ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。
『堀江貴文のQ&A「ネットの情報は悪!?」〜vol.836〜』では、『多動力』も大ヒットのホリエモンが本を出すときに心がけていることと、自身における書籍の位置付けを語った。
今回取り上げたのは、「先日本屋に行くと、『クックパッドを使った料理』の類の本が出ていました。クックパッドを見ればわかりそうなものですが、この本をわざわざお金を出して買う人がいることが驚きでした。
そこでふと思ったのですが、こういったものをサイトにして紹介したら人気がでませんか?
クックパッドだけでなく、食べログから「本当に美味しい東京の中華」などを抜粋するなど、人気があるサイトのコンテンツをまとめ直すサイトです。いかがでしょうか?」という質問。
ホリエモン「クックパッドのまとめ本が売れるのは『書籍』という形態のおかげじゃないかな」
ホリエモンは、「サイトではなく、本だから買うんだと思うけどね。まとめるなら食べログの評価3.0だけど美味い店とか、そういう切り口ならいいんじゃないかな」と回答。
ネットで閲覧できるクックパッドのレシピをまとめた本が書店で売れることを疑問に思い、同じようにネットコンテンツをまとめたサイトを作るならどんなコンテンツをまとめるべきかを尋ねた今回の質問。
質問者はクックパッドのレシピ本が売れた理由を無数にあるレシピをキュレーションした点だと考えているが、ホリエモンはそうではない。
「クックパッドの本が売れたのは、内容じゃなくて『書籍』という形態のおかげじゃないかな」とホリエモン。誰もがネットを使う時代になったといっても、未だにクックパッドを使わない人は多い。そうした人に向けたレシピ本として、クックパッドのまとめ本はウケているのだ。
そうした人の中にはそもそもクックパッドというサービス自体を知らない人もいるだろうが、そうではなくクックパッドを「素人レシピばかりが載っている信頼できないサイト」だと思っている人も少なからずいるとホリエモンは推測する。
では、そんな人になぜまとめ本が売れるのか? 理由はやはり「書籍」という形態にある。
ホリエモン「僕が本を出すときに重視しているのは『本屋に並んでいること』だよ!」
本家クックパッドのようにネットにレシピがまとまっている状態では信頼できないと思っている人でも、それが書籍という形態で書店に置いてあると、なんとなく便利な情報として購入してしまう顧客の存在。
これをホリエモンは、本屋あるいは書籍という形態が持つ信頼のおかげだと考えている。ネットで無料で見ることができる内容であっても、それが書籍として店頭に並んでいるだけで、人々はそれをぐっと信頼するようになるのだ。
最近出版ラッシュが相次いでいるホリエモンだが、彼はよくネットでのみ情報を発信せずになぜ本を出版されるのか質問されるという。
しかし、本の刊行に当たって彼が大事にしているのは「本屋に並んでいること」。ホリエモンは出版の際には出版部数3万部以上という現代では破格的な注文をつけるらしいが、そうすることによって田舎を含めたあらゆる書店に本が出回り、大きな書店ならば平積みにされることになる。
本屋に本が並んでいるという事実によって、彼の情報にはある種の「信頼」が付与される。
さらに、みんなが買っているベストセラー本を買いたい欲求が強い日本人からすれば、書店に平積みになっているという事実によって本を購入する人もいるのだとか。たくさん本を刷ることによって信頼度が増し、結果として本当に本も売れるようになってしまっているのだ。
出版不況が謳われる近年でもレシピ本は比較的売上が良好らしいが、ホリエモンはその理由を「本はある種の記号だから」と語る。
たしかに、キッチンに趣味の良いレシピ本が数冊あればなんとなく料理が上手いように見えるだろう。ホリエモンチャンネルアシスタントの寺田有希氏も「ほとんど本なんて読まないのに、知的なイメージの撮影では本を持つことが多い!」と語っている。
ネットが普及した現代でも、あるいはネットが普及した現代だからこそネットよりも書籍の方が信頼できると考える人は多い。
もちろんそれが正しいことも少なくはないが、クックパッドのまとめ本のように内容が同一でもわざわざお金を払う人がいるという事実は無視できないだろう。このように考えると、ホリエモンがいうように内容ではなくパッケージという面で書籍には高いプライオリティが存在するのだ。
ホリエモンが出版について語った『堀江貴文のQ&A「ネットの情報は悪!?」〜vol.836〜』。動画が観たい方はコチラからどうぞ!
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