料金の安さが魅力の格安SIM。しかし、「格安SIMにしてみたいけど、仕組みがよくわからない」「本当に安く使えるのか不安」という人も多いのではないだろうか。
格安SIMというと安さばかりが際立ってしまうが、当然のことながら、安ければその分、デメリットもある。格安SIMを購入する前に、まずはメリットとデメリットを正しく理解しておこう。
料金が安くなるのが最大のメリット
格安SIMのメリットは主に3つ。ひとつは先に述べた通り、月額料金の安さだ。利用スタイルにもよるが、大手キャリアの半額以下の料金で利用することができる。
これは格安SIMを提供する事業者「MVNO」が、大手キャリアから基地局などの設備を借り受けてサービスを提供しているため。通信ネットワークの設置や運営にかかるコストを直接負担する必要がないので、割安な料金でサービスを提供できる。
大手キャリアのように自動更新の“2年縛り”のような継続利用契約がゆるいのも魅力のひとつだ。音声通話対応SIMの場合は、“縛り”があるが、その期間は半年から1年ほどと大手キャリアの半分の期間で済む。
データ通信専用SIMであれば、そもそも最低利用期間が設定されていない場合がほとんど。解除料なしでいつでも解約できる。
3つ目は多彩なプランが選べる点だ。大手キャリアのデータ通信プランは、プランごとに容量が定められており、使う容量に応じてプランを選ぶスタイルが主流だが、格安SIMはより幅広いタイプのプランが選択できる。例えば、高速通信の容量がない代わりに料金が割安な“低速プラン”や、使用したデータ通信量に応じて料金が決まる“段階制プラン”など、大手キャリアにはないタイプのプランが選ぶのも魅力といえるだろう。
キャリアメールなどのサービスが使えなくなる
格安SIMには、上記のようなメリットがあるが、もちろんデメリットもある。
ひとつは大手キャリアが提供するいわゆる“キャリアサービス”が利用できなくなることだ。これまで使っていた「@docomo.ne.jp」などのキャリアメールは使えなくなる。代替サービスを提供するMVNOもあるが、アドレスじたいが変わってしまうので、キャリアメールを頻繁に利用している場合は注意が必要だ。
大手キャリアのような手厚いサポートが受けられないのもデメリットといえる。大手キャリアは全国にショップを展開しており、機種変更の相談や故障、料金プランに関する相談に乗ってもらえるが、こうしたショップを手広く展開しているMVNOはほとんどない。自前の店舗を持つMVNOも増えてはきたが、キャリアと比較すると数は圧倒的に少ないのが現状だ。
回線についても触れておこう。MVNOの回線は大手キャリアの通信網を借りているので、回線ごとに利用できる通信料が決められている。そのため一度に利用が集中し、回線が混雑すると一時的に速度が遅くなるおそれがある。
メールはGmailやLINEなどで代用可能
格安SIMに変えるとキャリアメールを使えなくなるが、「LINE」や既存のメールサービスを使うことで代用可能だ。
Androidの場合は最初にGoogleアカウントを作成する際に自動的に使えるようになる「Gmail」をそのまま使うといいだろう。スマートフォンが普及してからキャリアメールの重要性はそれほど高くなくなったし、大抵のメールはGmailで充分だろう。PCメール扱いになってしまうことに変わりはないが、あらかじめアドレスを伝えておけば受信者側で設定することで問題なくやりとりできる。
また、今や標準アプリといっても過言ではないLINEも便利だ。気軽なメッセージや友人間での連絡ならLINEで事足りる。テレビ通話やグループ通話などの機能も備わっているので、仕事用の携帯などがあるならば、データ通信のみのプランで契約して、LINEで通話を済ますといった使い方も想定できるだろう。
当たり前のことだが、格安SIMのほうが安いから良いというわけではなく、大手キャリアには大手なりの良さがある。安いからといって安易に乗り換えるのではなく、あらかじめメリット・デメリットを把握することが重要だ。
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