サリー・クラウチェック氏は現在、女性向けデジタル形式ファイナンシャルアドバイザー会社、Ellevest社のCEOである。彼女は以前バンク・オブ・アメリカにて頭取をしており、成功したビジネスウーマンの1人だ。
クラウチェック氏は“Big Think”にて、女性に向けたアドバイスをする。この動画「ウォールストリートを治めていた女性からのキャリアアドバイス(Career Advice from a Woman Who Ruled Wall Street)」を書き起こす。
「一番大事なキャリアアドバイスは投資をすること」
女性へのキャリアアドバイスはたくさんあるわ。あなたたちが教わっていない最重要のキャリアアドバイス、それは「投資をする」こと。
そう言われたら「え? それは私の仕事とは全く関係ないわ!」と思うかもしれない。その通りよ。でも、経済的な余裕を持つことには関係するの。
男性と同程度の投資をしているなら女性は――歴史的に見ても――平均的に数百、数千ドルの利益を得ている。一部の女性にとっては一生で何百万ドルにもなったわ。
あなたがお金を手に入れたらどうなるのでしょうか?
余裕ができるわ。自信を持って、上司に昇進や、行きたかった海外出張を交渉したり、「嫌な上司がいるから」と我慢ならない仕事を辞めることもできる。自分で起業したり、事業を試すことだってできるのよ。
お金が増えることによる自由度は相当なもの。男女平等を促進するとさえ言ってやるわ。女性の職場での自信、平等に繋がるの。
女性諸君、私たちは経済的に男と同列にならない限り、平等になることはありません。だから、最高のキャリアアドバイスは「投資をする」こと。
「交渉をする」「しない」の差
こんなことを言う必要がない社会だったらいいのに。どの会社も本音を言わせてくれたらいいのにね。
男女間の給与格差をなくし、正確にその人の価値に応じた給料を与え、見合った給与をもらう手段として、交渉を主要方法にするべきではないわ。だから、こういうアドバイスを言う必要がなかったらいいのに、と思う。
でも、ありのままの世界を受け入れるしかないのよ。だから女性諸君、一番最初の職から「交渉」をするようにしよう。そうする他ないのよ。なぜなのか、例を用いて教えます。
私は経営を通じて多くの人々の上に立ちましたが、毎年ボーナス前に来たほとんどの男性は、私のオフィスを訪れて「いくら欲しいか」話したわ。毎年だいたいの男性は決まって彼への予算以上を求めた。
こうだったらどうなるでしょう?
ジムとメアリーがいます。両者はそれぞれボーナスか5%の昇給の予算に収まっている。ジムから「10%欲しい」と要求され、メアリーからは一言もありません。私はクスクスと「あの男。彼は本当にクレイジーだわ。10%も払うわけないでしょ」と思う。
予算案をまとめ、昇給やボーナスを与える時期が到来。私と人事マネージャーはジムが10%欲しいことを覚えている。
「10%はあげれないけど、でも彼がやったプロジェクトのことがあったし、7%払いましょう」となる。
そうしたら、メアリーはいくら得られるの? 普通は5%よね。正解は3%。なぜならジムがさらに多くを求めそれを認可したとしても、ボーナス基金が増えるわけではないから。予算が増えるわけでもない。
自分の価値を調べ、成功とは何かを知りましょう
では女性諸君。あなた方を納得させた今、それに向けてどうアプローチすればいいのか。事実を知り、先立って行動をすることよ。
私たちが受けるアドバイスというのは、その場その時のもの。それよりも前に準備が必要よ。
まず、自分は給与をいくら得るべきか知りましょう。ネットサービスで調べたり、友人とその話をしたりしましょう。
いくら得るべきか知り、前もって上司と話し、可能であれば評価基準について訪ねるのよ。出来る限り細かく定めましょう。「何個の新報告書」「どの程度の顧客満足度」「何名の新たな顧客」なんでもよ。「成功とは何か」を知りましょう。
自分、各部門、会社にとっての成功を設定しよう。「そのために今年達成しなければいけないのはこれで、これくらいの給与を得たい」だったりね。それから取り決めをするのよ。年終わりのネゴシエーションはネゴシエーションとは言わないわ。
自分の成果がどのようなものであれ、一度交渉に行って、「ノー」を受け入れるのは絶対にダメ。昇給が認められず――もしされたとしても――他12個の要求を考えて行くのよ。
「会社が払ってくれるプログラミング教室に通いたい」「マーケッティングの仕事をしてみたい」「ある期間海外で働きたい」「大きなプロジェクトに携わりたい」......とかね。
第20個目の要求までに、普通だったらその中の1つは承諾される。仕事面での発展や、昇給なりにしろね。20個すべての要求が断られたとしたら、それはそれで明確なメッセージが見えたと言えるでしょう。
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