転職活動において、採用の可否を左右する「面接」は最も重要な局面だ。
今回は転職面接の意義、転職面接の流れを理解するとともに、転職面接であなたの魅力を十分に伝えるために知っておくべき重要ポイントについて解説したい。
【転職面接】面接前の受付〜入室までの流れ
【転職面接】オフィスビルに入る前:指定時刻の10分前に面接する企業に到着
面接会場には指定された時間の10分前に到着しておこう。気持ち的にも余裕が出るはずだ。
到着したら、スマートフォンや携帯電話の電源を切り、コートを着用している場合はビルに入る前に脱いでおく。
受付前には、身だしなみの最終確認をしておこう。
【転職面接】会社到着時の注意点
- スマートフォン・携帯電話の電源を切っておく
- ビルに入る前にコートを脱ぐ
- 身だしなみの最終確認は受付をする前に済ませる
【転職面接】受付時:指定時刻の5分前に受付をする
約束時間の5分前を目安に受付に向かおう。
「本日、○○時からの採用面接でお伺いしました△△と申します。人事部(採用担当)の□□様はいらっしゃいますか?」と受付の人に挨拶し、担当者に取り次いでもらう。
受付担当の人にはきちんとお礼をすると好印象だ。
【転職面接】受付の人に対する挨拶
- 本日、○○時からの採用面接でお伺いしました△△と申します。人事部(採用担当)の□□様はいらっしゃいますか?
【転職面接】入室時 :入室時のノックは3回
面接室に入室するときには、まずノックをゆっくりと3回行う。
2回のノックはトイレの空室確認に使う「トイレノック」と呼ばれることもあるため、なるべく避けておきたい。
「どうぞ」などの返事が聞こえたら、「失礼します」と一声添えてドアを開け入室する。
ドアを閉める際は大きな音を立てないようにしたい。また、後ろ手でドアを閉めるとマナー違反になってしまうので注意が必要だ。
【転職面接】入室時の注意点
- 入室時のノックは3回
- 「どうぞ」という返事が聞こえたら、「失礼します」と言ってから入室
- ドアは後ろ手で閉めない
【転職面接】入室後:面接官に挨拶する
ドアを閉め終わったら面接官の方を向いて一礼し、椅子の脇に歩み寄って挨拶をする。
挨拶は「(自分の氏名)です。本日はよろしくお願いします」といったものが無難だろう。
着席は面接官に促されてから行う。荷物は足元の横に置き、カバンが自立しない場合は椅子の脚に立てかけておく。
冬場の場合、コートは畳んで足元の荷物の上に置いておこう。ここまで完了したら、いよいよ面接が始まる。
面接時の受付〜入室までのポイント
- 余裕を持って10分前には会場に到着。約束の時間の5分前に受付を済ませる
- 面接室に入室する時はノックを3回行ない、返事が聞こえてから「失礼します」の一言を添えて入室する
- ドアは静かに開け閉めする
- 着席を促されたら、荷物は足元の横に置く。コートは畳んで荷物の上に置く
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【転職面接】面接中の主な流れ
転職面接の受付〜入室までの流れを紹介したところで、肝心な面接の流れについて解説したい。
転職面接の大まかな流れは以下の通りだ。
転職面接の大まかな流れ
- ①導入(アイスブレイク)
- ②自己紹介
- ③キャリアの確認
- ④転職の理由
- ⑤志望動機
- ⑤将来のキャリアプランや人柄についての質問
- ⑥質疑応答
転職面接の流れ①:導入(アイスブレイク)
転職面接では始めに、緊張をほぐすための軽い雑談が行われることが多い。
雑談の内容は天候や面接会場までのルート、所要時間に関する話題などさまざまだ。
軽い雑談のようなものだが、コミュニケーション能力・人当たりの良さが出る場面であるため、「はい」や「いいえ」など、会話が続かなくなる回答は避けよう。
また、雑談だからといって、馴れ馴れしい口調にならないようを気をつけてほしい。
【転職面接】クローズド・クエスチョンへの回答例
-
「ここまで迷わず来れましたか」
→NG:はい
→OK:事前に地図とホームページを参考にしたので、スムーズに来れました
転職面接の流れ②:自己紹介・キャリアの確認
自己紹介では、これまでのキャリアで経験した仕事内容や、得たスキルなどについて簡潔に伝えよう。
場合によっては「何分以内で答えてください」といった指定を受けることもあるため、慌てずに伝えることができるよう話す内容を整理しておくといいだろう。
また、転職回数が多いなど経歴が複雑な場合は、志望企業が興味を持ちそうな内容を選定しておく必要がある。
自分の経歴を伝える際に重要なのは「客観的かつわかりやすく伝えること」だ。
自分の過去について話すときは主観的な内容になってしまいがちだが、大切なのはあくまで「相手に事実を伝えること」である。
相手に客観的な事実を伝えないままでは、相互理解にズレが生じてミスマッチとなってしまう。
履歴書・職務経歴書の内容との一貫性を意識し、事実を客観的に伝えるよう心がけるべきだ。
また、自己紹介のかわりに生年月日や現職など、本人に関する情報を確認することもある。その場合は簡潔に事実を返答しよう。
【転職面接】自己紹介・キャリアの確認をするときの注意点
- キャリアの棚卸しは事前に行っておく
- 経歴は事実を客観的に伝える
- 履歴書・職務経歴書との一貫性を意識する
転職面接の流れ③:転職理由
「なぜ転職するのか」という転職理由は、転職面接で必ず聞かれる質問である。
当然、転職理由は人によって異なるが、いずれにしてもネガティブな情報を伝えることは避けたい。
会社への不平不満などが転職の理由でも、それを前向きな動機へと転換して伝えることを心がけるべきだ。
転職面接の流れ④:志望動機・理由
志望動機では、「入社に対する意欲」「採用することで会社に生まれるメリット」を伝えることが重要になる。
企業研究で得た情報や入社後にやりたいことなどを元に、「入社することで自分に生まれるメリット」だけではなく、「自分を採用することで会社に生まれるメリット」を具体的に伝えるといいだろう。
志望理由では入社に対する意欲だけでなく、事前の情報収集の成果が問われることも忘れてはならない。
また、志望動機では「なぜ転職してまで、その仕事に挑戦するのか」ということを明確に示すことも重要だ。
転職面接の前に短期的なキャリアプランと長期的なキャリアプランを計画し、目標を設定しておくといいだろう。
【転職面接】志望動機・理由を話すときのポイント
- 「入社することで自分に生まれるメリット」「自分を採用することで会社に生まれるメリット」を具体的に伝える
- 志望動機を話す際には入社に対する意欲だけでなく、“事前の情報収集の成果”がチェックされる
- 「転職の理由」と「志望動機」がかけ離れないように注意
転職面接の流れ⑤:将来のキャリアプランや人柄についての質問
面接の中盤になると、転職者の人柄や将来的なキャリアプランについての質問がされることが多い。
例えば、「あなたの長所や短所を教えてください」といった内容や、ここで「あなたを採用するメリットを教えてください」といった質問など、すぐには答えづらいような内容が予想される。
長所や短所・キャリアプランなどの内容は、実績や経験などをもとにしてより説得力のある内容になるよう、万全の対策をしておくのが良いだろう。
【転職面接】将来のキャリアプラン・人柄に関する質問への対策
- 転職面接までには自己分析を済ませて、長所・短所を洗い出す
- 転職活動を本格化させる前にキャリアプランを明確にしておく
転職面接の流れ⑥:募集内容の説明(採用条件の確認)
企業側からの質問が一通り終わると、次に募集内容に関して確認をすることがある。
募集背景や組織体制、想定ポジションの仕事内容の説明や確認をする際には、自分と企業の間で認識がズレていないかどうかを確認しよう。
また、役員面接や最終面接であれば、雇用条件についての確認が入る可能性もある。
後々トラブルにならないためにも、面接時に自分の認識と企業の認識をすり合わせておくべきだ。
給与については、企業の提示額を聞いてから希望金額を伝えるといいだろう。
【転職面接】募集内容・採用条件の確認でのポイント
- 自分と企業の間で認識がズレていないかどうかを確認
- 給与は、企業の提示額を聞いてから希望金額を伝える
転職面接の流れ⑥:質疑応答(逆質問)
面接担当者から「何か質問はありませんか?」と尋ねられた際は、積極的に逆質問を行おう。
逆質問は企業への理解度や転職への意欲をアピールする絶好の機会である。
しかし、「特にありません」で終わらせることや、的はずれな質問はマイナスな印象になってしまうため、事前にしっかり準備をした上で面接に臨むことを心がけたい。
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【転職面接】面接終了〜退室までの流れ
【転職面接】退室時:面接官にお礼を言って退室
質疑応答まで一通り終わり、面接官が「これで面接を終わります。お疲れ様でした」など面接終了の合図を出したら、椅子の脇に立ち上がって「ありがとうございました」と一言添える。
荷物を持ち、椅子の位置を正したらドアの前まで歩み寄り、面接官の方に体を向けて「失礼致します」と一礼して退室する。
この時のドアの開け閉めも静かに行わなければならない。
面接官や別の社員の方がエレベーターや会場・会社の入り口まで見送ってくれる場合もある。
エレベーターの場合は改めてお礼を述べた後に乗り込み、ドアが閉まる際に頭を下げよう。
会社の入り口まで見送ってくれた場合、入り口でお礼を述べた後に外に出る。
冬場の場合、コートは会社の人が見えなくなってから着用するのがマナーだ。
【転職面接】退室後:面接が終了しても油断せずに行動を
面接が終了すると、緊張がほぐれて気が抜けることが多い。
しかし、気が抜けたあまりに会場の近くでタバコを吸ったり、大声で電話したりなどの行為を会社の人に見られ、印象を落とした例もある。
せっかくの面接を台無しにしないためにも、面接が終了したら速やかに会場から離れ、油断せず「家に帰るまでが面接」という心構えをすべきだ。
【転職面接】帰宅後:面接のお礼メールを送信する
面接の時間・機会をもらったことにお礼する場合は、面接終了後すぐに採用担当者にメールかメッセージを送信しよう。
選考結果の日程や今後の流れ、次回の面談日程などを確認したい場合も、面接後のお礼メールと一緒に確認するとよい。
転職面接終了〜退室までのポイント
- 面接官の合図があったら、立ち上がって一礼する
- 退室する際のドアの開け閉めも静かに行なう
- 面接官や会社の人が見送ってくれる場合は、別れ際に改めてお礼を述べる
- 冬場のコートは会社の人が見えなくなってから着用する
- 面接が終わったら速やかに会場を離れる
- 会場から出た後は「家に帰るまでが面接だ」という心づもりでいる
転職面接当日までに準備! 面接前に準備しておくべきこと
転職面接前の準備①:まずは想定される問答を準備しておく
転職面接を受ける前には、面接で聞かれそうな質問に対する答えを準備しておこう。
転職活動の面接試験では、企業によって意図は異なるものの質問される内容は似たり寄ったりである。
そのため、まずは想定される問答を準備しておくのがよい。
あらゆる質問に対する回答や逆質問の内容、マナーのおさらいなど、万全の準備を行うことで面接時の緊張感を少しでも和らげることができるだろう。
転職面接前にやっておくべきこと
- 転職面接で想定される質問に対する回答の準備
- 質疑応答の時間に質問することを用意しておく
- 転職面接におけるビジネスマナーのおさらい
転職面接前の準備②:回答の内容は丸暗記しない
想定される問答を準備するとはいっても、準備した回答を一字一句丸暗記するのはNG。
質問の内容自体が意図していないものであったり、追加の質問があった際に対応しづらくなるからだ。
また、覚えた回答をきちんと話さなければならないというプレッシャーがかかり、余計な緊張感を生み出すだけでなく、不自然な言葉で面接官に伝わりにくくなってしまう。
回答の内容は箇条書きで要点だけを押さえ、本番では質問の意図に合わせて柔軟に受け答えするのが最も望ましい。
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転職面接で注意しておきたい3つのポイント
転職面接で注意しておきたいポイント①:転職面接の意義を知る
採用面接とは「企業と転職者の相性を確かめる場」である。
つまり、転職者は応募先の企業に対し、「自分はマッチする人材である」ということをプレゼンテーションする必要がある。
いかに素晴らしい経歴を持っていたとしても、企業のニーズに合わなければ採用されることはない。
転職面接に望む前には「客観的な自己分析」を行い、自分の長所・短所・経験を洗い出し、企業の人材ニーズを把握しておこう。
その上で、「長所と経験をどのようにアピールすべきか」を考えてみてほしい。
転職面接当日に緊張しないように、模擬面接やイメージトレーニングであらかじめ面接の流れをイメージしておくと良いだろう。
転職面接で注意すべきポイント②:面接は事実を伝える
面接の最後に「他社にも応募していますか?」と質問されることがあるが、その際は事実を正直に伝えるべきだ。
なぜなら、転職活動は複数社を比較検討するのが当然だからである。
また、面接の進み具合によっては「いつごろ入社できるか」と聞かれることがあるが、この質問に明確に答えることができないと「入社意識が低い」と思われてしまうおそれがある。
マイナスな印象を与えないためには、常に転職活動の「状況整理」をしておくべきだといえるだろう。
転職面接で注意すべきポイント③:基本的なビジネスマナーを身に着けておく
転職活動における面接と、新卒入社の面接の大きな違いは「社会人としての経験があるがどうか」にある。
転職活動では、入社への意欲だけでなく社会人としての基本的なマナーも見られるため、最低限のビジネスマナーはしっかりと身につけた上で面接に臨んでほしい。
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面接に緊張はつきものである。
しかし、万全な対策をすれば本番の緊張をおさえることができるだろう。
本記事を参考にして、ビジネスマナーをおさらいしつつ、万全な状態で面接を行い転職活動を成功させてほしい。
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