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【契約社員と正社員の違い】転職に役立つ「契約社員と正社員の基礎知識」を完全マスター

U-NOTE編集部

2018/11/05(最終更新日:2021/01/31)


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雇用形態の多様化により、正社員ではなく「契約社員」として企業に所属する人が増えています。

今回は「正社員と契約社員の違い」からメリット・デメリットを解説し、契約社員から正社員への登用、転職活動情報までを紹介します。

転職活動を進める上でも、正社員と契約社員の違いを知っておきましょう。

本記事の内容をざっくり説明
  • 契約社員の定義
  • 契約社員と正社員の違い
  • 契約社員から正社員になることはできるのか

 

そもそも「契約社員」とは?

【契約社員と正社員の違い】転職に役立つ「契約社員と正社員の知識」を完全マスター 2番目の画像

そもそも、契約社員とはどのような働き方をする人なのでしょうか。契約社員とは、「企業から指定された特定の期間のみ労働に従事する者」のことを指します。これを「有期雇用契約」と呼び、期間限定でその企業で働く形態をとります。

そのため、企業から指定された契約の終了時点で契約更新をしなければ、解雇扱いを受けることに。

一方、正社員の場合、契約時点では雇用期間が定められておらず、企業から解雇通知を受けたり、自ら退職願いを提出したりしない限りは長期的にその企業で就業することが可能です。そのため、長期的に見れば契約社員よりも安定した雇用形態だといえます。

また、契約社員の雇用期間は労働契約法という法律において、最長で3年間と厳密に規定されています。つまり、契約社員は最長3年間の任期満了後、再度契約を更新するか、職を辞するかの選択をすることに。

「指定された期間のみ働きたい」「一時的に特定のスキルを習得したい」という人にとっては、適した雇用形態だといえるでしょう。

 

契約社員と正社員を5つの項目で比較

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では、契約社員と正社員には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。制度面・働き方についての違いを解説していきます。

契約社員のオファーを受けようか迷っている人は、とくに参考にしてください。

また、契約社員から正社員への転職活動を考えている人も、各々のメリット・デメリットを今一度再確認しておきましょう。

 

1.雇用期間・勤務時間

上記で解説した通り、雇用期間については契約社員と正社員で大きな違いがあります。

正社員は雇用期間についての厳密な規定はなく、企業側から解雇を通告されたり、自分から辞職を選択したりすることがなければ長期的に就業することが可能です。

労働契約法16条によると、企業側が正社員の解雇を通告するには、財産の横領などの相当な理由が必要であり、業務遂行能力の不足程度では解雇できないとされています。そのため、正社員は契約社員と比べて安定しているといえるでしょう。

 一方、契約社員は最長3年間の「有期契約」を前提に就業することになります。そのため、契約期間が満了するたびに契約の更新をするか、契約終了にともないそのまま現職を辞するかの選択をすることに。

契約の更新を受け入れるかどうかは企業側に委ねらているため、契約社員が契約の更新を申し出ても、企業は一方的に雇用契約の更新を拒否することができます。

これを雇い止めといい、雇い止めされた場合は、契約社員は職を失ってしまうことに。このような点から、雇用の安定性は低いといえるでしょう。

また、勤務時間については、正社員は会社規定に従い、契約社員は契約時に決定するところに違いがあります。

 

2.副業・勤務地

契約社員と正社員の2つ目の違いは、「副業」もあります。

正社員の副業を認めている企業は一部あるものの、まだ多数の企業は副業禁止規定を設定しており、正社員が二重契約を結び副業をすることを禁じているケースが多いです。

また、正社員の勤務地に関しては基本的な制限がない限り、転勤がある場合が多いことにも注意が必要です。

一方で、契約社員は労働日数や業務時間を契約時に明記することによって、他社での副業も可能になります。 勤務地に関しても、契約書に明記してあれば転勤はありません。

地域限定職など、契約社員の形態によっては転勤も存在するが、特定のエリア内のみの転勤です。

 

3.給与・賞与

契約社員と正社員の3つ目の違いは、「給与・賞与」です。

正社員の場合、「基本給」として給与が定められています。これに付属する形で通勤や住居の各種手当が支給され、社員に対して支払われます。

また、正社員に対して賞与(ボーナス)の制度を導入している企業も多く、基本的には年2回支給されます。ただし、賞与の制度の導入をしていない企業もあるため確認が必要です。

一方、契約社員は労働時間や労働日数による給与の変動が大きくなります。また、基本給が低めに設定されていることがしばしばあり、通勤や住居などの手当が支給されない場合も。

企業の業績が向上した場合であっても、契約社員には賞与(ボーナス)が出ないことが多いので注意が必要です。

 

4.昇給・昇進

契約社員と正社員の4つ目の違いは、「昇給・昇進」です。

正社員の場合、仕事内容や成果に応じて昇給制度があります。また、成果次第でさらに上の役職に就くことも可能です。

一方で、基本的に契約社員は契約が終了するまで昇給・昇進することはありません。給与の変動は契約を更新する際に、給与の査定を受けるのみ。

正社員のほうが昇給や昇進しやすい立場だといえるでしょう。

 

5.福利厚生

契約社員と正社員の5つ目の違いは、「福利厚生」です。

正社員の場合、所属する企業が加入している社会保険や企業年金などの、さまざまな福利厚生を受けることができます。

一方で、契約社員は受けられる福利厚生が正社員よりも限定される場合が多いことに違いがあります。

企業によって異なるものの、退職金制度に関しても契約社員には基本的に適用されません。

このように契約社員と正社員の働き方や条件を見ると、正社員より契約社員の方が規定や手当が受けられる範囲が狭いことがわかります。

一方で、契約社員は業務時間をフレキシブルに調整できたり、勤務地が固定など、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選ぶことができる点にメリットがあるともいえるでしょう。

どちらの契約形態も一長一短のため、自分にあった契約形態を選ぶことが重要です。

 

契約社員のメリット・デメリットとは?

契約社員と正社員は多くの点で違いがあることがわかりました。

では、正社員と比較すると、契約社員としての働き方はどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれの詳細を確認してみましょう。

 

契約社員として働くメリット

まずは、契約社員として働くメリットから確認していきましょう。

契約社員は、労働基準法第14条により最長3年の短期契約だとされています。短期間の契約のため、「特定のスキルを取得したい」「特定の期間だけ働きたい」という人には向いている働き方だといえるでしょう。

また、勤務する会社の規定に関わらず、業務時間や副業、勤務地などについて別途契約できるため、働きやすいライフスタイルを重視したい人にも向いているといえます。

契約社員のメリット
  • 最長3年間の短期業務のため、スキル習得の目的において有利な場合もある
  • 業務時間・副業・勤務地の融通が利き、ライフスタイルに合わせた働き方が可能

 

契約社員として働くデメリット

次に、契約社員として働くデメリットについて確認しましょう。

契約社員は、契約更新できなければ、契約期間が満了した場合に職を失うため、雇用の安定性は低くなります

また、正社員と比較すると、昇進や昇給などの制度がないことや、福利厚生に制限があることなどがデメリットです。

契約社員のデメリット
  • 雇用の安定性は低い。更新しなければ契約終了とともに職を失う
  • 金銭面に関して正社員と比較し劣る。賞与や昇進・昇給の制度なし
  • 福利厚生に制限がある

 

契約社員から正社員への登用は可能?

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契約社員は正社員と比較し、長期的な雇用や金銭的な面でのデメリットが見受けられます。

そのため、契約社員から正社員への登用を目指す人や、正社員雇用を目指しての転職活動を考えている人も多いでしょう。

契約社員から同企業で正社員での登用を目指す人は、契約書に必ず目を通し、企業の正社員登用制度について詳細に知っておく必要があります。
  
 「正社員登用制度あり」と企業側が主張していたとしても、実際に前例が存在しない場合や、極端に人数が少ない場合もあり得るからです。

また、契約社員でのオファーを受けている人や契約社員として働いている人は、所属する企業の契約書や正社員登用制度について必ず詳細に確認しましょう。

疑問を持った場合は制度の有無だけでなく、実績も確認しておくことがおすすめです。正社員を目指したい人は不安な気持ちのまま、チャンスがない場所で頑張り続けるのではなく、正社員になれるチャンスがある企業を見つけることが大切です。

 

契約社員の雇用期間に関する「5年ルール」とは?

「契約社員は5年以上勤務すると、正社員になれる」といったことを耳にしたことがある人もいるかもしれません。しかし、これは誤解があるので注意が必要です。

契約社員の5年ルールと呼ばれるものは、2013年に労働契約法で定められたもの。有期契約者を通算5年を超えて雇用し、所定の条件を満たした場合は契約期間に定めのない「無期労働契約」に転換する、という内容です。

ポイントは労働契約の期間が無期限になるということ。正社員になれるわけではないので注意が必要です。

また、5年以上勤務する以外にも「1回以上契約を更新していること」「無期限に切り替える際に同じ使用者と契約をしていること」が条件となります。つまり、派遣労働をしている場合は、派遣先の企業ではなく、派遣元の企業と無期限への契約となることに。

さらに、条件を満たした場合でも自動的に無期限となるわけではなく、自分から申し込みをする必要があることも覚えておきましょう。

 

契約社員として働くか、正社員を目指すか

本記事のまとめ
  • 契約社員は最長3年の短期業務を行う
  • 契約社員は正社員と比較して雇用の安定性が低く、賞与や昇給の制度がない
  • 契約社員として勤務し5年ルールが適用されると、無期限の雇用となる

本記事では、契約社員と正社員の違いについて紹介しました。

契約社員は正社員と比較して、雇用期間や勤務時間、給与や賞与、昇給、昇進、福利厚生などの点で違いがあることがわかりました。

契約社員として働くことが向いている人もいれば、正社員が向いている人もいるでしょう。自分にとってどちらの働き方が向いているのか検討してみましょう。

その上で、正社員を目指す場合は、正社員を目指せる契約になっているのか確認したり、契約社員を目指せる企業に就職したりなど、よく注意するようにしてください。

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