5月10日(水)、厚生労働省は「労働基準関係法令に係る公表事案」を公表。
長時間労働削減に向けた取り組みとして、2016年10月〜今年3月までに送検された334の企業がリスト化された。
リストアップされた会社が送検された「事案概要」も公開
出典:www.mhlw.go.jp 厚生労働省が発表した資料では、「企業名」「所在地」「公表日」「違反法令」「事案概要」などが明記されている。
事案概要では、リストアップされた企業がどんなことで送検されたかがわかる。
新入社員の自殺による裁判についての報道があった広告代理店「電通」の事案概要には、「労働者2名に、36協定の延長時間を超える違法な時間外労働を行わせたもの」と記載。同様の内容で送検された企業は、数え切れないほどある。
時間外労働だけでなく「賃金未払い」も多数
出典:www.mhlw.go.jp 36協定に反する企業が多数見られる一方で、賃金未払いの事案概要も目立つ。1ヶ月の定期賃金未払いをはじめ、9ヶ月の定期賃金の未払いなど、労働者の生活に関わるような事案だ。
リストを見ていると、「賃金未払い」の企業は公表されている企業以上にあるように思える。というのも、私が学生時代にアルバイトをしていた個人経営の喫茶店が潰れたとき、2ヶ月分の給料が支払われなかったのだ。身近にある「賃金未払い」という事案が、公表されている数だけではないことがわかる。
ブラック企業の被害を受けているのは日本人のみならず
国内で働く外国人にもブラック企業の触手が伸びていた。
技能実習生に対して割増賃金を支払わなかったり、外国人技能実習生に最低賃金を下回る賃金しか支払わなかったりという事案もリストから確認できた。
ブラック企業が、どんな事案で送検されているのか? ということを知る上では、重要な公表は、今後毎月定期的に厚生労働省のHPに掲載される。掲載期間は1年間とのことだ。
リストに公表された企業は、「是正・改善が確認された場合」はHPから削除されるという。今後、毎月公表されていく「ブラック企業」。
しかし、厚生労働省が「労働基準関係法令に係る公表事案」を公表したのは、当日の23時過ぎ(夜の報道番組の途中で入ってきた)だった。リストを作っている発表元も、もしかしたら夜遅くまで仕事していたのかもしれない。
日本全体で「オールホワイト」になれる日は来るのだろうか。
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