タリアトーレとラルディーニ。どちらも現在のジャケット人気を牽引してきた2トップブランドだ。
何より両ブランドに共通するジャケットには、ブランドを象徴するアイコンがある。この流れは定着し、他ブランドも追随するようになった。細やかな箇所での工夫と洒落心が、それぞれの個性となり、ファンを魅了し続けている。
「タリアトーレ」&「ラルディーニ」大研究
Tagliatore/タリアトーレ
カリスマの独創性がジャケットの可能性を広げる
羽織れば誰でも美シルエットに色気が漂う
体に吸い付くような美デザインの6ボタン、2パッチポケットの定番「モンテカルロ」。ボタンを留めるとウエスト位置がやや高めに設定されていることが分かる。これは美しいシルエットの秘訣。太ラペルの表情も貫禄が漂う。
ひと目で分かるタリアトーレ
メタルのアイコンで艶ジャケットブランドの地位を不動のものに!
1998年に南伊のプーリアで創業。こちらも近年お馴染みとなるアイコンとして、ラルディーニ同様に浸透してきたラペルピン。デザイナーであるピーノ・レラリオ氏らしいユーモア溢れるアイコンだ。メタルのシルクハットが目を引く。
自ら生地を企画するほどの表現力へのこだわり
ブランドの顔はこのお方
オーナー兼デザイナー
ピーノ・レラリオ氏
今季はジャケットならではの個性派生地が充実
バーニーズ ニューヨークでは艶気のある色柄ヘリンボーン推し!
「ざっくりとした太いヘリンボーン柄が色気を主張します。定番紺に旬のブラウンという配色のバランスもタリアトーレならでは」(メンズPR 新井慶太さん)
ビームスでは起毛感のあるファンシーチェックが豊富
高いクオリティの仕立てや縫製を背景に、オリジナリティ溢れる生地使いでテーラードの新たな可能性を生み出したといえます」(プレス 小林順平さん)
Lardini/ラルディー二
ベーシックの中に潜む程よい色気を味わう
ウール100%のバスケット織りの生地を使って仕立てた定番モデル。3つボタンのノッチトラペル、2パッチポケット仕様で、丸みのある美しい袖付け、ブレスト部分のボリューム感は他では見られない完成度の高さ。
ひと目で分かるラルディーニ
フラワーのアイコンでジャケットを装う楽しさを再認識させた
1978年イタリア・アンコーナで創業。フラワーモチーフのブートニエールでジャケットに“華”を添えた火付け役。ラルディーニのジャケットが堅苦しくなく、遊び心を持って楽しめることの象徴として世界中で知られるようになった。
直営店ができるまでにビッグブランドとして成長
元々は、有名ビッグメゾンブランドの製品を仕立てていたファクトリー。黒子的存在だったが、今や、世界ブランドとして異例の成長を遂げ、日本にも直営店をオープン。
ブランドの顔はこのお方
クリエイティブディレクター
ルイジ・ラルディーニ氏
今季は日常使いしやすいコンフォート生地が充実!
ストラスブルゴではリラックス感あるニットジャケットに注目
「ニットジャケットでありながらラペルはキチンと成形され、上品さは保持。全体的に程よいフィット感が得られ、短めの着丈とも相まって、軽やかな印象です」(PR 杵淵元樹さん)。
エストネーションではきちんと感重視のストレッチウールが人気
「パッと見はベーシックな色柄のジャケットでも、素材使いが秀逸。快適さを追求する日本のビジネスマンに向けたモデルが増えています」(プレス 宮田祐哉さん)
[MEN'S EX 2017年11月号の記事を再構成]
撮影/若林武志〈静物〉 スタイリング/四方章敬、宮崎 司(CODE) 構成・文/伊澤一臣 文/吉田 巌(十万馬力)、安岡将文
※表示価格は税抜き
参考記事:【“着回し力”で選ぶジャケット&パンツ】「タリアトーレ」&「ラルディーニ」大研究
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