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【書き起こし】2018年世界経済フォーラムでジャック・マーが語った8つの哲学(後編)

森澤

2018/02/17(最終更新日:2018/02/17)


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出典:www.weforum.org

 ジャック・マー(馬雲)氏は、アリババグループの創業者である。彼は様々な苦難を乗り越え、成功にのし上がった、チャイニーズ・ドリームの体現者だ。

 2018年1月23日から26日にかけて開催された世界経済フォーラムに、マー氏は出席した。

 前編では、彼が同所で語った5つの哲学「人が各年代ですべきこと」、「CEOに必要な性質」、「自分よりも有能な人を探すこと」、「他者の失敗から学ぶこと」、「IQ、EQ、LQの役割」を紹介した。

 後編では、「周囲にかなわないとき」、「現代教育の問題点(注力すべき分野)」、「グローバル化の改善」について語られる。

「今ではなく、10年後の自分で勝負する」

マー氏:私は、かなり貧しい家庭に生まれました。まともな教育をうけることもできず、ほとんどの試験では落第しました。

技術も財産も持たず、裕福な叔父を持たない私が、唯一周囲と対抗できたのは、10年後の自分です。10年後の目標を掲げ、その実現を確信していれば、そのためにすることすべてが、準備となります。

翌月の自分で勝負したら、負けることは目に見えていましたからね。

「現代教育の問題点」

マー氏:現代の教育は、大きな問題を抱えています。教育方針を変えないと、30年後には、大変なことになっているでしょう。

子供たちが受けている教育の基盤は、200年前から、何一つ変わっていません。つまり、知識に基づいているのです。機械に対抗するような教育は、できません。知能では勝てないですからね。

機械では到底追いつくことのできない、ユニークな分野を教えなければなりません。

注力すべき分野

マー氏:価値観、信仰、自立型思考、チームワーク、そして、隣人愛について、教えるべきです。これらは知識からは学ぶことができない、人間性の領域です。

ですから、我々が注力すべきは、スポーツや音楽、美術の教育です。教育内容は、機械が持つ能力と異ならなければなりません。

機械に負けるようなら、考えなければなりませんよ。

「グローバル化の改善」

マー氏:グローバル化の勢いが止まることはない、と私は考えています。誰にも止められないのです。

だって、誰も貿易を止めることなんて、できないのですから。貿易の終わりは、戦争の始まりを意味しています。

貿易は、戦争の原因ではなく解決策です。過去30年において、グローバル化の成果はすばらしかった。それは数多くの国々を豊かにしましたが、同時に、多くの問題を生みました。

若者や小規模なビジネスには、チャンスが与えられず、発展途上国は黙殺されました。

しかし、たった30年です。まだまだ、発達段階にいます。向上しなければなりません。

グローバル化を殺すのは、簡単です。ほとんどの場合において、殺す方が改善よりもはるかに容易なのです。

私は、グローバル化の向上に貢献するのが、現代を生きる我々の使命だと信じております。我々は、より優れた技術が与えられていて、グローバル化についてもっと知っているのですから。

それを向上するのは、我々の世代の義務であり、チャンスなのです。


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