「エクセルの関数って、なんだか難しそう」、「関数なんて使わなくても作業はできるよ」なんて会話をよく耳にするが……それは大間違い!
エクセルの関数は難しくない。そして、使えばいままでの作業が半分の時間で済む、時短の強い味方なのだ。
今回は、関数のなかでもより使用頻度の高い5つを厳選して紹介する。いままでの関数への苦手意識を払拭し、関数マスターになって効率良く仕事をしよう。
数値の合計を出したい〈SUM関数〉
「商品AからFの月ごとの売上合計を出したい」
→SUM関数で商品Aから商品Fの合計の数値を出す。
赤く囲んだ数式「=SUM(D3:D8)」は、D3のセル(商品A)からD8のセル(商品F)までの合計を表示する、という指示になっている。
セルを指定するときは、D3のセルをクリックしたまま、D8までドラッグすれば簡単に選択できる。
平均値を出したい〈AVERAGE関数〉
AVERAGE(アベレージ)関数は、指定した数値の平均値を表示する関数だ。
〇には、SUM関数と同様に、「(A2:A5)」など指定するセル範囲を入力する。
ある条件によって表示する内容を変えたい〈IF関数〉
IF(イフ)関数は、「もしこの条件を満たせば〇〇する。
そうでなければ、△△する」などのように、指定した条件を満たしているかどうかによって、セルに表示する内容を変える関数だ。
「商品の在庫を、100個は持つ必要がある。在庫数をもとに、発注の有無を確かめたい」
→商品AからFの在庫数が100個以上ある場合は、「在庫あり」、100個未満の場合は「要発注」と表示する処理を行う。
赤く囲んだ数式「=IF(B3<100, "要発注", "在庫あり")」は、B3(=商品Aの在庫数)が、100未満だったらという条件に対して、真の場合(=100未満である)は「要発注」と示し、偽の場合(=100以上である)は「在庫あり」と表示する、という指示になっている。
商品BからFに関しては、C3のセルをコピペすれば同じように表示される。なお、真の場合と偽の場合を入力する際は、「""」で囲む必要があるので気を付けよう。
ひとつひとつ自分で確認して手入力する手間が省けるうえに、在庫数を変更した場合も、自動的に発注の有無も変更されるのでとても役に立つ。
条件に当てはまるセルを表示したい〈VLOOKUP関数〉
VLOOKUP(ブイルックアップ)関数は、指定した範囲のなかから、特定のデータに対応する値を抽出できる関数だ。
名前はよく聞くが使い方が分からない、という人が多い関数なので、ぜひマスターして仕事に役立ててほしい。
「 商品コードのなかから、ひとつの商品データを抽出したい」
→VLOOKUP関数を使って、検索範囲と、抽出したい情報がある列を指定し、抽出したい情報はなにかを入力して表示する。
赤く囲んだ数式「=VLOOKUP(B2, A10:E17, 5, FALSE)」は、検索する値のB2(=商品コード003)のA10からE17の範囲内で、列番号5(=在庫場所)を抽出するという指示になっている。
商品名・価格・在庫数を表示するのも、列番号をそれぞれのある列に変えただけで同様の手順だ。一番最後に入力した「FALSE」は検索する条件に完全一致のものだけを抽出する場合に入れる。
これは、検索した条件に当てはまるものがなかった場合のためだ。FALSEでは、エラーと表示され、「TRUE」や省略した場合は、条件に近いものを表示する。基本はFALSEを入れておけば良いだろう。
なお、列は左から数えて何列目かの数字を入れる。2列目なら「2」を、5列目なら「5」を入力する。
条件に当てはまる数値の合計を出したい〈SUMIF関数〉
「商品A・B・Cの中から、商品Aの売り上げ合計のみを抽出したい」
→SUMIF関数を使って、商品A・B・Cの検索範囲とその合計範囲を指定し、商品Aのみという検索条件で合計を算出する。
赤く囲んだ数式「=SUMIF(B3:B11, "商品A", C3:C11)」は、B3からB11(=商品ABC)の範囲の合計範囲(=売上)C3からC11のなかから、検索条件(=商品A)の売上合計の結果を出すという指示になっている。
経理であれば、会社全体の数字を管理するときに、営業なら自分が担当する商品や取引先の数字を管理するときに使えるのでぜひ活用してほしい。
今回、確実に押さえておきたい関数5つを紹介したが、まずは使用頻度がとくに高いSUMやAVERAGEから使い始めるのもいいだろう。使える機会があれば他の関数もどんどん使って、周りも驚く関数マスターになろう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう