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R指定ホラー史上最大にして“最恐”のヒット作「イット」が本当に怖い理由

清藤秀人

2017/10/27(最終更新日:2017/10/27)


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 秋に続々と公開される話題のホラー映画の中でも、一際異彩を放つのが「イット/“それ”が見えたら、終わり。」。

 スタンド・バイ・ミー」や「ミザリー」で知られるモダンホラーの旗手、スティーブン・キングの原作の中でも、“最恐”と言われる代表作の映画化だ。

予告編の再生回数も史上最多!

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 まずは全米での反響が“最恐”。公開前にネット上にアップされた予告編の再生回数が、何と24時間で1億9,700万回という史上最多を記録。

 その後、9月8日に劇場公開され、同月24日時点で興行収入は290億円超。1973年に公開されて社会現象になった「エクソシスト」を抜いて“R指定”ホラー映画として史上最大のヒット作になった。

 「エクソシスト」は、悪魔に取り憑かれた少女の首が360度回転するなど強烈な場面が相次ぎ、全米各地の劇場ではショックのあまり救急車で搬送される観客が続出した伝説のオカルト映画。それを、「イット」は遂に超えたことになる。

批評家たちのレビューも“最恐”

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 批評家の反応は“最恐”。

「とんでもなく怖い場面がたくさんある。まさに期待以上だった」

「怖くて、血みどろで、凄く愉快で、同時にロマンチックだ」

「観たかったものすべてがあった。マジで怖い」

「ホンモノの恐怖。家へ帰る時はパニックになると思う」

「愛すべき&守るべき人々の存在に気づいた子供たちの悲しみと怒りを描いている。スティーブン・キング原作作品で最高の1本」etc。

 では、“それ”の中身を少し紹介しよう。

 一見どこにでもあるのどかな田舎町で、児童の失踪事件が相次ぎ、得体の知れない恐怖が町中を覆い尽くす。内気なビルの弟も、ある雨の日、外出した先でおびただしい血痕を残し忽然と姿を消す。そして、悲しみに暮れるビルの前に“それ”は姿を現した!

 同じ頃、ビルたちいじめられっ子グループの面々も、自分の部屋、地下室、バスルーム、図書館、そして、町の中で“それ”に遭遇していた。何かに恐怖を感じた時、なぜか必ず姿を現す“それ”。

 こうして、ビルたちは自分だけにしか見えない恐怖と対決するため、勇気を振り絞って“それ”に立ち向かおうとするのだが……。

白塗りピエロは通称ペニーワイズ

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 “それ”の正体が、通称ペニーワイズと呼ばれる白塗りのピエロであることは、ネットなどですでにご存知のはず。赤い風船で半分を隠していた顔が、劇中で遂に全貌を現す。

 白く塗られた顔と切り裂かれた真っ赤な口、そして、鋭い光を放つ黄金の瞳は、一度見たらしばらく眼底にこびりつくほどおぞましい。恐怖でフリーズする子供を見て大喜びし高笑いするその声は、思いっきり神経を逆撫でする。

 1990年に同じ原作を基にした映画とTVシリーズがリリースされて以来、ペニーワイズは子供たちにとって“最恐”のヴィランになったと言われる。ハロウィンなど仮装イベントで時々見かける“白塗りピエロ”の原型は、誰あろうこのペニーワイズだったのだ。

 確かに、ペニーワイズはその強烈なルックスと行動で、世代に関係なくすべての観客を凍り付かせる。幾つかのシーンは“R指定”に相応しい毒も含んでいるのだが、問題は、“それ”=ペニーワイズが何の化身で、何を意味しているかだ。

 原作者のキングはそれについて、「子供たちは大人より想像力が豊かだから、怪物の存在を信じてしまう。だから、怪物と戦えるのは子供たちだけなのだ」という。

 予期せぬ恐怖と遭遇し、懸命に立ち向かい克服しようとする子供たちは、キング原作の中でも愛読者が多い「スタンド・バイ・ミー」にも登場する。

 大人になると、誰もが「そんなバカな」と笑い飛ばすことを、真剣に受け止め、そこから少しずつ成長していく子供時代へのオマージュ。それが、本作を空前のヒットに導いた2つ目の理由なのかも知れない。


早くも続編が来年秋に公開される!

 因みに、2019年9月6日の全米公開に向けて早くも続編「イット:チャプター2」の製作が決定。監督のアンディ・ムスキエティと、史上“最恐”のペニーワイズ役と評判のビル・スカルスガルトの続投も決まっているとか。

 とりあえずは、日本公開間近となった1作目で童心に返り、思う存分震えて下さい!!

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【作品情報】
「IT╱イット  “それ”が見えたら、終わり。」
11月3日(金・祝) 丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
公式ホームページ:https://wwws.warnerbros.co.jp/itthemovie/
配給:ワーナーブラザース映画
©2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED


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