多くの状況下で、我々は合理性に欠いている。それは自分が渦中にいる時、感情や目先のことに影響されてしまうから。しかし考え方1つで、我々はより合理的な思考ができる。
行動経済学者のダン・アリエリー氏はBig Thinkにて「より合理的な思考をする簡単な方法」を提唱した。
彼はこれまでに『予想どおりに不合理(2008年)』、『不合理だからすべてがうまくいく(2010年)』などのベストセラーを著作。
『より合理的思考ができる簡単な工夫』
非合理的になる方法はたくさんあるが、合理的になる方法は1つ。混乱、無行動、目先の利益や不利益、怒り、感情など――これらは人に合理性を欠かせる。過ちの原因は多い。ゆえにそれを直す方法はありゃしない。
しかし、合理性を注入する1つの方法として興味深いのは、部外者の視点から思考すること。自分で自身の人生について考えると、私見にとらわれてしまう。自分の感情や感覚などに束縛されてしまうのだ。
打って変わって他者にアドバイスするとき、人はもはや支離滅裂で複雑な感情にとらわれていない。より私情から離れていて、先見の明があるアドバイスを与えられるんだ。
人にアドバイスを求める
だから1つ目は、人にアドバイスを求めること。例えば誰かと恋に落ちたとしたら、母親に「僕の恋人との長期的な相性はどう思う?」と質問するといい。
渦中にいる君は心酔している。心酔しているとき、3ヵ月先のことなんて見えやしない。君はこう言うだろう。「僕は今夢中だ。ずっと夢中だろうし、それは変わらない」と。部外者である母親は夢中ではないし、長期的相性などをとらえられるだろう。
合理的に思考する方法は他にもある。それは他者のアドバイザーになるのではなく、自分自身のアドバイザーになることだ。一例として我々の研究では人にある質問をした。
実験
医者へ行き、診断結果を言い渡される。しかし、君は医者が勧めた高価な治療よりほかに、安い治療があることを知っているのだ。「さて、あなたはセカンドオピニオンを仰ぎますか?」
多くの人は「いいえ。私の医者が勧めてくれた治療ですから。彼らのアドバイスを受けるに決まっています。セカンドオピニオンをお願いしますなんて言えません」と回答。
次に、他のグループに伺ってみた。「これがもし友人に起きたことでしたら、彼がセカンドオピニオンを仰ぐように勧めますか?」と。グループの人は「当たり前です。セカンドオピニオンを仰がないなんてありえない」と回答した。
第三者的視点からの思考
だから、もう1つのアイデアは自分自身を第三者的視点からとらえること。状況を見て、「これが他者――自分が愛する人のことだったら、なんてアドバイスするだろう?」と自問自答するんだ。
そうしたら、多くの場合自分へのアドバイスは別のものになって、より有益で合理的なものであることに気がつくだろう。
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