リアルビジネスマン事情をふまえた『感じがいい』スーツとは?
「ビジネススーツは色柄もデザインも控えめなものに限られますが、その中でもどこか"感じよく"見える人がいるのには理由があります。
まず大基本は適正なフィット。きちんと体に沿っていないと、せっかくスーツを新調しても印象アップの効果は薄いでしょう。
またラペルの幅やパッドのありなし、股上の深さといったデザインも、私どもはお客様とお話ししながら、その方を最も魅力的に見せるものをおすすめしています」(麻布テーラー みなとみらい店 店長 河野淳紀さん)
ジャストフィットの基準10項目を確認しましょう
「似合う」の第一歩は適正フィットから!
ジャストフィットの基準となる10項目を順番に確認しましょう。
【1】襟が首~胸に沿っている
「写真のように襟が浮いてしまっているのは、ジャケットがタイトすぎる証拠。上襟が首に、ラベルが胸のラインにぴったり沿っているのが正しいフィットです」
【2】肩口にシワがない
「写真では、肩口の袖部分にゆがんだようなシワが寄っています。これは肩幅が狭すぎる証拠。肩口に余計なシワが出ず、肩を包み込んでいるスーツを選びましょう」
【3】『Xシワ』が出ない
「ジャケットのボタンを留めたとき、フロントにできるシワを『Xシワ』と呼びます。多少なら許容の範囲もありますが、深いシワができるものは避けましょう」
【4】ヒップが隠れる丈
「着丈のバランスは時代とともに若干変わります。クラシック回帰が進む今は、ヒップがしっかり隠れる程度が目安。ヒップが半分以上出てしまうものは×です」
【5】『ツキジワ』が出ない
「後ろ襟の下にできる横ジワが、『ツキジワ』。これが出てしまうのは、上着のショルダーラインに対して自分が怒り肩な証拠です。お直しでシワを取ることも可能」
【6】袖はシャツが1.5cm程度出る丈
「ジャケットの袖が適正かどうかを判断するには、シャツ袖の覗き具合を見てみましょう。1~1.5cm見えるのが正解。見えすぎも不格好ですが、全く見えないのも×です」
【7】お腹が隠れるベスト丈
「最近流行の3ピーススーツですが、ベストの丈が短い方をしばしば見かけます。ベストのバックルが隠れる程度が適正。シャツが見えてしまっているのはNGです」
【8】ポケットが開かない
「このようにパンツのポケットが開いてしまっている場合、腰回りがキツすぎです。着心地にも影響しますし、過度に細いとかえって足が太く見える場合もあります」
【9】プリーツが開かない
「ポケットとあわせて、こちらもチェック。最近プリーツパンツが主流になっていますが、プリーツが開いているとクリースラインもゆがんでしまいます」
【10】パンツは靴に軽くかかる長さ
「パンツの丈は好みによって結構変わるものですが、正当なバランスは靴にかかる程度。短すぎるとビジネス感が薄れてしまいます。もちろんダボダボ丈は論外」
「肩の作りひとつでもスタイルがかなり違って見えますから、体型に合ったデザインを知ることも大切ですね。
それから色選び。肌や顔つきによって似合う色は異なりますし、職種や部署によって相応しい色もあります。ご自身の個性と立場に合った"自分の色"を知っておくと、よりスーツ姿が映えることでしょう。
スーツはビジネスマンを最も魅力的に見せる服ですから、是非『似合う』ものを選んでほしいですね」(河野さん)
[MEN'S EX 2017年9月号の記事を再構成]
撮影/李春湖(OWL) 取材・文/MEN'S EX編集部
参考記事:『感じがいい』スーツはどこで決まる?麻布テーラー店長が10のチェック基準を指南!
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