飲食店で、好きなメニューが突然リニューアルしてしまったときの悲しさったらない。
毎日外食はできないし、たまのご褒美で「よっしゃ飲むぜ」とお気に入りの店に行き、「よっしゃ頼むぜ」といつものメニューを注文したときに、前見たのと違うものが出てきたときの喪失感ったら。
私は好きな食べものへの執着がすごいので、ほかの人の倍は絶望していると思う。それが原因で泣くこともあるくらいだ(当然、酒は入っている)。
ここでは、毎回高円寺の好きな店について書かせていただいているが、今回はちょっと、ほとんど愚痴になってしまうかもしれない。
以前、熱を込めて紹介した「大将」という店がある。
やきとり大衆酒場「大将 三号店」
大将は、高円寺に3店舗ある大衆酒場。1977年創業で、365日、駅のロータリーから見える場所で焼き鳥を売っているので、高円寺民なら知らない人はいないだろう。
前に紹介したのは大将の一号店だが、実は一番足を運んでいるのは、この三号店だ。
三号店は、とにかく夏が似合う。外飲みできるスペースが広く、毎年、ビールケースを積んで作ったテーブルが並ぶ様子は見ていて心が躍る。三号店のために夏はくるし、夏のために三号店がある気さえしている。
が、そんなことより私は今、とても言いたいことがあるのだ。
……スタミナ胡瓜、なんで、この切り方にしちゃった?
スタミナ胡瓜は、夏にしかないメニューなのだが、これおそらく胡瓜を世界で一番おいしく調理してるだろと思うくらい最高の一品だ。
少なくとも私はスタミナ胡瓜を超える『〇〇胡瓜』はないと思ってる。あったら百万円払う、ローンで。
胡瓜に鶏ガラ風味のニンニクのタレがかかっているだけなのに、このタレがすごい。ニンニクがツブツブふわふわしていて、食べた瞬間「俺、ニンニク!」みたいにガツンと主張してくるのに、生ニンニク特有の舌に残る感じがない。
私はお腹が弱いので極力ニンニクは控えているのだが、これはたくさん食べても翌日、お腹を壊さない。そういうところも好きだ。
毎年、夏になると、店で注文するだけでは飽き足らず、テイクアウトもした。「宅飲みなのに『とりあえず一品』の欄からしっかりと飲み始めようとしてない?」という大将サイドの目なんか気にもならない。なぜなら、スタミナ胡瓜を愛しているから。
そして、2018、今年も夏がきた。
スタミナ胡瓜を食べに行った。胡瓜の切り方が変わっていた。
元々は、野菜スティックのように長細くカットされていたはず。これはふわふわのタレが絡みやすく、カリッと絶妙な歯ざわりで、大将の天才な側面が顕著に現れていたと思う。
それが今年はなんかラン切りかコナン切りかよう分からんけど、そういう切り方になっていた。タレは絡みにくく、一口が大きくなったので食べづらいし、箸でもつかみにくくなった。
悲しい。悲しすぎる。
玉露割り、380えん。大将はサービス精神旺盛なのでお酒はすべて濃い。味は相変わらずおいしくて、「ハァ、やっぱり大好き!」てなったけども、できれば、前の切り方に戻してほしい。毎日食べるのでお願いします。
マカロニサラダ、380えん。 スタミナ胡瓜の話だけでこの記事が終わってしまいそうなので、もう一品、三号店に来たら外せないものを。
通常、マカロニサラダといえば、ハムかツナが入っていることが多いが、三号店のマカロニサラダは、コンビーフがたっぷりと混ぜ込まれている。
コンビーフの塩気と肉の風味がクセになって、我が家のマカロニサラダもコンビーフを入れるのが定番になった。
スタミナ胡瓜とマカロニサラダと濃いめのお茶割りでだいたいのことはギャグに感じるので、なにか辛いことがあればこの3点セットを注文したい。
もちろん焼き鳥もいける。大将の焼き鳥のタレは甘みが少なく、醤油の塩気がしっかりしているのが特徴である。
お酒が入った体にちょうどいい塩梅に作られているなあと思う。つい二軒目に寄りたくなる味だ。
高円寺はいい飲み屋がたくさんあるので、同じ店ばかり行くのはもったいない気がしてしまうけれど、結局、大将が好き。
あといい加減、店員さんが着てる「大将Tシャツ」欲しい。
引き続き、日本の胡瓜の消費量を底上げしようと思う。
今夏もよろしくお願いします。
「大将 三号店」
電話:03-3338-0323
住所:東京都杉並区高円寺北2丁目9-6
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