ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。
『堀江貴文のQ&A「役割の変化を見極めろ!?」〜vol.832〜』では、ホリエモンが時代の変化に伴って生じる本の価値の変化について話した。
今回取り上げたのは、「地方で友達の母親がやっているセレクトショップに関する質問です。
現在、売り上げが良くないため母親は閉店を考えているそうですが、リピーターもいるため今後は友人が後を継ぎ再生をしたいそうです。現在の業態は以下の通りです。
- 海外アパレルからの輸入・販売
- 国内アクセサリー作家のハンドメイド品の販売
- 併設しているカフェの営業
事業を再生し、売り上げを伸ばすにはどういう戦略・路線変更がいいと思いますか?詳しい売り上げは聞いてないのでわかりませんが、スタッフが2〜3人いるそうなので月に150万くらいでしょうか。
友人は本なども置いて代官山蔦屋のようにしたいそうですが、あまり根本的な解決にはならないような気がしています」という質問。
ホリエモン「本は儲からないけど空間演出力があるよね」
ホリエモンは、「渋谷でやっているうちの子会社『SPBS』という本と雑貨の店のやり方は参考になるかも。本は儲からないけど、委託販売なら損にならないし、空間演出力があるね。
仕入れ販売はリスクの割に儲からないから、レンタルボックスとかやるといいかも。あとはセミナーとか勉強会の集客だね。カフェがあるなら深夜営業するおしゃれ本と雑貨の店というのは、それなりにニーズがあるね」と回答。
地方のセレクトショップを再生する方法を尋ねた今回の質問。ホリエモンが参考として紹介した「SPBS」とは、言ってしまえば小さなT-SITEのようなもの。書籍だけでなく、雑誌やイベントを行う複合的な営業形態だ。
SPBSの顔は書籍だが、売上の中心はむしろ雑貨やイベントスペースの方なのだとホリエモンは語る。
書籍自体の売上は少なくても、本という文化的アイコンを中心に据えることで人々が集まり、イベントや雑貨の売上が活発になるのだ。
今回のゲストで「一冊の本を売る本屋さん」で有名な森岡書店のオーナー森岡督行氏も完全に同意見。
質問者に「ギャラリースペースのような場所を作ってイベントや勉強会を開けば街のコミュニケーションインフラにもなるのでは」とアドバイスしている。
ホリエモン「本の持っている価値が変わってきているよね」
今回の回答を通してホリエモンが言いたかったのは、書籍の持つ価値が変わってきているということ。本は単純な商品から、文化的な香りのするアイコンに変化したというのが彼の意見だ。
一昔前の本がよく売れていた時代には、本屋を経営していたのは地方の盟主だったとホリエモン。
彼らが自分の土地、建物で委託販売をやっていた頃は、特に難しい工夫をしなくても店頭に置くだけで本が売れていたのだとか。
今では信じられないかもしれないが、「札を刷るように本を刷る時代」だったのだ。
本が売れまくった理由をホリエモンは、当時はメディアの種類が少なかったからだと考える。
しかし、インターネットやアプリの登場でメディアによる時間の奪い合いは激化。当時の隆盛に胡座をかいていた本屋は現在、次々と閉店を迫られている。
しかし、本には未だに知的・教養がある・文化的というイメージがある。これがホリエモンの考える、書籍の強みだ。
だからT-SITEやSPBSはあくまで「本屋」を名乗っている。そうすれば本が好きな=文化的な香りに惹かれた人たちが集まり、イベント開催や雑貨売上でペイできる文化施設になるからだ。
「本屋の役割が変わるにつれて、人々の本屋に対する認識も変わってきている」と森岡氏はいう。売上が芳しくなくても、まだまだ書籍が持っている価値は少なくない。本をテコにしたビジネスの可能性は、まだまだあちこちに眠っているのだ。
ホリエモンが本の価値について語った『堀江貴文のQ&A「役割の変化を見極めろ!?」〜vol.832〜』。動画が観たい方はコチラからどうぞ!
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう