今年のアカデミー賞を制した「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ監督が溢れる“日本愛”を注入した前作「パシフィック・リム」から5年。
待望の第2弾「パシフィック・リム アップライジング」はクライマックスの舞台を富士山に設定する等、一層日本フレンドリーなSFロボット・アクションとしてファンの前に提示される。
「ゴジラ」に代表される日本の特撮映画に造詣が深いことで知られるデル・トロが、太平洋沿岸に出現した凶暴な怪獣「KAIJU」と、巨大メカロボット「イェーガー」との死闘を描いて、全世界の怪獣マニアを驚喜させた前作から、時は流れて10年後の世界。KAIJUを一掃して一度は平和を取り戻した人類に再び危機が訪れる。
待望の続編は青春群像劇でもある
なんと、環太平洋防衛軍が誇るイェーガーの前に、正体不明の新型イェーガーが立ちはだかったのだ。まるでそれと呼応するように、再び姿を現したKAIJUによって都市は破壊され、世界に危機が訪れる中、イェーガーに搭乗した若きパイロット訓練生たちは、果たして、人類の未来を賭けた戦いに勝利することはできるだろうか?
そんな導入部で始まる続編は、必然的に、前作で活躍した司令官ペントコストの遺児ジェイク(「スター・ウォーズ╱フォースの覚醒」で一躍スターになったジョン・ボイエガ)を中心に、相棒のパイロット、ネイト(クリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッド)や日本人パイロット候補生リョーイチ(本作でハリウッドデビューを飾る新田真剣佑)たちが織りなす“青春群像劇”として展開していく。
前作に続いて菊地凛子が環太平洋防衛軍の高官、森マコ役で続投していることも付け加えておきたい。
ガジェット類は前作を超えるクオリティ
勿論、ガジェット類は前作に比べて遙かにアップデートされている。
若きパイロットたちが操るジプシー・アベンジャーが迎え撃つ、両手にチェーンソードを備えた謎の新型イェーガー、オブシディアン・フューリーの恐るべき機動力、そして、地球や他の惑星をテラフォーミング(人為的に改変すること)するようプログラムされたKAIJUの進化の度合い……etc。
また、ジプシー・アベンジャーが攻撃されると3Dホログラムがコックピット内に表示され、パイロットたちが直接対処できるのも、前作にはなかった新システムだ。
映画の公開を前に、ガンダム、仮面ライダー、ウルトラマン等、人気キャラクター商品を展開する老舗のゲームメーカー、バンダイからは、最新作のオブシディアン・フューリーを始め全3体が同時に店頭発売される。興味のある方は覗いてみてはいかがだろうか。
なぜ、舞台は東京でなくてはいけなかったのか?
近未来のL.A.に始まり、オーストラリア各地、中国、シベリアと移行する物語の舞台は、怪獣発祥の地、東京から富士山へと移行して怒濤のクライマックスを迎える。
デル・トロから監督を受け継いだスティーヴン・S・デナントはその理由を以下のように説明している。「私は日本の怪獣映画を観て育った。その時の思いを作品に反映させたかったから、最終決戦の地を東京したよ!」と。
つまり、続編の監督もデル・トロに負けず劣らず怪獣マニアだったという訳。そんな熱い思いが映像として結実したのが、「パシフィック・リム アップライジング」なのだ。
【作品情報】
「パシフィック・リム : アップライジング」
4月13日(金)全国ロードショー
配給:東宝東和
©Legendary Pictures/Universal Pictures
©Legendary 2018. All Rights Reserved.
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう