10日(現地時間9日)、何かとお騒がせな米大統領ドナルド・トランプ氏はまたもや世間をざわつかせた。
今回は、FBI長官であったジェームズ・コミー氏を解任したのである。その理由としては、「ヒラリー・クリントン氏が国務長官の時代、私用メール問題捜査の不適切な対応をした」として、司法長官と副司法長官が勧告文を送ったためだ。
しかし、何故今更? 実は、FBIは現在米大統領周辺とロシアの関係を調査中であったのだ。そこで浮上したのは、「彼はロシアとの関係を隠蔽するためにFBI長官を解任した」という疑念。更に、多くのメディアはトランプ氏が2016年大統領選挙で使ったクリントン氏への攻撃材料を、解任する理由に使っている「矛盾」を指摘した。
有名司会者のジミー・キンメル氏は、自身のTV番組で「これは独裁だ」と語る。本稿は、この一見に関してのトランプ氏の公式声明、Twitterでの反応、FBI長官解任後の初声明を和訳する。
元FBI長官「もう済んだことですし、私は大丈夫です」
トランプ氏によるコミー氏解任後の声明
米大統領は、ホワイトハウス報道官ショーン・スパイサー氏を通じてこのような声明をした。
本日、ドナルド・J・トランプ大統領はFBI長官であるジェームズ・コミー氏に、解任する旨の通知をしました。トランプ大統領は、副司法長官ロッド・ローゼンスタイン氏と司法長官ジェフ・セッション氏両方からの、明確な勧告を基に決断を下しました。
「FBIは我々の国で一番大切で、尊敬されている機関であり、本日最高の法執行機関として新たなスタートをする」とトランプ大統領は言ってました。
新たなFBI長官の候補探しは直ちに行われます。
トランプ大統領の一件への反応
ジェームズ・コミーの代わりは、FBIの信念、信用を取り戻す遥かに優れた人物がやる。
コミーは民主党、共和党同様ワシントン州全体の信用を失った。物事が落ち着いてきたら、彼らは感謝するだろう!
民主党はずっとコミー長官について文句を言いつづけていた。彼が解任された今、彼らは気分を害したフリをする。偽善者たちめ!
ジェームズ・コミー氏による別れの手紙
CNNは、彼が解任された後FBIの人々に宛てた手紙を手に入れた。
皆さんへ:
私は長い間、大統領はFBI長官をどのような理由でも――たとえ理由などなくても――解任することが出来ると信じていました。この決定や、段取りに対し、抗議する時間は割きません。あなた方もそうしないことを願います。FBIでの任務を深く惜しみますが、これはもう済んだことですし、私は大丈夫です。
混乱した時代、アメリカ市民はFBIを能力、誠実さ、独立の象徴として見るべきだと話したことがありましたね。退くのを惜しくさせるのは、一丸となりその象徴を作っているFBIの人々の性質と特性です。
正しいことのみに尽力する人々から成る団体を抜けることは、とても心苦しいです。私は、あなた方がFBIの理念を体現し、アメリカ市民を守り、憲法を維持し続けることを願っております。それが出来れば、あなた自身が去る時も私のように口惜しく思い、人々は更に安全に過ごせるでしょう。
あなた方と働くことが出来たのは、私の人生の大きな喜びでした。ありがとうございました。
ジム・コミーより
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