HOMEビジネス 【書き起こし】2018年世界経済フォーラムでジャック・マーが語った8つの哲学(前編)

【書き起こし】2018年世界経済フォーラムでジャック・マーが語った8つの哲学(前編)

森澤

2018/02/16(最終更新日:2018/02/16)


このエントリーをはてなブックマークに追加

【書き起こし】2018年世界経済フォーラムでジャック・マーが語った8つの哲学(前編) 1番目の画像
出典:www.weforum.org

 ジャック・マー(馬雲)氏は、かつて、「アジアで一番裕福な男」に輝いた男である。1999年、彼は、中国の大企業アリババグループを創業した。現在は、CEOから退任し、同社の会長を務める。

 しかし、マー氏の人生は、決して成功ばかりではなかった。彼はかなり貧しい家庭に生まれ、成績は落第点ばかり。大学受験、就職活動に至っては、ハーバード大学に10回落とされ、KFCや警察で唯一の不採用者だった、とのちに語る。

 そんなチャイニーズ・ドリームを実現したマー氏は、2018年1月23日から26日にかけて執り行われた、世界経済フォーラムに出席した。本稿は、2018年世界経済フォーラムでのジャック・マー氏のハイライトを書き起こしたものだ。

 前編では「人が各年代ですべきこと」、「CEOに必要な性質」、「自分より有能な人物を探すこと」、「他者の失敗から学ぶこと」、「IQ、EQ、LQの役割」が説明される。

「人が各年代ですべきこと」

マー氏:私の考える、各年代の役割は、こうです。

20歳から30歳の間は、よい企業に就職し、優れた上司のもとにつきましょう。物事の正しい方法を学ぶためです。

30歳から40歳の間で、したいことがあるなら、すぐに実行しましょう。この歳なら、失敗しても、なんとかなります。

しかし、40歳から50歳になると、得意なことをするのをお勧めします。興味を追求したり、新しいことを始めるのは、やめましょう。危険です。

50歳から60歳の間は、次世代である若手の育成と教育を手掛けましょう。

60歳を超えたら、お孫さんとの時間を大切にしましょう。

「CEOに必要な性質」

マー氏:私がCEOになるなんて、まったく予想していませんでした。のちに、優れたCEOと言われるなんて、もってのほかです。

私が得た教訓の1つは、教師にありました。

教師として、とても大切な性質は、生徒の成長を信じることです。

「この生徒は銀行員になってほしい。彼は市長で、彼は科学者に向いてるかな」――これは教師にとって、一番のことです。

このような考え方が欠けていると、粗末で、無能な指導者になってしまいます。

「自分よりも有能な人物を探す」

マー氏:技術や経営について、当初はまったくの無学でした。

実を言うと、多くの分野に精通する必要なんて、ないのです。自分よりも優れている人物を探せばいいのですから。

私の第一歩は、コンピューターの知識が自分より優れている人物を探すことです。経理についても、一緒です。

長い間、私は、自分よりも秀でている人間を探してきました。

多くの有能者が集まったら、彼らが一緒に働く環境をつくるのが、私の仕事です。そして、有能者たちが共同作業ができれば、あとは簡単。彼らは、同じ目標に向きます。




「他者の失敗から学ぶ」

マー氏:他者の失敗から、学びましょう。

どれだけ賢くても、失敗は避けられません。ですから、失敗を避けるためではなく、対処法を知るために、他者の失敗から学びましょう。

「IQ、EQ、LQが持つ、それぞれの役割」

マー氏:成功するには、高いEQ(感情指数)が必要です。成功を維持したいなら、高いIQです。

しかし、周囲から尊敬されたいのなら、高いLQを持ちましょう。LQとは、愛の指数のことです。

(後編につづく)

hatenaはてブ


この記事の関連キーワード