ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。『堀江貴文のQ&A「現金がなくならない日本!?」〜vol.820〜』では、ホリエモンが日本でなかなか普及しないモバイル決済を分析。
今回取り上げたのは、「日本では5,000円以下の決済が100兆円ほどありますが、まだほとんど現金決済らしいので、このへんの少額決済を狙って各種デビットカードが増えてるというニュースをみました。そこで普通に考えたらもう完全キャッシュレスも近いなと思うのですが絶対なんとなく現金決済をし続ける人がいて、恐らくなんらかの強制感がないと半分も普及しないのではと思いますが、スマホってなんでここ数年でこんなに普及したんですかね?
もちろん圧倒的に便利ですし、特にここ最近はみんながスマホだからという環境感もありますが、ガラケーの強制終了とかあったわけじゃないのにどっちでも良い人が多い日本でたった数年で老若男女がほぼスマホになったのはなにか強制感はありましたか?」という質問。
ホリエモン「日本の現金信仰はホント異常だよね」
ホリエモンは、「特に強制感はないよ。キャズムを超えただけ。ソフトバンクがセールスしたのがでかいんじゃないかな」と回答。
日本での現金決済の普及の遅さを見て、なぜスマホが一気に普及できたのかを尋ねた今回の質問。ホリエモンは決定的な理由が存在するというよりは、ソフトバンクなどの動きによって一般層にまで広まったことだけだと説明した。
むしろホリエモンが興味を持っているのは、進まない日本のクレカ決済。日本の現金決済率は現在8割以上だが、これは諸外国と比べれば異常と言ってもいいほどの数字だ。
ホリエモンは旅行で訪れたアメリカではすでに駅の売店などでもほとんど現金が使われていないことや、インドで高額紙幣が廃止されている現状を説明。
他にも、韓国でもクレカ決済の際にサインを求められることすらなく、路地裏の小さな露店でもキャッシュ決済ばかりなのだとか。未だにクレカが使えないお店も少なくない日本は、他の先進国から見ればかなり異様なのだとも言えるだろう。
日本の現金信仰はなぜなくならない?
では、なぜ日本ではなかなか現金決済がなくならないのだろうか? 今回のゲストでNewsPicks編集長を勤め、最近は『日本3.0』を執筆した佐々木紀彦氏は、もともと現金決済があまり発達しなかった中国がスムーズにキャッシュレス決済に移行したのに対して、現金でのやりとりがしっかり根付いた日本には現金信仰が根付いているのだと分析している。
デンマークやスウェーデンでは銀行で現金が下ろせなかったり現金の使用に罰金が求められたりするなど、かなり強行的にキャッシュレス社会への移行が進められている。キャッシュレスにするとお金の流れが追いやすくなり、現金決済の多い違法取引をあぶり出しやすくなる。
また、盗難や銀行での管理といった保管コストも少なくなるため、政府からすれば良いことづくめ。メリットを考えれば、日本でも東欧のような強制的な移行措置を取るのはアリかもしれない。
日本で現金決済がなくならない理由をホリエモンは、飲食店経営者にあると考えている。毎日の売り上げの計算やバイトの持ち出しなど、キャッシュレスは飲食店経営者にとってもメリットは大きいが、「飲食店経営者にはバカが多いのか、なかなか理解されないよね」とホリエモン。
もちろん、クレカの導入で2%程度の手数料は必要になるが、それも上記のメリットと比べれば移行する価値は十分あるはず。これをホリエモンは、飲食店経営者がレジの売り上げをそのまま持って飲みに行く、脱税するなどの違法行為がまかり通っているからだと考えている。
世界基準で見れば異常とも言える日本の現金決済信仰。その構造はかなり根深そうだが、今後画期的なインフラや新たなイメージ戦略が登場すれば、あっという間にひっくり返ってしまうことだってあるだろう。
ホリエモンがモバイル決済の普及について語った『堀江貴文のQ&A「現金がなくならない日本!?」〜vol.820〜』。動画が観たい方はコチラからどうぞ!
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