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- +牛の四文屋「牛八」
さらりと難なく文章を書けた時、その大体は見覚えのあるフレーズになってしまっていることが多い。
これは自分の引き出しが少なすぎるせいもあるのだけど、「あれ?なんか聞いたことある」と思って、どこかで見た表現を堂々と書いてしまった自分に少し恥ずかしくなる。
それで言うと、食べ物に対する良い表現はもう出尽くした気がしている。
「えびはプリプリで美味しい」「カレーパンの外はサクサク、中はふわふわ」「肉汁はジュワッとジューシーで」。言いたい。どれも絶対的に美味しそうだし、ついついそらで書きたくなってしまう。
今までにない表現をしようとすると、陥ってしまうのがコメントのソムリエ化だ。「大地にそよぐ風のような爽やかな後味」「シルクを撫でているような口当たり」とかとか。
今の知識のまま100年くらい前にタイムスリップしてみたい。100年前に「外はパリッと中はトロッと」「日本酒はメロンのようにフルーティ」とか言えたらヒーローになれたと思う。大声でサザンの「TSUNAMI」や福山雅治の「桜坂」のメロディーを口ずさんで「あいつの鼻歌はちょっとレベルが違う」って言われたかった。
そんなことを願っても叶うことはないので、今日も先人たちの言葉を借りながら書くのだけど、奇を衒った表現をしようとしてソムリエみたいになったらごめんなさい。
今回は「ガム噛んでるみたい」「飲み込むタイミングが分からない」と1兆回くらい表現されてきたであろうあの食材が美味しく食べれるお店を紹介します。
※これは高円寺の好きなお店を紹介する記事です。
牛の四文屋「牛八」
高円寺駅から徒歩2分、「高円寺ストリート」と呼ばれる阿佐ヶ谷方面のガード下の中。
「四文屋」と聞いて、ピンと来る人もいるはず。中央線沿いに多くチェーン展開する大衆居酒屋で、安い・旨いを叶えるためファンも多い。
高円寺には、高円寺店、高円寺北口店、魚の四文屋、牛の四文屋、ちょっと歩けば新高円寺店の計5店舗もある。お隣の阿佐ヶ谷や中野にもあるので、周辺に住む飲兵衛にとってはほぼコンビニみたいな存在です。
鶏や魚など店舗によって扱うメニューはさまざまですが、ここ「牛八」は文字通り牛の専門店。ゆえに、メニューはどこまでも牛。
牛。
煮込みやステーキもいいけれど、ここで頼みたいのはやっぱりホルモンでしょう。
“一生食べれるホルモン”ことミノ。脂が少なく、ざくざくと噛み切れるので、「飲み込むタイミングが分からない」とホルモンを遠ざけている人にとっても食べやすい部位。
「ミノは好きやけど、もうちょっとガツンと食べたいよ」という人には、ミノサンド。ミノの身の間に脂身が挟まった部位で、しっかり油分を感じつつミノの歯切れのよさもある。
シマ腸、200えん。ビール専用ガム。シマ腸はどこまでも噛めてしまうので、これは脂のうまみがあるうちにビールできゅっと流しこもう。
黒ビール、350えん。香ばしい黒ビールはこってりしたホルモンにも負けない。 牛八は冷製肉も最高なのです。上ミノも刺身で食べられる。
さくっとした食感で臭みはなく、とても澄んだ味。もみじおろしをつけていただけば、ふぐみたいな贅沢さがある。
なんだって「刺身で食べるとウマいよね」と言えば、食通っぽい雰囲気が出る気がしている。鯖って刺身で食べるとウマいよね。秋刀魚も刺身で食べるとウマいよね。
ここまでトントンと紹介してしまったけれど、一回深呼吸して語りたいのがこの冷製レバー。
特別な加熱法で調理しているようですが、今はなきレバ刺しにも、焼きレバーにもない食感。念入りに裏ごしして、再度成型しなおしたのではないかと思うようななめらかさ。しっとりしていて、口に入れると溶けてなくなる。大変儚い。
金宮梅割、350えん。なみなみ注いでくれる(が、ちょっと飲みました)。 ひと通りつまみを楽しんだら、“キンミヤ梅割り”を。
デザートのような甘さだが、これも焼酎。機嫌良く話をしながら飲めば、あっという間にほろ酔う。気を許した人と飲みたくなるお酒である。
「牛八ハイボール」は、この梅割りと同じシロップを使ったハイボール。
焼酎が苦手な人は牛八ハイボールで、なんでも飲みやすくしてしまうこの梅シロップの魔力を体感できる。
ちなみに、有名なホルモンがホルモンと呼ばれるようになった由来は、本来は食さず捨ててしまう部位だったことからくる「放るもん(ほうるもん)」だという説は、誤りらしい。※諸説ある。
放るもん、だからホルモン。
この説は普及したのに、ロースとかカルビとか「食うもん」である部分がクモンにならなかったの不思議。語源って適当すぎ。ロバートがボブって呼ばれるくらい意味が分からない。
牛八、とてもおすすめです。
「牛の四文屋 牛八」
電話:03-3310-0555
住所:東京都杉並区高円寺南3-69-1(高円寺ストリート3番街)
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