いざ転職をしようと思っても、「いつ転職活動を行えばいいかわからない」「何から始めればいいかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
転職活動は、しっかりとスケジュールを立て、準備をする必要があります。
本記事では、転職の際に集める情報や応募書類の作成方法、退職準備など、転職活動の流れに添ってご紹介します。
- 転職活動の進め方STEP1:転職活動に関わる時期や期間の把握
- 転職活動の進め方STEP2:転職活動に向けた「キャリアの棚卸し・自己分析」
- 転職活動の進め方STEP3:転職活動に必要な情報収集(業界・企業研究)
転職活動の進め方STEP1:転職活動に関わる時期や期間の把握
「何から転職を初めていいのかわからない」と戸惑っている人のために、転職活動の進め方を7STEPに分けてご紹介します。
もうすでに転職の準備を進めつつある人も、自分はこのステップを遂行できているか・足りない考えはないかなどを考えながら読んでみてはいかがでしょうか。
求人数が増加するのは1~3月、次いで7~9月
転職活動を始める上で、求人情報が出やすい時期を把握しておくことは、スムーズに準備を進めるためにも大切です。
一般的に企業の求人数が増加するのは、1〜3月の期間です。新年度に合わせて抜ける人員を補充するために、企業側がこぞって求人を出すためといわれています。
1〜3月に次いで7〜9月にも求人数が増加します。こちらも下半期に向けての人員を確保することを目的としています。
上記の2つの時期には求人数が増加し、チャンスが増えるだけでなく、普段はなかなか出回ることのない人気の求人を見つけることもできます。
上記の期間にベストな状態で転職活動を行うためにも、求人が増える時期以前から転職活動の準備を始めましょう。
入社時期の3ヵ月~半年前は準備期間
4月入社、10月入社の2つの時期が一般的な入社のタイミングです。
入社時期以前の3〜6ヵ月間はしっかりと転職の準備する期間にしましょう。
具体的には、自己分析や企業研究、職務経歴書や履歴書の作成にあてる時間です。
この期間にしっかりと転職活動の準備を行うことで、志望企業に転職できる可能性はグンと上がります。
転職活動で大切な時期と期間のまとめ
- 1〜3月・7〜9月:求人が増える時期
- 4月・10月:入社時期
- 入社前の3〜6ヶ月間は転職活動の準備期間
転職活動の進め方STEP2:転職活動に向けた「キャリアの棚卸し・自己分析」
転職活動の進め方の第2ステップは、転職活動に向けた「キャリアの棚卸し・自己分析」です。
以下からは転職活動に必要とされる各要素の進め方をご紹介します。
理想的な転職活動を行うためにも、手を抜かずに取り組むことを心がけることをおすすめします。
自己分析を通して転職活動の「軸」を設定する
転職活動を成功させる鍵は、今までのキャリアや経験を振り返り、「なぜ転職するのか」という意思を自分の中で固めることです。
この作業を省くと、「転職によって何を実現したいのか」が不明確なまま転職活動が進み、企業とのミスマッチを起こしかねません。
丁寧な自己分析で、転職先を選ぶ基準や企業にアピールするべき要素を押さえましょう。
転職活動の自己分析でキャリアの深掘りをするときの手順
これまでの経験を深堀りするには、まず「取り組んできた課題」や「それを解決するためにとった改善策」を挙げ、そのときの自身の思いも振り返りましょう。
自分の思いを振り返ることで、組織において強みや弱みとなる人間性が見えてきます。
上記を整理したら、取り組んできたことの結果について書き出しましょう。結果は具体的な数字(売上○○%上昇、契約件数○○件獲得など)で表せるとなおわかりやすいです。
企業選びの軸やこれからのキャリアプランで悩んだ際には、「仕事に何を求めているのか」「どんなことをしたときに喜びや達成感を感じたか」を考えてみましょう。
キャリアゴール、年収のアップ、新しい経験など、転職に求める要素をピックアップし、優先順位をつけて客観的な分析を行うようにすることをおすすめします。
【転職活動のポイント】自己分析のステップ
- 「なぜ転職するのか」を考える
- 取り掛かった課題や解決方法、結果など、これまでの経験を洗い出す
- 仕事に求める要素を考える
自己分析は、転職活動の始まる求人増加の時期までに行う
4月入社を考える場合、求人数が増加する時期の1〜3月以前にキャリアの棚卸し・自己分析をある程度深めておくことをおすすめします。
自身のキャリアプランや転職活動の軸・前職での経験がまとまっていると、膨大な求人数の中から「自分に必要な求人」を選び出せれるためです。
一方で、自己分析が固まっていないと、地に足のついていない状態で魅力的な求人に目移りし、時間を無駄にしてしまうことも考えられます。また、転職をした後にも「この会社で本当によかったのかな」と悩んでしまう可能性があります。
自己分析をしっかり行い、後悔しない転職を行うべきです。時間を無駄にしないためにも、自己分析はできるだけ早い段階から取り組みはじめましょう。
自己分析がある程度固まってきたら、次のステップである業界・企業研究に進むことをおすすめします。
【転職活動のポイント】自己分析を始める時期
- 求人が増加する時期(1〜3月/7〜9月)までに深める
転職活動の進め方STEP3:転職活動に必要な情報収集(業界・企業研究)
転職活動の進め方の第3ステップは、転職活動に必要な情報収集(業界・企業研究)です。
大切な自己分析が終わり自分がしたいことや自分の持つ能力がわかれば、入りたい企業探す段階に移行します。情報収集を徹底的に行うことで、転職後の後悔をなくしましょう。
転職活動の情報収集のコツ1.企業研究は求人情報や企業ホームページから行う
転職活動の情報収集のコツの1つ目は、企業研究は求人情報や企業ホームページから行うことです。
求人情報を探し出す方法は複数存在し、入手できる情報や利用価値はそれぞれ異なるため、目的や都合に合わせて最適な方法を選ぶのが好ましいでしょう。
求人サイトは、職種や勤務地などの条件を設定して検索することができるため、手早く情報を集めることができます。
自己分析で培った転職活動や企業選びの軸に沿う企業を、求人サイトで見つけましょう。
会社ホームページからは、企業の概要や競合他社との差別化のポイントが理解できます。
社員のインタビューが掲載されているホームページも多く、社員の具体的な業務内容や将来的なキャリアプランをチェックすることも忘れないでください。
転職活動の軸や将来的なキャリアプランがその企業で叶えられるかを判断することをおすすめします。
転職活動の情報収集のコツ2.業界の動向は必ず頭に入れておく
転職活動の情報収集のコツの2つ目は、業界の動向は必ず頭に入れておくことです。
自分の将来的なキャリアプランを実現するためにも、志望する業界の動向についてもあらかじめ理解しておく必要があります。
「現状その業界はどのような状態なのか(市場規模)」「将来的にはどうなることが予測されるか」「自分の志望企業の業界内での立ち位置」についてはとくに深く理解しておきましょう。
なぜその会社を志望したかといった質問は面接で頻出であるため、業界研究を行った上で競合比較と志望動機を明確にしておくことをおすすめします。
業界研究には新聞やニュース、会社四季報などの情報誌が役に立ちます。普段から新聞やニュースに目を通すことを習慣付け、転職情報誌などでさらに理解を深めるといいでしょう。
転職活動の情報収集のコツ3.自分に合った方法で応募する
転職活動の情報収集のコツの3つ目は、自分に合った方法で応募することです。
自己分析や業界・企業研究を終えたら、希望の求人を探し、実際に応募していきましょう。
企業研究の際に利用した求人サイトや転職サイトをそのまま利用するのもいいでしょう。転職サイトは各々強みがあるため、自分に合ったものを選ぶことをおすすめします。
個人で転職活動を進めることに不安がある場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントはキャリアコンサルタントが担当につくため、転職市場に詳しいプロから精度の高い情報を得られます。また、非公開求人の情報共有や自己分析のサポートも行ってくれるのもポイントです。
転職エージェントから直接求人に応募することもでき、面接後のフィードバックも貰えるため、より効率的に転職活動を行うことができるでしょう。
【転職活動のポイント】転職活動に必要な情報収集
- 求人情報や企業ホームページを通して企業研究をする
- 志望する業界の動向を把握する
- 自分に合った方法で実際に求人に応募する
転職活動の進め方STEP4:転職活動に必要な応募書類の作成
転職活動の進め方の第4ステップは、転職活動に必要な応募書類の作成です。
転職先を確定すると、次はマナーを守った履歴書・職務経歴書を書く必要があります。これらは、スッテプ2で行った自己分析やキャリアの棚卸しを完璧に行えていると頭を悩ますことなく書けるのではないでしょうか。
ではさっそく応募書類の作成方法について確認していきましょう。
転職活動に必要な応募書類は「履歴書」と「職務経歴書」
求人に応募する際、提出する書類は主に「履歴書」と「職務経歴書」の2つです。
職務経歴書はこれまでのキャリアを整理し、人事担当者に自分のアピールポイントを伝える役割を持つため、注力したいポイントです。
いくら優れたスキルを持っていても、自分の魅力を充分に伝えられなければ書類選考に通過できません。漠然と書き進めるのではなく、明確な目的意識を持ち、書類の質を高めて書くことをおすすめします。
職務経歴書の書き方は、編年体形式とキャリア形式の2つが一般的です。
それぞれ執筆内容の順序や文書のまとめ方が異なるため、自分にはどちらの書き方が向いているのか検討しましょう。
【転職活動のポイント】必要な応募書類
- 履歴書
- 職務経歴書
転職活動の応募書類は「読みやすい見た目」「書き方」を意識すること
転職活動の応募書類は、人事担当者が目を通すことを意識して、読みやすい書類を作成することを意識しましょう。
誤字や脱字に注意するのはもちろんのこと、改行や箇条書きを適度に盛り込むことで違和感のない文章作成をしてください。
職務経歴書は文章量が多すぎても要点が伝わりにくくなるため、A4用紙2〜3枚にまとめるのが基本です。
また、作成を進める際に重要なのは「面接で話す」ということを前提に記載することです。
自己PRなどの項目は結論を先に書き、具体的内容や補足を加えるといった順序を徹底しましょう。
職務経歴書の書き方が不安な人は「転職初心者も安心!職務経歴書の書き方マニュアル」を参考にしてください。 転職活動をする際に必ず必要になる「職務経歴書」。企業側に今まで行ってきた業務を伝える重要な書類です。本記事では、職務経歴書の役割から種類、作成の仕方まで詳しくご紹介します。採用の合否にも関わる書...【イチから丁寧に】職務経歴書の書き方フォーマット・8つのポイントを解説
転職活動の進め方STEP5:転職のための面接対策
転職活動の進め方の第5ステップは、転職のための面接対策です。
「応募に必要な書類を作成して後は面接だけ」と緊張の糸が切れそうになる人もいるでしょう。
しかし、転職の最後の砦が面接です。気を抜かずに面接の準備を進める必要があります。
転職活動における面接のコツ1.流れを把握し、想定される質問の回答を準備する
転職活動における面接の1つ目のコツは、流れを把握し、想定される質問の回答を準備することです。
面接は「自己紹介」「スキル・キャリアについての確認」「転職理由・志望動機」「質問」といった流れで進むのが一般的です。
人事担当者に効果的なアピールをするためには、この流れを把握した上で事前準備をしっかりと行う必要があります。
面接は基本的に応募書類の内容を元に進行するため、志望企業ごとに「どのような内容を書いたのか」を忘れずにチェックしておきましょう。
提出書類を余分に印刷しておき、面接直前に必ず内容を確認し、面接の受け答えが一貫した内容になるよう心がけることをおすすめします。
転職活動での面接の流れ
- 自己紹介
- スキル・キャリアについての確認
- 転職理由・志望動機
- 質問
転職活動における面接のコツ2.企業側に確認したい質問をまとめておく
転職活動における面接の2つ目のコツは、企業側に確認したい質問をまとめておくことです。
面接の最後にありがちな企業に対する逆質問の対策も忘れずに行いましょう。
逆質問で聞きたいことがいえなければ、会社について知らない・興味がないという印象を与えてしまう恐れがあります。
また、調べればすぐわかるような質問を聞くのは辞めましょう。
おすすめの逆質問は「自分の知っている会社の知識」+「深堀りする内容」です。この逆質問をすることで、会社を十分に調べていることを相手に伝えながらも、自分の知りたいことを知る利点があります。
転職活動における面接のコツ3.転職でも面接時のマナーは必ず押さえる
転職活動における面接の3つ目のコツは、転職でも面接時のマナーは必ず押さえることです。
転職活動における面接の際には、マナーに関しても人事担当者が目を光らせていることを念頭に置いておきましょう。
新卒での就職活動時には多少のミスならば寛容に見られることも多いですが、転職活動時には基本的なマナーは当然押さえているものだとして面接官も厳しく評価してきます。
「入室時のマナーの不徹底」や「ながら挨拶」といった失礼にあたる行為は、その時点で面接突破の可能性を潰してしまうことになりかねません。
そのため、必ず失礼のないようにマナーを徹底することを意識しましょう。
【転職活動のポイント】面接準備のコツ
- 面接の流れを押さえる
- 提出した書類をチェックする
- マナーに注意する
転職活動の進め方STEP6:退職準備をする
転職活動の進め方の第6ステップは、退職準備をすることです。
スッテプ6まで進むと、無事に転職活動を終えて安心している人も多いでしょう。しかし、うまく退職をできなければこれまでの転職活動が水の泡になってしまう可能性があります。
転職活動での退職準備のコツ1.退職の意思は直属の上司に伝えるのがベター
志望企業から内定が出た場合、次に行なうのは退職準備です。
退職の意思表示をする際には、まず始めに直属の上司に報告しましょう。
組織体系を無視し、先に人事部に相談することは失礼にあたり、話がこじれてしまう恐れがあるからです。無難に直属の上司に報告するのがベターです。
退職の意思を上司に伝える際、まずは「今後のことでお話がありまして、本日○○時からお時間を頂けないでしょうか」と1対1で話すアポイントを取りましょう。
上司と2人で話す際には「お世話になりましたが、○月末をもって退職をさせてください」と、これまでの感謝を伝えた上で報告を切り出すことが大切です。
曖昧な相談で終わらないよう、丁寧で落ち着いた言葉遣いで簡潔に報告することを意識しましょう。
転職活動での退職準備のコツ2.就業規則を確認し、退職報告の期日を確認する
退職の意思表示は法律で「2週間前」と定められていますが、会社独自の就業規則によって期日が定められているケースもあるため注意が必要です。
引き継ぎなどを考慮し、最低でも1ヵ月前には伝えるよう心がけることをおすすめします。
後任が決まらない場合には、上司にいったん引き継ぎ先になってもらうように相談しましょう。
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転職活動での退職準備のコツ3.引継ぎの準備を進める
また、後任の担当者がスムーズに業務に入ることができるよう、業務の流れや作業の要点などをまとめた「引き継ぎノート」や資料を作成しておくことをおすすめします。
以下の内容を引き継ぎノートにまとめておけば、会社への負担や引き継ぎミスといったトラブルを防ぐことができます。
- 業務の目的と会社内の位置づけ
- 業務の流れと各段階の作業手順
- 顧客企業・業者の情報(取引きの詳細、特徴について)
- 顧客企業・業者の連絡先(電話番号、アドレス、名刺の管理)
- 業務でミスが起こりやすいポイント・注意点
- 社内資料の保管場所
転職活動の進め方STEP7:入社準備をする
退職手続きを終えたら、転職先企業への入社準備を行っていきましょう。
雇用保険者証・源泉徴収票・年金手帳など、指定された書類は初出勤日に提出できるよう、日程に余裕をもって準備しておくことをおすすめします。
採用担当者と連絡を取り、就業規則や必要な予備知識の確認をしておくことも重要です。
入社後スムーズに業務に取りかかれるよう、必要な情報は頭に入れておきましょう。
- まず直属の上司に報告する
- 最低でも1ヶ月前に退職の意思表示をする
- 入社に必要な提出書類や備品を用意する
転職活動のスケジュールを事前に把握しておくことで、事前準備や内定後の手続きなどの混乱を防ぐことができます。ぜひスケジュールの確認・管理を徹底し、理想的な転職活動を進めてみてはいかがでしょうか。
転職活動の流れを把握し、逆算して転職開始時期を決めよう
- 求人数が増加するのは1~3月、次いで7~9月
- 自己分析は、転職活動の始まる求人増加の時期までに行う
- 転職活動の応募書類は「読みやすい見た目」「書き方」を意識すること
本記事では転職活動の流れをステップに分けて詳しくご紹介しました。
転職は、長い戦いなので最後まで気を抜かずに行うことが必要です。
転職活動の流れを押さえて、自分の理想の転職活動をしてみてはいかがでしょうか。
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