従業員が目的意識や意義を持って働いているか否かは、企業の成功に大きくかかわってくる。つまり経営者およびリーダーたちは、従業員が仕事への意義を見出しているかどうか、常に注意を払い、促進しなければならない。
米国で2番目に大きなブティックホテルを経営するチップ・コンリー氏の会社Joie de Vivreは、ITバブルの崩壊を受けて総従業員が1,200名に減ってしまう。そこで経営者である彼は、1,200名の従業員へ労働に見出している意義を尋ねることにした。
ベテランホテル経営者のチップ・コンリー氏は、「従業員に目的・意義を与える方法」を語る。今回は、新たなビジネスアイデアを提供するWOBI社による『従業員に労働意義を与える方法』を書き起こす。
「ビジネスで最も忘れられている要素は我々が人間であること」
※0:18~3:28より抜粋
コンリー氏:なによりも、私は1つのあるキーレッスンをみなさんに持ち帰っていただきたい。それは「ビジネスにおいて最も忘れられている要素は、我々が人間である」という事実。一度“人間”を理解すれば、あなたはすばらしいリーダーになれる。
従業員に目的を問うような企業をつくってみてはいかがだろうか。私たちがしたのは、まさにそれだ。ITバブルの崩壊を受けて、1,200名になってしまった従業員の仕事への意義を学ぶワークショップを連続開催した。
彼らは人生になにを求めているのか。進行役を招いて手伝ってもらったわけだが、我々が学んだのは、ハウスキーパーが人生に求めるものと、バーテンダーが人生に求めるものはまったく異なっている、ということ。
両者とも私の会社で働いているのに、人生の目的が違う。そして彼らは別々の仕事への意義を見出している。
ハウスキーパーから学んだのは、ハウスキーパーは同僚ハウスキーパーたちと繋がることが大好きであること。これは90%のハウスキーパーがアメリカ合衆国で生まれたわけではなく、移民の人が多く英語は第二ヵ国語だったため。
彼らは毎週ホテルで他のメイドやハウスキーパーたちとポットラック(参加者がそれぞれ料理を持ち込む食事会)をし、故郷の食をシェアするのが大好きだったんだ。そこで、それを手伝いをした。
ここから学んだ教訓は、人には仕事への意義と、仕事での意義があるということ。
「仕事への意義」を与える方法
コンリー氏:私が3年余り前に参入したAirbnb社は、仕事での意義があった。Airbnb社の目的は大きく2つだった。
1つ目は世界中の家を開放することによって、人々がホストや宿屋になることによっておもてなしの心を普及すること。それに加えて、ゲストの人々がどこにいてもアットホームに感じてほしかった。
我々のテーマは人々がどこにいてもアットホームに感じられるよう、手助けをすること。ゆえにAirbnb社に参加したときにとても明確だったのは、我々は仕事でとても強い目的意識や意義を見出していたこと。
しかし、仕事への意義は薄かったんだ。仕事での意義は、企業の目的。仕事への意義は、自身の影響力や個人的な目的。
自社のJoie de Vivre社から学んだのは、全従業員から目的を聞き、目的と仕事をつなげる手助けをしたり、彼らの業務の影響力について理解してもらうことは、かなり重要であること。
私がJoie de Vivre社から学んだことを結局、Airbnb社に持ち込んだ。意義をつくる方法の1例として学んだのは、従業員に彼らの仕事について話したり、顧客を招いて彼らの体験を話してもらうことだ。
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