買ってから「失敗した!」とならないために
クラシックなスーツが見直される中、タイト過ぎないフィッティングが重要だ。日本人の体型を熟知した平峯 翔さん(リングヂャケット マイスター青山店 店長)に上質なスーツの見極め方、そして、適正なサイズ感を教えていただいた。
Check Point 1:置いても自然な立体感があるか?
アイロンワークがしっかりしたスーツは立体感がある。台などに平置きにしてもその立体感をキープしているものが望ましい。
1.要所に適度な立体感があるか?
肩周り、ヒップ周りなど、全体に自然な丸み、ふくらみがあるとフィット感が高まる。さらに肩や腿の可動域も広がり、着心地もよくなる。また、スーツの顔でもあるラペルの返りが立体的だと全体の見栄えがする。
2.柄合わせに配慮がなされているか?
造り手の美意識が細かい所まで行き届いているかもスーツの良し悪しを決めるポイントだ。それを判断するには柄スーツを見るとよい。ラペルや身頃と各ポケットとの柄がぴたりと合っていれば、作りのよいスーツだ。
3.上襟がしっかりカーブしているか?
Check Point 2:上着が身体に合っているか?
体を細く見せるため無理なタイトフィットを追求すると、余計なシワやいびつなシルエットを生み、却って不恰好なので要注意だ。
前を開けたとき丁度いいスキ間ができているか
肩がきちんと乗った状態で、ボタンを開けた際に左右の身頃が均等に開き、さらにその幅が3cm程度であれば、理想のサイズといえる。また程よいドレープがありつつ、スーツの柄がゆがんでいないのが理想。
こんなシワ&乱れがあったら要注意
前身頃の生地が足りないと、上下左右に引っ張られたり、肩周り、背中にいびつなシワができたりする。
また、胸周りの肉付きが良い人だと、ラペルがL字に折れ曲がって(“笑って”)しまう
体に合っていない服は体型管理ができていないようで、だらしなく見えるのだ。
Check Point 3:パンツがタイトすぎないか?
足をスリムに見せるテーパードは大切だが、タイトすぎると動きにくく、体の凸凹が出すぎて美しくない。程よいゆとりが大切だ。
ヒップトップから自然なテーパードで落ちている
パンツを着用した際に大切なのが腰周り・太腿周り(ワタリ)に適度な余裕があること。これによって、クリースラインも引っかかることなく、お尻から裾にかけてストンと下に落ち、細くなる自然なラインが生まれるのだ。
スリムに見せるつもりが、逆効果に…
パンツをピタピタに穿いてしまっては、お尻、太腿、ふくらはぎ周りにゆとりが全くなく、動きづらい。
さらに、余計な横ジワやふくらみが悪目立ちしパンツ本来のシルエットを崩してしまう。これではかえって、ビジネスに必要な端整なイメージから遠ざかってしまう。適度なゆとりが美しいシルエットには不可欠だ。
座って立つとヒザ周りに生地がたまってしまう
腿周り、ふくらはぎ周りに遊びの余裕がなくなってしまうと、座るだけでも窮屈だ。さらに、立ち上がった瞬間、パンツの生地が下に自然と落ちてくれず、引っかかって余計にシワが増えてしまい不恰好な印象になってしまうので注意したい。
[MEN'S EX 2017年4月号の記事を再構成]
撮影/岡田ナツ子 取材・文/MEN'S EX編集部
参考記事:リングヂャケット マイスター青山店で店長に聞いた『これだけはチェックしたい、店頭での賢いスーツ選び 』
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう