2017年の秋冬は「ベーシック」がキーワード。
定番コートたちの当たり年ともいわれる今年は、本格的な寒さになる前に冬の相方候補の目星をつけておきたいところ!
今更人には聞けない定番メンズコートの種類をおさらいして、ショッピングの参考にしよう。
自分に似合うコートはどれ? 定番メンズコートの種類
定番メンズコートの種類①:トレンチコート
英国紳士の空気を1枚でさらりと纏えるトレンチコートは、やはりイギリス発祥のアイテム。
第一次世界大戦の際に、トレンチと呼ばれる塹壕で厳しい寒さから身を守るためにイギリス軍が開発したのが「トレンチコート」なのだ。
今なお役立っている撥水性に優れた生地や、右肩から胸にかけて配されたガンフラップは、戦いの最前線で闘っている人たちの実用性を考えて備わったもの。
ちなみにガンフラップは、ライフル銃を撃つ際の衝撃から体を守ってくれる役割を担っていた。
ビジネスパーソンたちにも愛用されるトレンチコートも、遡ってみると興味深いストーリーがあるのだ。
トレンチコートは、どんなインナーでもマッチする汎用性の高さが魅力のコート。
Tシャツならカジュアルに、シャツなどのかっちりアイテムを合わせればトラッドな印象に。
夏から秋にかけてのファッション移行期間でおすすめなのが、インナーにポロシャツを使ったスタイリング。
暑い季節にヘビーユースした夏の相棒を、秋までしっかり使いこなしてみよう。
定番メンズコートの種類②:Pコート
ぽってりと厚手のウール生地を用いたダブル仕立てのPコート。
マリンテイストなスタイルに頻繁に使われるPコートは、19世紀のイギリス海軍が制服として採用した歴史を有している。
しっかり主張するPコートの特徴でもある大きな襟。
実はPコートの大きな襟は、波の音がノイズになる海上で船員たちの伝達をスムーズに行うためのものとして機能していたそうだ。
ショート丈のPコートなら、かっちりとしたスタイリングがきまりやすい。
センタープレスの入ったきれいめボトムスと、お気に入りの革靴を合わせればあっという間に紳士的なルックスに。
カジュアル派のメンズなら、流行のワイドパンツと合わせてみるのも◎。パーカーなどとのレイヤードスタイルを楽しめるのはPコートならでは。
本来のPコートの姿はどこへ?というような都会的なPコートも登場。
独特の大きな襟をあえてとることで、すっきりとした印象のPコートに変貌を遂げたこちらのアイテム。
季節感のあるカットソーや柄シャツをインナーに合わせて、スタイリングを楽しめるようなデザインになっている。
ショート丈のPコートも魅力的だが、ロング丈のPコートが醸し出す抜け感も捨てがたいところ。自分のスタイルに合った丈感のアイテムを選ぼう。
定番メンズコートの種類③:チェスターコート
昨今ではレディース人気も高いチェスターコートは、フォーマルの場では必ず使われていたといわれるほどドレッシーなアイテム。
名前の由来には諸説あるが、19世紀に「チェスターフィールド」という伯爵が愛用していたことが、コートの由来になっているのではないか、といわれている。
艶のあるベルベットを上襟にあしらったクラシックなデザインは、マリー・アントワネットの冥福を祈る意味が込められているそうだ。
縦シルエットが美しいチェスターコートは、同一色で統一するとシックな大人のムードを纏える。
徹底的にベーシックにこだわるなら、トゆるすぎないフィット感のタートルネックのニットやきれいめパンツ、ローファーなど、秋冬の正解アイテムたちで固めるのが◎。
定番メンズコートの種類④:ダッフルコート
定期的に流行の波が訪れるダッフルコートも、やはり定番コートを語る上では欠かせない存在。
軍人から学生まで、幅広い人たちを寒さから守ってきたダッフルコート。コートに使われる「メルトン生地」の原産地であるベルギーのダッフルにちなんで名付けられたそうだ。
ボリューミーなダッフルコートは、ゆるボトムスとも好相性。コートに偏りがちなボリューム感を調整してくれるので、ぜひトライしてみてほしい。
ハットやキャップなどの被り物も、スタイルをバランスよく見せるヒントに。
定番メンズコートの種類⑤:ステンカラーコート(バルカラーコート)
肩のラインがなだらかなラグランスリーブ、比翼仕立てが特徴のステンカラーコートだが、海外では「バルカラーコート」の名で親しまれている。
どんなコートよりもとにかくシンプルなステンカラーコートは、ビジネスパーソンでも支持者の多いコートなのだ。
紳士的な装いが得意なステンカラーコートは、ジーンズとカットソーにさらりと羽織るのもおすすめ。
インナーとボトムスだけだとカジュアルに見えてしまうスタイルも、ステンカラーコート1枚でがらりと表情を変える。
定番メンズコートの種類⑥:ワークコート
コットン素材を使った、働く人のための作業着として親しまれたワークコート。
これといって決まった形はなく、いずれも柔らかくて軽い機能的なアイテムが揃っているのがワークコートだ。
ワークコートは、襟付きのものから襟なしのものまで様々。
ナチュラルなコットンの風合いに合わせて、自分好みのカジュアルスタイルを思いっきり楽しませてくれるのがワークコートの真骨頂。
カジュアル好きはワードローブとして1枚持っておきたいアイテムなのだ。
定番メンズコートの種類⑦:ガウンコート
ラテン語で「毛皮の服」という意味を持つ「ガウン」。
中世から現在まで愛用される、長い歴史をもつガウンコートは、時にはルームウェアとして使われたり、時には儀礼用として使われたりと、使用シーンは様々。
セットアップなどのジャケットの上からでもゆったり羽織れるガウンコートは、スタイルの幅がとにかく広い。
羽織るだけでサマになる、ガウンコート特有の落ち感は一度使い出すと病みつきになってしまうほど。
今流行りのワイドパンツやラインパンツなどとの相性もいいので、今季のヘビーユース用コートとして購入検討してみてほしい。
定番メンズコートの種類⑧:バブアーコート
イギリスの老舗アウトドアウェアブランドの「BARBOUR(バブアー)」。1894年以来、その機能性の高さから愛され続けているブランドだ。
そんなブランドの代名詞的存在であるバブアーコートは、ワックスドコットンを使用することによって高い防水性と耐久性を実現。
レインコート代わりにも使えるバブアーコートは、ビジカジスタイルに合わせるのも◎。
シャツ×チノパンなどのかっちりとした定番オフスタイルが好みの方には、ツボに入るコートのはずだ。
今更人に聞くのはちょっと恥ずかしい……という定番コートたちを一挙に紹介してみた。
今ではすっかり「定番」となったアイテムたちにもきちんと”はじまり“がある。
それぞれのコートにある歴史を知れば、きっとコーディネートする時間ももっと楽しくなるはずだ。
今週末は、自分にとっての特別なコートに出会うために過ごしてほしい。
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