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【Houzz】暑い夏を涼しく過ごす、暮らしの工夫

Houzz

2017/09/01(最終更新日:2017/09/01)


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 エアコンなど、空調設備がなかった時代の人々が、日本の暑い夏を快適にするために行っていた暮らしの工夫。

 日本人が昔から行ってきた暑い夏を涼しく過ごすための暮らしの工夫や知恵は、現代の住宅建築や暮らしの風習などから垣間みることができる。

 夏本番を迎える中で、もう一度見直したい内容を紹介しよう。みなさんはどんなことを試してみたいだろうか?

中庭に隠された暑さ対策!

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 京都や大阪など近畿圏に点在する町家で、多くみられる中庭。なぜ、暑さ対策に中庭なのかというと、うなぎの寝床と言われる町家は、間口が狭く奥に長い、そして隣同士が密接して建てられているため、開口部が少なく風の通りが悪くなりがちなのだ。そこで、中庭を囲むように家を建てることで、家の中に風を呼び込む工夫をしている。

 また、町家によっては2つの中庭をつくり、庭と庭の間に居住空間を設けているものもある。1つ目の庭は日当りが良く、もう1つの庭は日陰になるようにつくられている。2つの中庭に温度差が生じ対流(風)が家の中を流れる、というように計算された建築設計になっている。

現在の進化した中庭で涼を楽しむ

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 現代建築の住宅にも中庭を用いることがある。通風はもちろん、樹木などの緑を配置することで、見た目にも爽やかな空間を演出することができる。

 子供のいるファミリーなら家庭用のプールをつくって、子どもと一緒に水遊びをしたり、ペットと戯れたりすることもできる。また、春や秋といった気候の良いときには、テーブルや椅子を置いてティータイムや読書といった趣味を満喫するのにもピッタリだ。

テラスに日陰をつくるという工夫

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 屋根のないテラスは、夏の日差しを直接浴びてしまい、床や壁に熱がこもってしまいがちになる。屋外なので、風の通りも良く熱はすぐ逃げるもののやはり気になる。そこで、帆布やテントなどで使う布を上部に張れば、日陰をつくりつつ通風もできる。ビール片手に友人家族や親戚とバーベキュー! といったエンジョイライフも夢ではない。

 外から見えないテラスなら、布団を干したり、シーツといった大きな洗濯物も干しやすい。部屋干しよりも、外に干したいと思っている方に喜ばれる工夫の一つではないだろうか。

見た目もヒンヤリなインテリア

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 ガラスの食器をはじめ室内の家具や小物なども、夏に合わせて涼やかさを感じるものを取り入れてみてはいかがだろうか。

 ブルー系の色は、気持ちを落ち着かせる効果があるうえに、レッド系に比べ3℃ほど涼しく感じると言われている。室内のインテリアをブルーや紺色といった寒色系にするだけで、ヒンヤリとした空気感がお部屋に漂う。大がかりなチェンジができなくても、クッションカバーやテーブルクロスといったものからはじめるのも良いだろう。

建具も夏仕様に衣替え!

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 日本では季節にあわせて、建具も衣替えをしてきた。暑さが厳しくなる夏には、葦(よし)を使った葦戸(よしど)や御簾戸(みすど)など、簾(すだれ)をはめ込んだ建具を用いて、室内でも風が通りやすく涼しく見える工夫をしてきた。

 写真は、丸竹を縦に割ったもの(柾割竹)を使った建具で、やはり見た目の清涼感が感じられる仕様になっている。

夏障子という先人の知恵

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 障子や襖といえば、部屋と部屋を隔てる仕切りの役目を思い浮かべるだろう。障子は風を遮り、襖は光と風と熱を遮るものというイメージがある。それに対して、採光と風通しという画期的な機能をもたらしたのが夏の障子だ。細身で繊細な葦や竹を使って建具をつくるとは、やはり昔の人は凄い。

簾(すだれ)で、日射を防ぐ

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 カーテンは窓・部屋の内側につけるが、簾や葦簀(よしず)は窓の外に設置する。窓の外に日陰をつくることで、建物内への輻射熱を抑えつつ、暑さを和らげることができるのだ。また、エアコンを使ったときのエネルギー消費量の軽減にも一役買っている。

夏の風物詩、朝夕の「打ち水」

 玄関先や庭などに水を撒いて涼をとる「打ち水」。撒いた水が蒸発することで、空気中の熱を奪い、わずかながら対流(風)をつくることで気温を下げる。昼間の打ち水は、撒いた水が日射で熱されて蒸し暑くなる可能性があるので、涼しくなる朝か夕方が効果がある。また、雨水やお風呂の残り湯を使うと経済的だ。

グリーンカーテンで涼やか

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 ゴーヤやヘチマといった葉の大きな植物をプランターで植えて、窓の外やバルコニーで育ててグリーンカーテンにすると、うまく日を遮ってくれる。日の当たる場所から、木陰に入ると涼しく感じることがある。これは、木の葉から水分が水蒸気となって放出されることで、葉と葉の間に漂う空気の熱が奪われ周囲の気温が下がるために起こる現象だ。

 一見すると、簾が植物に変わっただけのような印象をうけるが、簾よりも植物が蓄える熱量が低いため、室内に伝える輻射熱が少ないので、より涼しく感じる。

暑い空気を逃がす「天窓」の効果

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 温かい空気は上部へ、冷たい空気は下部に溜まりやすくなっている。天窓というと、天井からの明かり取りという印象が強いかもしれないが、天窓を開閉することで温まった空気を外に逃がし、部屋の窓から空気を室内に取り入れる通風効果が高まるのだ。


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文:片岸 千代子
記事提供:Houzz(ハウズ)

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