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高松雄康×本間真彦 対談「オープンエイト創業の想いとこれから目指し求めていくこと」前編

U-NOTE編集部

2018/03/31(最終更新日:2018/03/31)

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高松雄康×本間真彦 対談「オープンエイト創業の想いとこれから目指し求めていくこと」前編 1番目の画像
(写真右から)オープンエイト代表取締役社長兼CEO高松さん、インキュベイトファンド代表パートナー本間さん

2015年4月に創業したオープンエイト。近年急激に成長している動画市場において、マーケティング事業とメディア事業を軸に拡大を続けています。

今回は、オープンエイト代表取締役社長兼CEOの高松さんがオープンエイトを創業した時のことを振り返りながら、今後目指す領域や組織的な戦略、採用にかける想いなどをインキュベイトファンド本間さんとの対談形式で前後編に分けてお伝えします!

高松雄康プロフィール

株式会社オープンエイト 代表取締役社長兼CEO
1996年、株式会社博報堂に入社。主に大手自動車メーカーのキャンペーン全般を担当。2005年より、日本最大級の化粧品クチコミサイト@COSMEを運営するアイスタイルで取締役兼COO(最高執行責任者)、CMO(最高マーケティング執行責任者)などを歴任。また関連事業を運営するコスメコム、コスメネクスト、アイスタイルグローバル(シンガポール)のCEOとして国内外の化粧品関連事業を統括し2012年に東京証券取引所1部に上場。2015年4月株式会社オープンエイトを創業。

本間真彦プロフィール

インキュベイトファンド代表パートナー
ジャフコの海外投資部門にてシリコンバレーやイスラエルのネット企業への投資、JV設立、日本進出業務を行う。2007年にコアピープルパートナーズを設立し代表パートナー就任。gumiやポケラボの設立期、創業期での事業投資育成を行い、大きく成長させる。主な投資先として、bitFlyer、Medley、Origamiなどがある。

二人の出会い

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本間:高松さんと最初に出会ったのは、たしか5-6年前にシンガポールの中華料理屋で食事をしたのが始まりだったように思います。

高松:そうですね。僕がまだアイスタイルにいた時に、東南アジアに拠点を立ち上げるために、共通の知人経由で食事をしたことがきっかけだったと思います。もう5年以上も前ですか。

本間:その時はまだオープンエイトはないので、アイスタイル役員の高松さんとして会いましたね。

高松:その当時本格的に海外進出を考えていたので、東南アジアの市況に詳しい本間さんに色々と話を聞こうと思っていました。ただ、その後は仕事の話といよりは一緒にバーベキューをしたりサッカー観戦をしたりという付き合いが増えていったように思います(笑)

本間:まだ何か仕事を一緒にしているわけではなかったので、どちらかというとプライベートでよく話をする仲間という関係でしたね。きちんと仕事で関わるようになったのはそれから2年ほど経ってからですよね?

高松:はい。そのくらいの頃から徐々に起業することを考え始め、その時頭の中にあった事業構想を本間さんに軽く相談したところ、ものの見事に一蹴されたことを今でも覚えています。それまでは仕事仲間ではなくあくまでも友人関係だったので、具体的な仕事の相談をしたのはそれが最初だったはずですね。

本間:いや、さすがに一蹴はしてないと思いますが(笑)ただ、たしかその時の話ではコンシューマー向けのサービスアイデアがいくつかあったと思いますが、それらのビジネスモデルは単純に高松さんにはもったいないと思ったことを覚えています。

若者が起業する際のサービスアイデアとしてなら理解できるのですが、高松さんのように豊富なビジネス経験のある方であれば、これまで培ってきたものを最大限活かしながら、フルにレバレッジをかけたようなビジネスモデルが理想的ですよねというような話をしたはずです。

自分だからこそできるビジネスとは

高松:そうです。それからは自分らしい事業を追求するために、色々なアドバイスをもらいながらビジネスプランを組み立てていきました。

本間:それからオープンエイトの事業の原型となるようなアイデアになるまではどのくらいかかりました?

高松:たしか1年くらい考えたはずですね。

本間:色々なアイデアが生まれては消えという感じだったと思いますが、最終的にまとまったビジネスプランはこれまでの経験や人脈を活かして、女性をターゲットにした広告ビジネスのモデルだったので、最初聞いた時には「この事業を高松さんがやったら勝つな」というイメージがわいたことを覚えています。

高松:自分としても納得感のあるビジネスモデルではありましたが、もしこれで新しく事業を始めるのであれば本間さんから出資を受けて一緒に仕事をしたいとも思っていました。

本間:率直な疑問なのですが、なぜそう思っていただけたのですか?

高松:本間さんは年代が近くプライベートでも仲が良かったこともありますが、何よりアドバイスが的確でした。ファイナンスに精通していることはもちろん、様々なビジネスモデルを熟知している。本間さんと組むことによって、ファイナンスの成長部分に関しては、間違いなく任せると思いました。そういう意味では、今でも経営者とVCはお互いの信頼関係が全てだと考えています。

本間:ありがとうございます。少し恥ずかしいですね(笑)

高松:逆に本間さんはどういうスタートアップに投資したいと思いますか?

本間:ポイントは色々とありますが、全体に共通して言えることは、ポテンシャル含め大きな市場において将来起こりうる変化を見据えてビジネスが設計できている会社です。

高松:今注目を浴びているWeb業界のベンチャー企業にも共通しているところかもしれませんね。

オープンエイトの事業の原点

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本間:最初に高松さんから事業方針やビジョンについてのプレゼンを受けた時、僕らの投資委員会メンバーからは一切異論が出ずに5分くらいで終わったはずですが、それはそのポイントを抑えていたからだと思います。あの時のお話をあらためてしていただけませんか?

高松:これは今でも思っていることですが、これまでのインターネットビジネスは検索主導型で目的志向の強いユーザーに対する課題解決サービスが中心ですよね。

例えば、焼肉が食べたいと思いインターネットで検索してとあるグルメサイトに辿り着きそこからお店を予約するようなイメージです。

しかし、スマートデバイスやソーシャルネットワークの登場によって、インターネットビジネスの在り方は変わってきました。変化のポイントはいくつもあると思いますが、僕がその流れの中で注目したことはまだ目的が明確でないインターネットユーザーに対してのアプローチです。いまだにテレビや雑誌などが強いとされているこの領域こそイノベーションの可能性があると考えました。

本間:たしかにそのゾーンはポテンシャルの大きな市場だと思います。

高松:これまでの検索主導とはまた違う新しい市場ができるだろうという仮説やビジョンを軸に、自分たちのサービスで本当にユーザーの心を動かすことができるのか、それに挑戦したいと思ったことがオープンエイト創業の根底にある想いです。

本間:あくまでも「動画ありき」で考えたわけではないということですね。

高松:結果として動画ビジネスに行き着いたという感じです。繰り返し何度もテストをしてみて、動画はユーザーの心を動かすことができるかもしれないと判断しました。オープンエイトのミッションは昔も今も「ユーザーの心を動かす体験を創り続け、快適な情報流通を提供する」です。その実現のために注目したのが動画でした。なので、動画アドネットワークから事業をスタートさせ、そして今の動画メディアであるルトロンに繋がっています。

本間:ビジネスモデルの組み立てももちろんですが、オープンエイトが他のベンチャー企業と違う点は、高松さん自身のその圧倒的に豊富なビジネス経験だと思います。いわゆるタイムマシン経営というか博報堂とアイスタイルでの成功や失敗を元に、このビジネスを進めるにあたり何が必要か、超えるべきハードルとなる部分はどこか、どういう組織を作らないといけないか、など事業を推進するために先回りで仕組み化できているという点です。

一般的なベンチャー企業だとどうしても走りながら考えるということになりがちですが、オープンエイトの場合は物事を逆算して仕組み化してから、あとはやるだけという体制を設計できるという点が非常に強いと思います。

高松:あらためてそう言われると、たしかに世の中的にはあまり多くはないタイプのベンチャーかもしれませんね。

ユーザーにとって本質的な価値とは

本間:あともう1つ、プロダクトに対しての考え方がとてもピュアであるということもオープンエイトの特徴だと思います。 

VCから出資を受けているスタートアップは数字を追い求めるあまりビジネスの設計が雑になってしまうこともあるのですが、高松さんは良い意味で頑固というかユーザーに支持されるものを作らないと中長期的な成長はないという経験則に基づいているので、純粋に優れたコンテンツを追求することが自然に染み付いています。 このあたりも一般的なベンチャー企業とは異なるポイントかと思います。

高松:その点は本当に重要だと思っていまして、例えば、単純にユーザーを増やすことだけを考えたら、資金を集中して投下すれば一時的には達成させることもできるかもしれません。実際、創業して数年のIT企業がCMをバンバン打つことも珍しくない時代ですし。 ただ、お金で買えるものとそうでないものは間違いなくあって、それこそ今は動画メディア市場を賑わせている会社はいくつもありますが、最終的に生き残ることが大切なわけで、そのためにはユーザーに対して本質的な価値を提供し続けないといけないと考えています。

後編に続く)

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