スマホの料金をなんとかして安くしたい――。スマホを使っている人であれば、多くの人が一度はそう思ったことがあるだろう。
大手の携帯電話会社(キャリア)の場合、どれだけプランを厳選しても、毎月の支払いは最低でも5,500円以上。これを1年支払い続けたとすると合計は6万6,000円以上になる。決して見逃せない額といえるだろう。
こうした状況を打開する存在として注目を集めているのが「格安SIM」だ。格安SIMを使えば、毎月の支払いは1,000~2,000円程度で、大手キャリアの半額以下に抑えることができる。
この記事では、そもそもスマホの料金はなぜ高いのか、という素朴な疑問に応えるとともに、料金節約の救世主ともいえる「格安SIM」とは何か、なぜ割安な料金のサービスを提供できるのかについても解説する。
スマホはデータ通信料がケータイよりも高い
そもそも、なぜスマホの料金は従来型のケータイよりも高いのか。それはスマホがケータイよりも多くのデータを送受信するデバイスであるということに由来する。
ケータイでは「3G」と呼ばれる第3世代の通信方式が主流だったが、現在では大容量のデータをやり取りするスマホの普及に合わせて、より高速に大量のデータを送受信できる「LTE」と呼ばれる第4世代の通信方式が主流になっている。
スマホの料金には、通話に加えてデータ通信のプランが含まれており、スマホではLTEを利用することを前提としたプランを選ぶのが鉄則だ。このデータプランには、月ごとにLTEが使える「データ容量」が定められており、容量が大きいほど料金は高くなる。
スマホは通話の基本使用料に加えて、LTEで通信するためのデータ通信料を支払う必要があるため、ケータイよりも料金が高くなりがちなのだ。
スマホの料金節約に欠かせない「格安SIM」
こうしたスマホの料金の高さへの不満を解消する切り札として注目を集めているのが、「格安SIM」だ。格安SIMは、「MVNO」と呼ばれる通信事業者が提供しているSIMカード。これを使えば、スマホの毎月の支払いは大手キャリアの半額以下になる場合もある。
なぜ、大手キャリアよりも安くサービスを提供できるのか。それはMVNOが大手キャリアから通信ネットワークを借り受けてサービスを提供しているため。通信設備を敷設や管理・運営に莫大なコストをかける必要がないため、安価なサービスを提供できる。MVNOは右肩上がりで数が増えており、その数は現在600社を超えるという。
格安SIMを使えば本当に誰でも安くなるの?
スマホの料金節約に多大なる効果をもたらす格安SIM。しかし、誰しもが安くなるかといえば、そうといえないケースもある。
特に可能性が高いのが、通話が多い人だ。格安SIMの場合、データプランの料金は安いが、音声通話料はそれほど安くはない。基本は30秒20円で、ケータイの無料通話分を含むプランの通話料と比べると割高だ。
最近では大手キャリアと同様に、オプションとして通話し放題のサービスを提供するMVNOも増えているが、それを利用しても毎月2,000円程度はかかる。通話がメインでデータ通信をほとんど利用しないというのであれば、無理に格安SIMに乗り換える必要はない。むしろ割高になる可能性があるので、慎重に検討しよう。
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