「週刊SPA!」に連載後、単行本になった漫画家でコラムニストの渋谷直角の人気コミック「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」を、「モテキ」(11)の大根仁監督が映画化。
思わせぶりな長いタイトルがほのめかす通り、切なくて危ないラブコメディがサブカル感満載で展開する!
編集者コーロキの中で鳴り響く奥田サウンド
“奥田民生になりたいボーイ”こと主人公のコーロキ・ユウジ(妻夫木聡)は、常に力まず、人目を気にしないマイペースの権化であるミュージシャン、奥田民生を崇拝する33歳の雑誌編集者。
ダサいパーカーにニットキャップで家電雑誌からライフスタイル雑誌の編集部へと異動になったコーロキは、初日から編集会議で炸裂するおしゃれトークに全然ついていけてない。
そんな疎外感を払拭してくれるのが、いつも耳の中で鳴り響く奥田サウンドだ。
そして恐怖の狂わせガールが登場する!
そんなある日、コーロキは取材現場で知り合ったアパレルメーカーの美人プレス、天海あかり(水原希子)に一目惚れ。
弾けるスマイルといい、セクシーなヒップラインといい、どこを取っても申し分のないあかりが、実は“出会う男すべて狂わせるガール”とも知らずに。
無理もない。あかりはコーロキがしたい話にいつもマジで耳を傾けてくれるし、要所要所で受けてくれるし、ここぞという時には突然手を握ってきたりもする。デートの締めはいつもお決まりの投げキッスだ。
そうして、コーロキはあかりに夢中になって行く。あかり好みの男になろうと、かなり無理している自分を省みる余裕すらなく。
LINEの既読スルーが悪夢の始まり?
やがて、あんなに頻繁にやり取りしていたLINEが、次第に既読スルーされ、コールしても繫がらなくなり、挙げ句、コーロキはあかりに直接会いに行ってしまう。
それはSNS時代の禁断行為。典型的な“振られパターン”だ。
気がつくと、コーロキは自分を見失い、翻弄され、 ズタボロになっていた。奥田民生になりたいボーイの理想とは程遠い、恋人の僕と化していたのだ。
周囲に左右されない自分を目指す
一方、あかりが筋金入りの“狂わせガール”だったことが相関図的に解き明かされていく後半は、まるでサスペンス小説のような乗りに。
そして分かるのは、理想の女性を求めて止まない男の子供じみたロマンが、相手の願望を読み取っていかようにも変身可能なカメレオン女を作りかねないという、実にシビアな現実。
そこで有効なのは、奥田民生のように周囲に左右されない絶対的な自分だというわけだ。
映画公開に合わせて“プレイリスト”リリース
コーロキの心境に寄り添うように各場面で流れる奥田サウンドは、大根仁監督が映画のためにセレクトした全15曲。
「息子」、「愛のために」、「マシマロ」、「CUSTOM」などが収録されたアルバム『奥田民生になりたいボーイに贈るプレイリスト』は、映画公開直前の9月13日にリリースされ、特典として原作者、渋谷直角によるスピンオフ漫画が付く。
ちょっと斬新なメディアミックスの相乗効果で、映画&音楽業界に秘かな奥田ブームがやって来るかも知れない。
【作品情報】
「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」
9月16日(土)より全国東宝系にて公開
©2017「民生ボーイと狂わせガール」製作委員会
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