社員へ雇用されることは、最も望ましいパターンです。働きぶりがよく、良好な信頼関係を築いている証拠でしょう。
慣れた職場で引き続き働きつつ、待遇も良くなり安定するという最も理想的な形です。
派遣社員から正社員になるケース2.人件費を抑える
派遣社員から正社員になる2つ目のケースは、人件費を抑える必要がある場合です。
派遣スタッフの雇用には給与だけでなく、雇用主が支払う社会保険料や有給休暇の費用、派遣会社に支払う諸経費などがかかります。
これらの経費は、派遣料金の3割近くになることもあります。(下記グラフ参照)
無駄な人件費を抑えるために、派遣スタッフに対して直接雇用を打診することがあります。特に中小企業に多いパターンです。
派遣社員から正社員になるケース3.厳格な法令によるリスクを避ける
派遣社員から正社員になる3つ目のケースは、厳格な法令によるリスクを避けたい場合です。
派遣法では、派遣労働者が行える業務の範囲を細かく定めています。
また、庶務系の業務では最大3年しかスタッフを受け入れられず、それ以降は直接雇用にしなければいけません。
その上、厚生労働省による監督業務も厳しく、万が一指導がかかってしまった場合には社名が公表される恐れもあります。
年々ルールが細かく、なおかつ厳格になっていく中で、法令の見落としによるイメージダウンのリスクを避けるというパターンです。
派遣社員から正社員になるケース
- 優秀なスタッフでこのまま正社員として雇用される
- 直接雇用によって人件費を抑える
- 派遣法によるリスクを避けるため、直接雇用にする
派遣社員から正社員になるメリットとデメリット
「現在派遣社員で、正社員に憧れている……」という人もいるのではないでしょうか。
正社員になることのメリットは多いように感じられますが、もちろんメリットばかりではありません。次は、派遣社員から正社員となるメリットとデメリットをご紹介します。
派遣社員から正社員になるメリット
まずは、派遣社員から正社員になるメリットをご紹介します。
常用型派遣の場合は、派遣会社ではなく特定の企業の正社員になることで人員整理のリスクが減ります。
登録型派遣の場合、派遣社員として働いていたときと比べて待遇がよくなるだけでなく、雇用期間が無期になるため安定して働けるところがメリットです。
新しい環境に移るストレスがなくなり、仕事に対する評価もより綿密なものになるため、自らのスキルアップに向けて大きく前進できるでしょう。
派遣社員から正社員になるメリット
- 人員整理のリスクが減る
- 雇用期間が無期になり、安定して働ける
- スキルアップにつながる
派遣社員から正社員になるデメリット
次は、派遣社員から正社員になるデメリットをご紹介します。
正社員になった場合、業務の範囲が広がるのでより責任感を持って働かなければなりません。
企業によっては残業も発生し、結果として待遇が悪くなってしまうケースもあり得るので注意が必要です。
同じ会社で派遣社員から正社員を目指す際は、派遣社員に対する待遇と、正社員になった後の待遇・労働環境の変化を比較しておきましょう。
派遣社員から正社員になるデメリット
- 業務の範囲が広がり、責任が伴う
- 待遇が悪くなる場合がある
派遣社員から正社員として他の企業に転職する場合
派遣社員から正社員を目指す場合は、現在派遣されている会社が派遣社員の正社員登用に積極的なのか否かも検討しなければなりません。
もしも正社員登用に消極的な場合、他の企業に正社員として転職という選択肢を検討することもひとつの手です。
「前職が派遣社員であったことをどのように活かすか」ということを意識しながら転職活動をすることで、転職活動が成功しやすくなるでしょう。
派遣社員から正社員になるための履歴書や面接のポイント
派遣社員から正社員になるための面接や履歴書の志望動機では、何に気をつけるべきなのでしょうか。
派遣社員だからこそ注意したいポイントを紹介します。
派遣社員から正社員への道1.職歴には派遣会社と派遣先の双方を記入する
派遣社員から正社員になるための1つ目のポイントは、職歴には派遣会社と派遣先の双方を記入することです。
職歴を記入する際は、派遣として勤務していたことを明記しなければなりません。
そのために登録した派遣元を最初に記入した上で、派遣先として勤務した会社をすべて挙げましょう。
派遣社員の職歴記入のしかた(派遣元の登録会社が1社の場合)
- 1.「人材派遣会社 XXXに登録し、派遣社員として以下の勤務に従事」と記す
- 2.雇用期間と会社名、業務内容を正確に記す
派遣社員から正社員への道2.志望動機に「雇用の安定」は書いてOK?
派遣社員から正社員になるための2つ目のポイントは、志望動機は「雇用の安定」であると伝えるよりも企業への貢献度をアピールすることです。
先述のとおり、派遣社員から正社員へ登用される最大のメリットは雇用の安定です。
企業側が正社員に求めるのは、派遣社員ではできないような業務・責任をしっかりと果たすことのできる人材のはずでしょう。
たとえ雇用の安定や待遇のよさが理由だとしても、企業への貢献度をアピールせずに社員として雇用されることは難しいです。
派遣社員から正社員になることでより広く、かつ責任のある業務に従事したいという思いをいかにアピールできるかが重要なポイントです。
派遣社員から正社員への道3.面接では派遣以上の責任感をアピールする
派遣社員から正社員になるための3つ目のポイントは、面接では責任感をアピールすることです。
面接でも履歴書同様、「派遣社員と正社員の違いをどう考えているか」という意図の質問が中心となります。
派遣社員と正社員の違いをしっかりと把握した上で、面接に挑みましょう。その際は、派遣社員で経験したことや得たスキル、その中で感じた責任感、そしてこれをどのように活かすかを伝えることをおすすめします。
派遣と正社員の業務上の相違をしっかり理解し、その責任を果たせることをアピールしていかなければなりません。
面接と履歴書に共通するのは、雇用の安定などの理由にとどまらない、派遣から正社員になることへの強い意志、そして責任感をアピールしましょう。
派遣社員から正社員になるための履歴書・面接のコツ
- 職歴には派遣会社と派遣先の双方を記入する
- 志望動機には、雇用の安定ではなく、責任のある業務に従事したい旨を記す
- 面接では、派遣社員と正社員の違いを理解して、強い意志と責任感をアピールする
「正社員」を見据えて派遣社員になる道も
これまで紹介したように、派遣社員からスキルを認められ、正社員になるケースも考えられます。正社員になることを見据えて、まずは派遣社員からキャリアをスタートさせるという方法もあります。
また、2000年の改正労働者派遣法で解禁された「紹介派遣制度」について耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
紹介派遣制度では、派遣として勤務するのは最長でも6ヵ月。派遣として入社しても、遅くとも6ヵ月後には直接雇用に切り替える必要があります。
正社員として無期雇用になる前に会社の環境などを実際に体感できるので、理想の労働環境を見つけやすいという利点があります。
ただし、この制度で保証しているのは「直接雇用への切り替え」という点に留まることに注意しましょう。
つまり、企業によっては直接雇用されても正社員ではなく有期の「契約社員」として、あるいはパートなどの「非正規雇用」になる場合もあります。
いずれにせよ、「正社員として入社したときのミスマッチを防ぎたい」と考えている転職者には有効な手段のひとつだといえるでしょう。
【正社員から派遣社員へ】紹介制度の意味と特徴
- 派遣として一定期間勤務したのち直接雇用に切り替えることができるシステム
- 派遣社員として勤務する期間は最長で6ヵ月
スキルアップや福利厚生・給与などの待遇、仕事へのフィードバックがあること、そして雇用の安定と、派遣社員から正社員になるメリットは大きいといえます。
しかし、自分に適した働き方の選択肢は年々広がりを見せている現代では、正社員になることが全てではありません。
どのような働き方があるのかをしっかりと把握し、自分の目指すキャリアステップにあった就業形態を見つけることをおすすめします。
上記を考慮した上で派遣社員から正社員を目指すという場合には、派遣社員と正社員の違いを十分理解することが必要です。
派遣社員として培った経験はもちろん、それを活かして正社員としてより一層の責任感を持つ強い意志があることをしっかりとアピールできるかが、転職を成功させるカギになるでしょう。
派遣社員として働くか、正社員を目指すか、ライフスタイルにあわせて検討しよう
- 派遣社員の働き方は、常用型派遣・登録型派遣の2通りある
- それぞれの働き方には、メリットがあればデメリットがあるので、自分に合った働き方を見つける
- 派遣社員から「紹介派遣制度」を使って正社員になる方法もある
本記事では、派遣社員と正社員の違いや、それぞれのメリット・デメリット、派遣社員から正社員になる方法などをご紹介しました。
派遣社員として気軽に働きたい人もいれば、正社員として安定して責任を持って働きたい人もいるのではないでしょうか。どちらの働き方がいいのかは一概には言えず、自分に合った働き方を見つけることが大切です。
本記事を参考に、正社員として働くのか、派遣社員として働くかの決断をしてみてはいかがでしょうか。
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