お金の浪費に悩んでいる人はいらっしゃらないだろうか。我々はついつい欲やその場の成り行きで無駄遣いしてしまう。
お金の無駄遣いをしてしまう人、いい判断を導き出したい人に向け、米心理学者ダニエル・カーネマン氏は「計算的で、広い視野を持ち、感情的にならない」ことが大切だと語る。
この動画は『何故我々はお金を無駄遣いしてしまうのか(そして我々にできること)』というタイトルで、ポータルサイト“Big Think”によるものだ。
人々は狭い了見で物事を構想する
人間に完璧な合理性はなく、顧みたら「違う方法をとっていた」と思えるような意思決定をする。それに疑いの余地はない。
実際、人々は自分がいる状況についてよく理解している。私の見解では、人間は個人の範疇では起きている状況について自覚があるんだ。
多くの傾向として、人々は極めて狭い枠組みの中で物事を考える。狭い視野を持ち、今ある問題を見てそれが唯一の問題であるかの如く対応。多くの場合、問題は繰り返すと考え、問題の種類に対して取ろうとしている方針を検討するのが吉だ。
人々は狭い了見で物事を構想する。自分の資産を1つのものと見ずに、貯金と同時にお金を借りたりするようにね。
通例、さらに広い視野を持てたら、よりよい決断をするはずだ。狭い視野でしか見れないのは人間の意思決定の欠点だ。私たちはこれを「ナローフレーミング」と呼ぶ。
メンタルアカウンティング
「メンタルアカウンティング(心の家計簿)」はとても重要な考え方。我々はお金を様々な脳内口座に分類する。そしてそれらの1つ1つの分類には法則(用途・入手経緯など)がある。また、使うお金の分類には優先順位がある。
通常、人は貯蓄――例えば子どもの教育費――に触れる前に、旅行のためのお金を使うだろう。これらが異なる法則を持つ、メンタルアカウント(脳内口座)だ。
メンタルアカウンティングは自己制御のためのツールにも関わらず、投資家たちは愚かしくも購入した株1つ1つを脳内口座に分類する傾向にある。
彼らは株が上々の時にそれを売りたがり、上々ではないものを保持しようとするんだ。結果的に、これは彼らを貧しくさせる。
ある決断においては計算的であることが必要。
計算的な人は大いに優越性があるんだ。複利を理解することは――クレジットカード使用者であるにしろ、貯蓄がある人にしろ――大きな変化をもたらす。人々は複利について漠然とした知識しかなく、それは大きな危険をはらんでいる。
無駄使いしないために
まず、計算的になる必要があるんだ。次に広い視野を持たなければならない。しばしば「広い視野を持つこと」は「計算的であること」と同列に語られるが、一緒ではないんだ。
それを踏まえ、物事に対し過剰な反応をしないことが極めて重要だ。これは、多くの人が変化や利益、損失でものごとを考えるという意味だ。広い視野を持ち、「勝つこともあれば、負けることもある」と考え、小さな利害には限定的な情緒反応しか持たない方がいい。
それがさらにいい判断を促すだろう。
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